学力テスト Vol.428-2 その解答 ニシオジロビタキ ~ キュートすぎて胸キュン ~

 ニシオジロビタキ ~ キュートすぎて胸キュン ~

名前の由来はこの尾羽

こんなに地味・・・おっと訂正、シックなのに超人気!

それは時々尾を上げるしぐさで、これが超々かわいいのです!

こんなふうに直角にまで尾を上げられたら、それだけで胸がズッキュ~~ン!!

こんなふうに小首をかしげたもんなら、もうメロメロの胸キュン!!

この子の名前をメルアドにしているくらいに大・大・だ~いすきなのです。

そんな子が6年前の師走に我が家のすぐそばに来てくれたのです。
当然ながら毎日のように会いに行きました。そんなだから、1ヶ月ほどしていなくなった時には腑抜け状態になってしまいました。
彼女に振られたって、ここまでショックで落ち込んだ気分にはなりませぬ。

こちらはよく似た「オジロビタキ」

「オジロビタキ」は樺太からロシア中央部を南北に走るウラル山脈までの地域で繁殖して、中国南部から東南アジアで越冬します。これをシベリア種と呼ぶようです。

それに対して「ニシオジロビタキ」は、ウラル山脈から西側のヨーロッパにかけての地域で繁殖、越冬地もオジロビタキよりも西のインド周辺という、ヨーロッパ種なのです。

なのに日本で見られるのはヨーロッパ種のニシオジロの方が多いのです。何故だろね~?!

現在、この「ニシオジロビタキ」を亜種とするのか、別種とするのか日本鳥学会で検討中とのことです。

今季はこんな素敵な成鳥♂が来てくれました。

ピンクのスポットライトはサザンカの花。
ニシオジロ君の喉のオレンジをさらに引き立てます!

粘りに粘ってようやく撮れた「間接頭かき」

一度でいいから「直接頭かき」という超例外を見たいものです!

マンサクの花にも来てくれました。

また来てくれるだろうか? きっと来てくれるよね?
来てくれることを願ってネット検索で、YMOの「君に、胸キュン」を聴いてみましょ!













学力テスト Vol.428-1 その解答 ミミカイツブリ  ~ 恋の行方は ~

 ミミカイツブリ  ~ 恋の行方は ~

ミミカイツブリは冬鳥として渡来します・・・が、かなりの少数派です。


例年・・・といってもここ5年ほどですが、4月初旬の渡って行く頃、こんな夏羽に変身するのが見られるようになりました。ただし、いつもは単独でしか撮れません。

それが何故か今年は3~4羽が集団で!
しかも♂♀が混じっているようです!!
これはひょっとしたらひょっとするぞ~~ ムフフッ!

どうやらその気配がムンムンしてきました。
じっと様子を見守っていると、一番右の白っぽいのが♀のようです。

おっと、♂同士で もめ始めたようです!

「おうっ、わけ~の! てめえ、俺の大事な女に色目を使いやがって、いい度胸してんじゃんかよ~!!」
「ええっ、ボカ~そんなことしてませんってば~ あのコがこっちをチラチラ見てるんで、ちょいと気になっただけですってば~」
「は~ん?、俺に首ったけの女がそんなことするわけね~だろがよ~、あ~ん?」
「ホ・ホントなんだってば~~」
「こちとら職人で気が短いんでい! すっとこどっこいめ~!! とっとと失せろい~!! おととい来やがれ~~ ケッ」

「ベイビ~、待たせたぜい!! 目障りなチンピラは追っ払ったぜい!」
「(ええっ、ちょっと気に入ってたのに~・・・クッソ~)あらそう?ありがと!」


「どうでい、俺って相変わらずカッコいいだろ?」
「(げげ~、そばへ来るな~、暑苦しいったらありゃしね~)そ・そうね~ そのシックスパットじゃなくて、ワンパットのまん丸なお腹と、赤いお目目って素敵~!さっすがダーリン! あたいの眼に狂いはなかったわ~」

「あたいもアンタのこと、大好き~(やってらんね~けど、いないよりいいかっ!)」

「おうよ、二人で楽しく暮らそうぜいっ!」

そうこうしているうちに、何故か♀の方がいなくなってしまいました。
そして、その2日後のこと。

どちらも夏羽ですが、何やら険悪ムードが漂っているような・・・

左がどんどん近寄っていきます。

胸を合わせて、完全に睨み合いの様子!! 
これからバトルが始まる?!?!

