学力テスト Vol.425-1 クイズ その解答 ミサゴ ~ みさご鮨 ~

 ミサゴ ~ みさご鮨 ~

どれも地味な茶色で肉食系が多い猛禽類ですが、その中では異色の魚類が主食という変わり種で、白黒ツートーンの美しいタカです


いつもの休息場所の杭から飛び出した瞬間ですが、この時は他のタカ類と同じように3本の指が前側にあります。これは「三前趾足(さんぜんしそく)」といい、鳥類ではスズメ目やタカ目に見られるもっとも一般的な構造です。

この写真の方がわかりやすいかな?

ホバリングをしながら、上空から魚を探します。

おっと、獲物を見つけました。

獲物に向かって急降下~~! まだこの時には三前趾足のままです。

獲物まであと5m足らず

このダイビングの瞬間では、前にあった3本指のうちの外側(第4趾)を後ろに動かして前2本と後ろ2本の「対趾足(たいしそく)」に変化させています。
これを「可変対趾足(かへんたいしそく)」と呼びます。ホントにすごい進化!!

あと1m! 足指を思いっきり前に突き出して~!

とりゃ~~、ドッパ~~ン 
当然ながら瞬膜も閉じています。

見事に大物のボラをゲットだぜい~~!! 
左足の爪がボラの頭部付近にガッチリと食い込んでいます!


そのあとすぐに両足で、ボラをまるで「戦闘機が魚雷を搭載」するかように両足でつかんで運びます。こんな時にも前後2本の指の方がバランスよく運びやすいのです。しかもこの魚の形が空気抵抗も少なく運べるのです。
間違ってもボラの尻尾が前に来るなんて、アホなことはしません。

こちらでは何と両足に獲物が!!


少しばかり小魚すぎて恥ずかしそうです。ダイビングはいつも成功するわけじゃないので、せっかく獲った獲物もしっかりと食べることでしょう。

          
足の裏には乳頭突起が発達し、ぬるぬるした魚でも足裏にべっとりとくっつかないようになっています。

ここで面白い文章を見つけたのでご紹介。

ミサゴの足裏をイメージできない人は、ご飯がつかないように表面をボツボツ加工したシャモジを思い浮かべるとよい。見た目も触った感触もそっくり・・・と書いてあるので、この素晴らしい表現をした筆者は幸せにもミサゴの足をじかに触ったらしい! うらやましか~~       参考資料「鳥の足型・足跡ハンドブック著:小宮輝之・杉田平三

さらには、水中に突っ込んでも大丈夫なように、鼻孔には水の浸入を防ぐための弁があったり、羽衣は油分を多く含んでいて水への耐水性を高めていたりと、至れり尽くせりに進化しているのです!


「みさご鮨」の言葉の由来
ミサゴは波が高かったりして魚を獲ることができない時のために獲った魚を貯蔵し、それを食すという説があります。
その貯蔵された魚が自然発酵して酢漬けのような状態になって、うま味が増したものを人が見つけて食したものが寿司の起源、すなわち「鶚鮨(みさご鮨)」と呼ばれるものだという言い伝えなのです。

実際のミサゴにはそんな貯蔵するような習性はないのですが、寿司というおいしい料理をミサゴが教えてくれたという話はすごくロマンチックでいいですよね?!

ちなみに「みさご」とか「みさご鮨」という店があるのか調べてみたら・・・あったあった! 静岡県内では伊東市に「みさご寿し」と、静岡市に「みさご」という店を見つけました。チャンスがあったら食べに行こうかなっと! ミサゴの爪跡がある焼き魚なんて、おいしそう~~!!



















学力テスト Vol.425 ~ この足って誰だ? シリーズ その3 ~

 昨日は2月22日で「ネコの日」でしたが、今日は2月23日で「富士山の日」。

そこで「富士 力士」で検索してみると「出身地で見る・しこ名に「富士」が付く力士マップ」というのが出てきました。大勢いるものですね~! 

横綱だけでも、現役の「照ノ富士」を含めて6人もいるほどに人気があるのです。

ここ数場所は静岡県出身の郷土力士である「熱海富士」と「翠富士」の2人が幕内で活躍しているので、やはり気になってTVで応援もしちゃうんだよね~。末は横綱や大関・・・とまでは言わないけど、関脇くらいになってくれるとイイネ・・・とにかく、ぐゎんばれ~!!


