学力テスト Vol.321-3 その解答 ハイタカ-1

 ハイタカ

1.いつものように、カラスが暇つぶしにちょっかいを出しに来ました。

2.1分ほどタカを追っかけ回しましたが・・・

3.でも相手が悪かった!! 

トビやノスリなら逃げ回るだけなのでカラスも気ままに遊べるけど、相手が「ハイタカ」
ではそうはいきません! ・・・遊び相手に選んだ相手としては大、大、大誤算!!

4.突然の反撃にカラスはビックリ!!

5.飛翔のテクニックならハイタカの方がはるかに上!

6.カラスは必死に逃げまわります。

7.コンニャロメ~

ハイタカもここぞとばかりにカラスを懲らしめようとしているかのように、執拗に追いかけまわします。

8.ごめんなさ~い 
もう、しませ~~ん!! カラスも平謝り

9.許さへ~ん!

10.きょえ~~!! ドロップキック~~!! 
はたまた、アントニオ猪木の延髄切りキック~~!!

11.うわわ~!!!
あまりのスピードにカメラマンの腕が追い付いていけませんでした!

ここで注釈:この連続写真には2羽のカラス・・・ボソとブトが登場しております。
気づいたかな?







学力テスト Vol.321-2 その解答 チゴハヤブサ 

 チゴハヤブサ

漢字では「稚児隼」と書きます。 稚児なんてかわいらしい名前の付いたのは、これ以外ではチゴモズだけ。「稚児」とは「姫」と同じように小型を意味しています。

とにかくカッコイイの極みなので、私はだ~い好き!!

猛禽類にしては珍しく、虹彩が黄色やオレンジではありません。これが可愛らしい顔に見える最大の特徴の一つ!

こちらが幼鳥

成鳥との腹部の色の違いに注意

チゴは小鳥の他、大型の昆虫やコウモリも狙います。

大好物のトンボを発見!

減速してトンボに狙いを定めます。

チゴの目前にトンボがいます。足を伸ばして捕まえる寸前!

うわわ~ 空振りです! 

捕獲寸前でトンボに逃げられてしまいました。チゴの左下に小さいけど逃げ延びたトンボが見えます。トンボ捕獲のプロでもこんなことがあるのです。これを表して「河童の川流れ」! トンボだって、いつもいつも捕まってちゃ飛翔名手の名折れだもんね~

別個体の幼鳥ですが、しっかりとトンボを食べています。
この直前が下の写真。

見事、狩りに成功!! ギンヤンマをしっかりと握っています。

成鳥はこんなふうに腹部がオレンジ色になります。

そろそろチゴハヤのシーズンも終わりですが、今年も充分に堪能させてくれました。
また元気に戻ってきてね~~!!













学力テスト Vol.321-1

 今回の生きものは、名前が4~6文字で少々長いですが、すべてをほぐして表記することにしました。この中に3種類が含まれています。当然ながら不要の文字もチラホラと。

同じ文字がダブっていますが、どれも必要です。使えるのは一度だけ!

 ア・イ・オ・オ・カ・カ・ゴ・サ・タ・タ・チ・ナ・ハ・ハ・ブ・ヤ

 

以下の写真はクイズとは何の関係もありません。

初夏に羽化した未熟のアキアカネとワレモコウ

平地で生まれたアキアカネは夏を標高の高いところで過ごします(開田高原にて撮影)

♂が成熟して平地へ戻ってきました。

「秋津島 (秋津洲)」とは神武天皇が日本の国を一望して言った言葉。
その「秋津」とはトンボのことで、トンボの国という意味です。

♂の飛翔

交尾

ハート形になる時は♀が♂の精子を受け取っている時です。
すなわち、後ろで首根っこを押さえられている♀が、自分の腹部の先端にある生殖器を♂の精子を蓄えた副性器と呼ばれる部分に結合させています。この状態を「交尾」と呼びます。

この状態を「おつながり」とか「タンデム飛行」と呼びます。

後ろが♀ 

♂は腹部の先端にあるペンチのような形をした付属器で♀の首根っこをガッチリとつかんで放しません。

稲刈りの済んだ田んぼの水たまりに産卵

連結したまま、2頭でタイミングを合わせ、振り子のように体を使って水深の浅いところの泥に腹部の先端をなすりつけるようにして産卵します。産み付けられた卵は乾燥や寒さから身を守りながら越冬します。

そして、3~4月頃にヤゴ(幼虫)に変身 ⇒ 初夏に羽化してトンボに ・・・というのが一年の生活サイクルです。










学力テスト Vol.320-4 その解答 ツミ

 ツミ

漢字の表記では「雀鷹」。英名でも「Japanese Sparrowhawk」 ・・・日本最小のタカなので、スズメ関連の名前が付けられているのです。

成鳥は♂♀で体色がかなり異なるので、昔は別種扱いされていたとのこと。

♂の成鳥 ヒヨドリくらいの大きさしかありません。
平安時代の呼び名は「えっさい」

♂の背面


♀成鳥 
平安時代の呼び名は「つみ」。キジバトよりも一回り小さいです。

幼鳥は胸にしま模様が

これも幼鳥 

そしてこれも幼鳥 小型でも滅法 気が強いです。

獲物のほとんどは小鳥!! 