おっと、左の方が優勢のようです! 右は完全に腰が引けちゃってます。

どう見ても左が主導権を握っているようで、右はうつむき加減で神妙そのもの。

我が家の事例を出すまでもなく、これは明らかに左が♀のようです!! 絶対にそうに違いありません!!

何やらブツブツと彼らのヒソヒソ話が聞こえてきました。
「アンタさ~!! また若い娘にちょっかい出したんだって?! ちょっと私が留守をしてると、すぐに悪さをするんだから!! このチョイ悪オヤジが~、フン!」
「ゴメ~ン、ちょっとヒマだったもんで、ついつい・・・もう、しまへ~ん!! デヘ」

人はこの行為を見て「おおっ、ディスプレイしてる~」と言ってましたが、私にゃ、そんなふうには見えませんでしたわい! まあ解釈は人それぞれってことで・・・。

英名は「Horned Grebe」で「ツノのあるカイツブリ」。和名が金髪の部分を耳と解釈しているのに対して英名ではツノ! 英語圏の恐妻家にとっては、金色の耳飾りは鬼の角に見えるのかもネ!!

こちらで4月上旬の渡りを開始する頃の夏羽よりも、英名で検索して繁殖地での写真を見ると、確かにツノを思わせるような凄い画像が載っています。

今回は5年がかりで、ようやく頭かきが撮れました!

ちゃんと左足の爪まで見えてるでしょ? これじゃダメ?

じゃあ、これなら文句あるめ~!! フン





















学力テスト Vol.428 頭かきシリーズ  その58

 

ここ数日の20℃越えの気温で、あっという間に満開に!!

ここは浜松市北部の都田川沿いの桜並木

ここには今頃になると、ニュウナイスズメ君がソメイヨシノを吸蜜に来ます。
・・・が、花見客も押し寄せるので、オチオチ吸蜜しているわけにもいかずに落ち着きがありません。

ニュウナイ君が撮れなかったので、代役でヒヨ君に登場していただきました。


さて、本題。いつも通りに「鳥の名前」と「頭かき」の方法をセットで答えてください。

頭かきの方法 1:直接頭かき 2:間接頭かき

A

B





学力テスト Vol.427-2 その解答 ウソ  ~ 紅ほっぺ ~

ウソ  ~ 紅ほっぺ ~ 

静岡市は全国でも知られたイチゴの産地。その清水区の蛇塚地区周辺で栽培されているイチゴは「紅ほっぺ」「章姫」「きらぴ香」の3品種でどれも静岡産のオリジナル。もちろん浜松のスーパーでも販売しております。

この場所は国道150線沿いにあって、通称は久能街道と呼ばれているのですが、いつの頃からか「いちご海岸通り」という看板が立っていました。

ここは観光いちご狩りの発祥地と言われていて、その歴史は何と何と120年以上! 「石垣イチゴ」で検索すれば、その様子がゴチャマンと出てきます。

さて、そのイチゴの話とは何の関係もなく、冬鳥として人気のあるのがウソ君。夏は山地の針葉樹林で繁殖して、冬になると標高が1000mほどのところまで下りてきます。

「ウソ」♂ 7月に富士山で撮影

「フィーフィー」と鳴く声が、口笛を吹いているようだということで名付けられました。
「うそ」というのは古語で「口笛」のことなのです。
うまく口笛でその鳴き声を真似ると、反応して飛んで来ますよ! 一度お試しあれ!!