さてさて、
今回のクイズはこんなのを用意してみました。 

次の2種類の「鳥の名前」と「足指の形」をセットで答えてください。よ~く考えてくださいね!

A

B




学力テスト Vol.424-2 クイズ その解答 オシドリ ~ 東洋の至宝 ~

 オシドリ ~ 東洋の至宝 ~

このように仲睦まじく、いつもくっついているのがオシドリの特徴。


雌雄の仲が良くて、寄り添うようにしていることが多いことから、古語の「雌雄相愛し(しゆうあいおし)」から「おしどり」と呼ばれるようになったとのこと。

実際には毎年同じカップルではないというのが定説のようですが・・・
まあ、興ざめの話は今回はパス!


さて、今回は中国東北部や日本列島など東アジアのごく限られた地域にしか生息しておらず、欧米人バーダーのあこがれの的で「東洋の至宝」といわれるオシドリ。その足指が「標準蹼足」というお話。

足指の間の水かきが透けているように見えませんか?

カルガモ君も「標準蹼足」ですが、水かきの厚みがぜんぜん違います!

指先の爪も長めです。

これは彼らが地上ではなく樹上の洞で繁殖するという選択をしているからなのです。当然ながら、地上よりも安心して産卵できる場所です。

水かきが薄く柔軟なので細い枝でも止まることができ、爪も他のカモよりも長めに発達しているのです。

オシドリ君たちの大好物はどんぐり!

このくらいのサイズなら難なく飲み込んでしまいます。

同じ「標準蹼足」の仲間でも、それぞれ独自に進化しているってのはすごいことです。









学力テスト Vol.424-1 クイズ その解答 カワウ ~ 海のカラス ~

 カワウ ~ 海のカラス ~

私事で、鳥とは全く関係ない話です。能登地震のニュースがあって間もない頃に突然の訃報が入りました! 1ヶ月が経って、ようやくというか、何とか八代亜紀の逝去を受け入れなきゃと思うようになりました。ホントはまだぜんぜん実感はないけど・・・

十数年前に友人から頼まれて、八代亜紀のCDをipodに入れてほしいと頼まれて、彼女の「夜の銀狐」を聴いたのがきっかけ!

その時に、突然「何てうまいんだ!!」と、ビビビッと来たのです。それまでは単に「舟唄」の歌が上手いオネイサンだったのに、翌年には県内のライブに3回もいそいそと出かけたりしていました。あの独特のタングトリル(巻き舌)で、魅力的なハスキーボイスが聞けなくなるなんて・・・

突然、自分の周りからいなくなるってことが、ものすごくつらいことなんだってことをつくづく実感しているこの頃です。それにしても彼女の「海猫」って曲はすっごくいいねっ!


さてさて、本題!! 「鵜飼い」の歴史って知ってますか? 何と!日本書紀や古事記にも掲載があるというから1400年以上の歴史があるのです!! ウと人の関わりがそんな昔からあるなんて!すごいね~! ちなみに、鵜飼いで使われているのは「ウミウ」です。

カワウというと写真の対象としてのランクは低いと思われますが、今回の足指シリーズをきっかけに調べていくと、いろいろと知らないことがゾロゾロと出てきて、それこそ「目からうろこ」そのもので、けっこうというか、かなり新鮮です!

人類が誕生する遥か彼方から地球上にいたという鳥類というのは、すごいの一言!!

知らないうちに撮っていて今まで気づかなかった一つが、この水上からの離陸方法。





カワウ君が飛び立つ時には助走が必要です。その時には、両足を揃えて跳ねています。

ハクチョウやカモなどの「標準蹼足」の仲間は片足を交互に出して水上を走ります。

が、ウの仲間やペリカン類は両足を揃えて跳ねています。・・・そう、ジャンプなのです!!

その方が「全蹼足」というメリットを充分に発揮できるということなのでしょう。

ハクチョウやカモなどは樹上に止まることはできませんが、全蹼足のカワウ君たちは全く問題ありません。指の関節も柔らかいのかな? 樹上で繁殖できるのはこの足指があるからなのです。

カワウ君たちは集団で行動することが多いです。

彼らの食欲はというと、一日に体重の1/4から1/2の魚を食べると言われています。
体重? 彼らは2~3㎏です!! 