喉の部分(嗉嚢=そのう)が膨らんでいるのは、食べたばかりの小鳥が入っているから。


さてさて、この10月下旬頃から1ヶ月間がツミなどの撮影勝負の月! というのも、これからがハイタカ属の渡りが本格的になるからなのです!

ツミ君♂成鳥の目が真っ赤で、しかも、お腹の真っ赤なのが狙いだけど、こんなのとの遭遇は1シーズンに一度あるかかないかのくらいメチャクチャにハードルが高いのです!!

ちょうど、用事があって行けなかった日に限って「昨日はなぜ来なかったのじゃ? ツミののきれいなのが飛んだぞ~、しかも近くで! ホレッ!」人の心を逆なでするように、自慢げに昨日の写真を見せるのです!! クヤシイったらありゃしね~!! フン!

自分が、もしそんなスゴイのが撮れたらきっと同じことをしてるんだけどねっ!

でも、それは決して自慢じゃなくって、相手に刺激を与えて脳を活性化していただくという親心からに他なりませぬ! ・・・そう思わなきゃやってらんね~!







学力テスト Vol.320-3 その解答 サシバ

 サシバ

この少々変わった名前の由来は、獲物を目指して真っすぐに飛ぶものの意味。すでに鎌倉時代の頃からサシバと呼ばれていたんだそうな。また別の説では喉の真ん中の1本の縦線が羽を差しているように見えるためとのこと。

コロナ騒ぎで「ソーシャル・ディスタンス」に敏感なこの頃。タカの渡りでもこの「距離感」というのがいろいろと問題なのです。

通常、伊良湖岬とか白樺峠などタカの渡りのメッカで発表される渡りの数は、双眼鏡+スコープでのカウント。だからかなりの数が発表されます・・・が、スコープで見える距離と、写真が撮れる距離というのは、まるっきり違います。

写真を撮る場合は、ヒトの願望というか欲望が限りなく出てしまいます。今回はその辺りを「距離感」の視点からサラッとご紹介しましょう。

高いところをサシバが渡っていきます。

青空を気流に乗ってスーッと流れていく様は秋を感じさせる風物詩・・この季節感を感じない人には、恋人と愛を語る資格はありません。
ん、んん?何だって?! 愛を語るのと季節感に何の関係があるんじゃって? そりゃそうだ! 今日は頭の配線がこんがらがっているので、言うことも何やら支離滅裂かも!

風景写真としては、こんな小さく写っているのがあっても構わないんだけど、これでは遠すぎるし、お腹しか見えないし・・・ということで、すぐに飽きてしまいます。

こちらは遠いし、逆光のパターン 
せっかく成鳥の出現なのにガックリ・・・テンションがドド~っと下がります。

うわわ~、突然 成鳥のお出まし~ いきなり斜面の下から舞い上がってきました。

そして、近い~~!! なによりも順光なので黄色の目もばっちり!! 

でも近けりゃいいってもんでもありません。確かに、拡大すれば鼻毛もまつげも見えるかもしれないけど、これじゃ近すぎて図鑑のようになっちまう~~  これはノートリの状態

ちょっと寄り道:写真の用語で「トリミングとは、写真をプリントする際に画面の1部分をカットすることをいいます。だから「ノートリ」すなわち「ノートリミング」というのは撮ったままの状態のこと。

写真で大事なことは露出と構成・・そんな言葉が必ず出てきます。
画面の構成とは、正確なフレーミングをして、ノートリミングで表現するというのが理想的なんだけど、鳥のように動いている被写体の場合では、そんな余裕は一切なし! 
まずは出てきたやつをバシャバシャと撮る! ピントを合わせて撮る!! この作業だけで大忙し! というか精一杯!! 
ピントが合うまでの数秒間のせわしないことと言ったら!! ましてや隣がバシャバシャsと気持ちよさそうに連写して撮っていたとしたら、焦りまくりでパニック状態です!

おっと、一羽が向こうの方から真っすぐに向かってきます! 

これはいいぞっ!! かなりいい!! すっごくいいっ!!! コースも角度も距離感も
バッチリ! ジワ~っと手のひらが汗ばんでくるし、ドキドキ胸が高鳴ります!!!!

その数秒後に、理想的な距離に、水平に近い角度で飛んで来てくれました。やった~~!

これは幼鳥なので警戒心もあまりないようです。こりゃいい!! こんなのが撮れてシアワセ~~ 
この時点ではまったく気づかないけど、自宅で写真の整理を始めた途端に「ゲゲ~~、こりゃダメだ~!」

なぜかというと・・・目をご覧ください。

虹彩にモヤーンとカスミが掛かったよう! 座頭市のようになってしまっているのです。
これはまさしく瞬膜を閉じている瞬間! 何もこんな時に瞬膜を閉じなくたっていいのに~!!
こうなるとガックリです!!