ウソは漢字では一般に「鷽」と書きますが、もうひとつ「嘯鳥」とも書きます。この嘯(うそ)という語は『日本書記』や『古事記』にも登場する古い言葉で、元来「嘯(うそぶ)く」「嘯吹く」といった動詞として使われ、「口笛を吹く」を意味していました。(大橋弘一「山の鳥」エッセイ#9より)

浜松では、冬鳥として渡来する亜種の「アカウソ」が見られます。

亜種「アカウソ」は大陸から渡ってくる冬鳥です。冬に平地で見られるのは、腹部が赤くなくても、この「アカウソ」と思って間違いないだろうとのこと。

※-1 個体差が大きく、腹部の赤みが少ない♂の「アカウソ」もいます。
※ー2 尾羽の下面に白くて長い軸斑があるかどうかが識別点ですが、「アカウソ」で白斑が無いのもいるので要注意です。・・・ああ、ややこしい~~!
ということで、これからは尾羽の下面もしっかりと注目しましょうね~

在庫写真で探してみたら、こんなのが見つかりました。

「アカウソ」♀

これも「アカウソ」♀
尾羽の下面に細長い白斑が見えます。

この2羽の個体では何故か白斑が片方ずつしか見えませんが、たぶん下の羽と重なってしまって見えないのでしょう。
冬に平地で撮ったウソの写真を全部調べたけど、白斑のあるのはここに載せた3枚しか見つかりませんでした。ガックリ!

「アカウソ」♀

♀は黒頭巾の部分は♂と同じですが地味なベージュ色。おっと、地味ではなくてシックでした!!

国内の記録では、もう一つ「ベニバラウソ」という亜種もいて、これは喉から腹部まで紅ほっぺ色!!
2回ほどチラッと見たことがありますが、どちらも一瞬だけですぐに飛んでしまいました。その一瞬でも「うわわ~~っ!!」というほど、真っ赤赤で強烈なインパクトがありました!

友人に新潟出身のオバチャマがいましたが、彼女曰く「新潟じゃウソなんて掃いて捨てるほどいるわい! せっかく楽しみにしている大事な桜のつぼみをムシャムシャ食べるので、皆から嫌われているんじゃ!フン!!」

「アカウソ」♂

2月頃、サクラのつぼみが膨らみ始めるとボリボリと・・・
特にソメイヨシノの花芽が大好物らしいので、お花見好きの人から見るとなおさらカリカリイライラ、ヤキモキするようです。
だから、ウソを探すなら開花前の桜の名所をチェックすべし!!なのです。

実際に、「日本花の会
のホームページを見ると「ウソの被害と予防」では忌避剤を散布せよ・・・と書いてありました。

こちらは「ウソ」の幼鳥 7月に富士山で撮影

頭部の黒色部がないけどウソです。
「うっそ~~!」じゃありません、嘴が太くて短いし、フォルムがよく似てるでしょ?!

さてさて、この子は DANDY な 紅ほっぺ君 になるのかな? それとも SHIC な LADY に?


おっと、肝心のものを忘れるところじゃったわい!
紅ほっぺ君は「間接頭かき」です!





学力テスト Vol.427-1 その解答 ズグロカモメ  ~ 魅惑のMr.黒頭巾 ~

 ズグロカモメ  ~ 魅惑のMr.黒頭巾 ~


「静岡の鳥 編集委員会」が発行している、静岡県の正式な記録をまとめた『静岡県の鳥類』 によると、県内でのズグロカモメの記録は、過去1980年~2000年までに8回、2000年以降でも2008年と2009年の2回だけという、かなりのレアものなのです。

ところが、愛知県や三重県に行けば、少数ですが見ることができるのです! それはズグロカモメの食性からなるもので、彼らは小型のカニが大好物!! 干潟でカニが沢山いるところ・・・そんなところでないと見られないのです。

今回はそんなところへ出掛けてきました。

実は昨年も行ったんだけど、前日までは20羽ほどがいたのに、いたのは1羽のみで、しかも200m先の堤防にポツン! ぐわ~~ん ・・・と、見事に振られてしまいました。だから、今回は満を持してのリベンジに! 