そして彼らの行動範囲は10~20kmほど、遠い時は30km以上も飛んで行くようです。
餌場は遠州灘、天竜川、浜名湖などです。

遠くに見えるのはアクトタワー
これは浜松市内のカワウの繁殖地で、一年中 数百羽がここで暮らしています。

なので、浜名湖などの漁業関係者はカワウの食欲に頭を悩ませているのが現状なのです。
カワウ君たちと共生するにはどうしたらいいのかな?

最後に
①カワウの英名「Cormorant」というのは「海のカラス」という意味です。

②下記で検索すると、同じ「全蹼足」のペリカン君の動画が見られます。

「スローモーションで海水の海岸に沿って優雅に飛び立つ茶色のペリカン鳥」












学力テスト Vol.424 ~ この足って誰だ? シリーズ その2 ~

 「この足って誰だ?」シリーズその第2弾です。

鳥の趾(あしゆび・足指)にはいろいろな種類があります。
大きく分けると水かきのあるものとないものの2種類。


参考資料「鳥のフィールドサイン 観察ガイド」箕輪義隆

今回の出題のように、水かきのあるものは「標準蹼足(ひょうじゅんぼくそく)」「全蹼足(ぜんぼくそく)」「半蹼足(はんぼくそく)」「弁足(べんそく)」の4種類に分けられます。

さてさて、問題です。下の足指は誰かな? 
足指シリーズの第2弾もわかりやすい鳥を選んでみました。
上のイラストから足指の種類も一緒に答えてください。

A

B




学力テスト Vol.423-2 クイズ その解答 ユリカモメ ~ 海のスカベンジャー ~

 ユリカモメ ~ 海のスカベンジャー ~

ユリカモメは、冬になるとユーラシア大陸から渡ってきます。

その数はとても多く、漁船を追いかけるこんな風景も見られます。

これがすべてユリカモメ!

赤い足は成鳥
ユリカモメの足指の形は「標準蹼足(ぼくそく)」と呼びます。

「蹼足(ぼくそく)」って何のこと? 「蹼」とは「水かき」のことで「蹼膜(ぼくまく)」とも呼びます。皮膚から進化したものです。

幼鳥はオレンジ色

「蹼足」とは水かきのある足を持っている鳥、すなわち水鳥と呼ばれる仲間です。だんだんと紹介していきますが、今回のユリカモメの足指は「標準蹼型」といい、前趾の3本が水かきで繋がっています。

カモメ類の他にはカモ、ミズナギドリ、アビ、ウミスズメの仲間がこの形の足です。


ユリカモメがプカプカと浮いている様を見て、まるで海上に白い花が咲いているようだという人がいます。

漢字の表記でも「百合鴎」と書きます。
このあどけない顔を見てユリの花を連想したのかも?

これとは別に「入り江カモメ」が転じてユリカモメになったという説があって、こちらの説の方が有力なんだとか。

別にその美形に焼きもちを焼いているわけではありませぬが、こんなかわいい顔をしているので、「まるで百合の花のよう」と称えられることもあるけど、実際にはものすご~く性悪で悪食!! 
性悪というのはヒトの獲物を横取りなんてのは当たり前で、悪食とはカラス並みの雑食ということなのです。

美女で性格のいい女性が少ないのは、子供のころからチヤホヤされてきていて、褒められたりするのが当たり前、男も勝手に寄ってくるから選り取り見取り!! そんな女にしたのは男にも責任の一端がありますね~ 

自分がそのようなモテモテという、いい思いをしたことがなく、ひがんでいるようで・・・ああ、やだやだ!

海上に浮かぶ魚類などを狙って飛び回ります。

小魚を見つけた!

ボラの幼魚の大群に群がって食事中
この時は30羽以上が集まってきて、食べ放題!

海上に投げ捨てた残飯などにも群がってきます。だから「海のスカベンジャー」とも呼ばれたりするのです。
ん?スカベンジャーって何のこっちゃって? トビ君と同じく「ごみやくずを拾い集めて生活する人・・・すなわち「掃除屋」のことなのでござりまするよ。
またの別名を「水辺のカラス」とも言われているのです。

成鳥 優雅にゆったりと飛んでいます。

幼鳥 第1回冬羽かな?

別にリカモメ君のことをけなすつもりは毛頭ありません。彼らのような、たくましいのがいてこそ、きれいな環境になるのですから・・・ね!!