どうにかこうにか、頼み込んで可愛い彼女の写真を撮らせてもらったのに、目をつぶっていたのしか撮れなくてガックリ!! それと同じです・・・いや、それ以上なのです!! 
彼女なら頼めばもう一度撮らせてもらえるかもしれないけど、こちらは一期一会の世界!
チャンスは一度きりなのです!!

だから、自分としてはこんな写真が撮れたら満足なのでござる

順光・青空バック・適度な距離 少なくともこの3拍子が整っていたらルンルンなんだけど、なんせ自然相手だから、そんなにうまく撮れるわけがないのです!!
だからこそ面白いんだけどねっ!! 
いつになったら満足? ・・・そんなの永久にあるわけないじゃん!! 








学力テスト Vol.320-2 その解答 ミサゴ

 ミサゴ

漢字では「鶚」と書きます。この難しい漢字表記の「鶚」の「咢(ガク)」というのは、後頭にある短い冠羽が突き出ている様子に通じる・・・のだそうな。

足を伸ばして、水中に突っ込んで魚を捕えることから「水さぐり」が語源となって「みさご」になったとも。

こちらは成鳥の♂

そしてこちらが成鳥♀

どこが違うのかって? ♂♀の見分け方は成鳥では胸の模様・・・すなわち喉の下の胸の帯が太いのが♀、薄いのが♂・・・覚えるには「胸毛のあるのがと覚えましょう! デヘッ。

食事のほとんどは魚なのでミサゴのことを別名で「魚鷹」、または「空飛ぶ漁師」と呼びます。トビのように弱って浮いている魚とか、死んで岸に流れ着いている魚なんて見向きもしません。あくまで活魚!! なんせ「空飛ぶ漁師」なんだからね! 

狙う獲物は、上空からホバリングしながら探します。



この獲物に決めた~!というのを見つけたら・・・

反転して急降下~!!

それ行け~!! ビュ~~~ン

水面に近づくと足を思いっきり延ばして

ためらうことなく、目指した獲物へ一直線!! 
指も思い切り拡げて、捕まえやすくなるように進化しています(後ほど詳細を説明)

バッシャ~ン!! 体が完全に水中へ! 
こんな芸当ができる猛禽類はミサゴ君だけ!!

これは別個体のダイビング

魚に気づかれないように、水平飛翔で後ろから・・・

どうだ? 目をよく見ると瞬膜が閉じています。
しかも水中に突っ込んだ時、鼻孔から水が入らないように弁まで付いているのです。

捕れたかな?

空振りです!

う~ん、残念!! 
撮っている私の方も息を止めたままだったので、ここで「プワ~!!」っと大きく一息。
この日は曇っていたし、さざ波も立っていたので、魚影が見にくかったのかな?

水中から飛び出す瞬間ですが、獲物は?

やった~~!! 見事に捕まえています!


ミサゴの足は外趾(がいし)と呼ばれる、前に出ている3本の指のうちの外側の指が後方に自在に回転できます。
前後2本の爪は魚を捕まえやすくするために進化したのです。

この写真を拡大してみると

すごい爪でしょ?! 右足の外側の下側の指が、やや後ろに回っているのがわかるかな?

この写真では指が前後2本ずつになるように外趾を動かして、魚を捕えやすくなるようにしている状態に似ています。
※通常の鳥の指は前3本、後ろ1本の形で固定されています。

この指が動くというすごい構造はフクロウにも見られます。しかもそれだけではなくて、ミサゴのすごいところはまだあります。指の裏には小さい角質のトゲがあって、ぬるぬるした魚をしっかりと捕まえられるようになっているのです。

捕まえたのが小魚だったら片足で充分

これはコイかな?

大物の場合は、さっき書いたように足指を前後2本ずつにセットにしてガッチリと持ち、
戦闘機が魚雷を運んでいるような形で飛びます。空気抵抗を最小限に抑えているのです。

こんな大きなボラでも大丈夫! 
でもないかっ!!・・・ヨタヨタと重そうに目の前を飛んでいきました。

ミサゴは羽毛も脂分が多くて水分を弾くことができます。こんなにいろいろと特化した体に進化しているのに、観察しているとダイビングで撮れるのは10%! 良くても20%くらいです。「空飛ぶ漁師」の異名を持つミサゴ君でもこの程度だから、自然界は思っているよりも、はるかにキビシイ~世界なのです。

魚を横取りしようと追い掛け回す横着者も。

浜松はエサが豊富だし、汽水域の場所に特に多く、佐鳴湖、浜名湖、天竜川河口などへ行けばよく見られます。数からいえばトビの次に多いタカ。
佐鳴湖でもこれから冬になると、最大で7~8羽が段子川河口でのボラ狩りに集結、冬の風物詩の一つになっています。

それにしても、魚だけという大・大・偏食で栄養バランスはちゃんと取れているのかな?