ズグロ君の分布は極めて局所的です。東アジアにしかいなくて、中国の渤海沿岸や朝鮮半島西岸の一部で繁殖し、国内には冬鳥として飛来します。しかも、5000~8000羽ほどしかいないと言われ、VU(絶滅危惧Ⅱ類)になっているのです。

学名は「Larus saundersi 」で「サンダースのカモメ」

英名は「Saunders's Gullまたは「Chinese black-headed Gull

学名と英名は英国の鳥類学者のハワード・サンダース博士の名前にちなんでいます。


冬の間はユリカモメを少々小型にしたような、こんな感じのカモメ

それが繁殖地へ帰る直前、すなわち3月20日頃になるまでの半月ほどの間に劇的に変化して魅力あふれるカモメに変身するのです!

換羽の模様がそれぞれ違っているのがわかりますか?

そこそこの写真を撮るとなると条件がいろいろあります。晴天で微風、順光で撮れるのが午前中だけ。さらに満潮の時間も考慮せねばなりませぬ! 潮が引き始めた時に飛んでくるのです。いろいろな諸条件を満たさなければならないので、意外とハードルが高いんです。

夢にまで見たズグロカモメの乱舞!!

ズグロ君は換羽して文字通り頭が黒くなるのですが、換羽途中か終わった頃、すなわち春分の日の頃には繁殖地へ渡って行ってしまいます。

今回は30羽ほどの群れが目の前に翔んで来てくれました。これはスゴイ、ホントにすごいんです!! まだ冬羽から換羽終了の夏羽までと、いろいろなパターンが観察できました。

換羽は後頭部あたりから始まります。

おでこを残すのみ

ほとんど換羽終了

これが変身完了のカンペキな黒頭巾

どうして換羽の時期にバラツキが出るんだろうと思ったら、3月初旬頃まず成鳥から換羽が始まって、その1ヶ月前後あとから若鳥の換羽が始まるとのこと。なるほど、それで納得です。

ズグロ君がカニを捕るところを観察していると、狩りの方法が見えてきました。


こんなふうに歩きながらカニを探していますが、これではほとんど捕れません。
カニだって、そんな簡単に捕まるわけがありません。すぐに穴に隠れてしまいます。

上空からカニを探していて

見つけたら急降下!!


水深20㎝以上はありそうです。
このカワセミ型の狩りだと、カニはなかなか逃げることができません。

捕まえると浅瀬へ運びます。

チュウシャクシギのようにカニの足を取るなんてめんどくさいことはしません。

そのままガブッと一飲み!!さすがはカモメの仲間です。
ダイビングで捕まえた時の夏羽と違って、こちらの写真は冬羽ってのに気が付いた?!

食事が終わったら羽づくろいと頭かき!
カモメ類はどれも例外なく「直接頭かき」です。

もちろん、夏羽の頭かきだってゲットしてきたぜい!!

そんなこんなで、ようやく30羽ほどの群れを見ることができました。さすがさすがの「ラムサール条約」の登録地です!!

それにしても、陽炎(かげろう)っていうのは何とかならないもんかね~~!! せっかくたくさん撮れて大喜びで帰宅したのに、いざパソコンで写真を見たら、どれもピンボケばっかし!!・・・で、ゲゲゲのゲ~~です!

そりゃ、お前の腕の問題だろうって?!・・・いやいや、この春先ってのは、山だろうが海だろうが陽炎だらけなんだってば! 富山湾の蜃気楼!とまでは言わないまでも、まるで夢の中に出てきた愛しい彼女のように薄ボンヤリ!! 写真を拡大すると輪郭から何からすべてがモワ~~ン! ほんとにガックリしてしまいます。だから今回のズグロ君の写真を拡大してみてはいけません!!

この陽炎を解消するソフトが開発されたら、けっこう高値でも売れると思うけどな~~っ!! というわけで、また来年挑戦しよっと!!!