渡りはタカだけじゃない

アサギマダラ』が、渡りをするチョウだというのは有名な話ですが、この近辺では愛知県の伊良湖岬で「マーキング調査」をしています。伊良湖岬・・・そうです、例のタカの渡りの中継地!

マーキング(標識)とは、チョウの翅に「しるし」をつけることで、個体ごとに決まったマーク(標識)をつけて放してやり、それがどこかで再捕獲されると、その個体の寿命や、移動分散の距離などいろいろなことを知ることができます。
アサギマダラのマーキングは油性のフェルトペンで、翅に「しるし」をつけます。マーキングをする「浅葱色(あさぎいろ)」の部分は、鱗粉が少ないので油性ペンなら書けます。

野鳥の場合はカスミ網で捕獲して足環を付けて(「バンディング」といいます)渡りの調査をしているけど、もちろんこれには鳥類標識調査員(バンダー)という資格が必要!
でもアサギマダラの場合は誰でも参加可能です!だから子供も参加しています。

サシバもアサギマダラも渡りのコースは似ていて、このチョウは秋に日本本土から南西諸島・台湾への渡り個体が多く発見されています。

興味深い話があって2009年に、岐阜県下呂市で放蝶した人と兵庫県宝塚市でその個体を捕まえた人が、2年続けて双方とも同じ人物だったんだって!
どのくらいの数がマーキングされるのか知らないけど、こんな偶然を体験したらきっとマーキングを止められなくなってしまうんだろね~!


どのくらい移動するのかという記録では、2011年10月10日に和歌山県から放蝶されたものが、83日後の12月31日に約2500 km離れた香港で捕獲された。途中高知県でも捕獲されていて、世界第2位の長距離の移動が確認されたということ。

1日に約200km以上も離れたところまで翔んだという記録も数例あるんだってさ!

さてさて、そんなマーキング蝶を私も見たことがあります。


それがなんと自宅の庭!やった~!

当然ながら、ヒヨドリバナはアサギマダラが来てくれることを想定して植えてたんだけどね!ムヒヒッ!
この時は「FN 085」とだけ読めて、これはマーキング時に記入する①標識地がわかるような記号 ②標識者が特定できるような記号と個体番号 ③標識した日付 ・・・のうちの②と思われます。この時は撮影ができたけど、残念ながら捕獲はできませんでした。どこで放蝶したんだろ?


捕まったアサギマダラにとってはいい迷惑かもしれないけど、これも調査のためと思って少々我慢してもらいましょう。

アサギマダラについてもっと知りたい人は、ネット検索でいろいろ出てくるのでどうぞ!


4 件のコメント:

  1. 自宅の庭にアサギマダラ!それもマーキング蝶!そんなワンダフルな事があるのですね!
    日々の活動のご褒美ですね。いつも楽しい画像や説明文を有難うございます。(●^o^●)

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  2. ええぇ?一日で200kmの移動?どうなっとんのじゃぁ~!!引佐の立須山頂を朝飛び出して夕方には伊吹山辺りにはいるっちゅうこと?どう考えてもあの飛び方では自力では無理だろうし、西風が吹いていたらもっと無理かも・・・つうことは、結構強い東風の時なのかなぁ?秋の渡りの時のアサギマダラは天気の悪い時に移動する!こんな仮説ってどう・・・??それとも200km移動したのは、逆方向だったのかな?偏西風や強い西風に乗って西から東へ?かもね。こんななぞなぞって超面白いノダ。だから止められない!

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  3. ちなみに里の家に植えたフジバカマはどうなったのでしょう?どうも今年は元気なかったようだけど・・・??

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  4. ◆アサギマダラの飛距離の200kmというのは秋の渡りのデータだから、東から西への距離でござる!

    ◆フジバカマは今年ぜんぜんダメみたい! 我が家のフジバカマを移植しようかね~・・・ただし近所の園芸店で購入したものだから、例によってフジバカマモドキまたはフジバカマダマシの可能性もあるけど・・・今、3分咲きになりました。

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