学力テスト Vol.402-2 その解答 レンカク ~ 南の国からようこそ ~

 レンカク ~ 南の国からようこそ ~

この美しい飛翔にうっとり!

左の指の付け根に少々ゴミがついているけど、それは気にせずに・・・

エイリアンじゃないかとも思える趾(あしゆび)の長さにご注目!!

 漢字では「蓮角」と書きますが、「」はハス、「」とは翼角にある角質の突起物のことを表しています。


 翼角のことよりも今回 気になったのは、1
番外側の初列風切の先端に付いている黒い羽軸のようなもの!! 多分、飾り羽だと思うけど、どの図鑑を探してもその解説が見当たりません。どこかで解説を見かけたら教えてくださいませ。

バン君もかなり大きな趾(あしゆび)をしているけど、それを更に上回っています。

手前はカルガモ君 
レンカクは、その存在感の割には意外と小ぶりです。

この金髪の後頚部がまたすごいんです! 
とにかくピッカピカにまぶしいのです。

おっと趾(あしゆび)が水中から出てきました。

 趾(あしゆび)と爪はビックリするほどに長く、これによってハスやヒシなどの上で体重を分散して、沈むことのないように歩くことができるのです。

 今回は沈みやすい水草のようだったので、残念ながら水上を歩く姿を見ることはできませんでした。参考までに「アジアレンカクのお宝画像があったのでご紹介。

水草の上を悠々と歩いています。

長い趾(あしゆび)を使っての頭かきは「直接型」

 前回、紹介したタマシギと同じく一妻多夫制で、雄が子育てをする「イクメン鳥」です。そうだったらタマシギと同じようにメスの方が派手なのかというと、何故か雌雄同色というのも不思議と言えば不思議。

 開けた湿地で繁殖するレンカクにとって、が何回も産卵するには高い栄養状態を維持するために、抱卵や育児をに任せて自分はたくさん食べて、体力をつけねばなりません。

 浮気性の♀の肩を持つわけじゃないけど、決して育児が嫌いで放棄しているわけではないのです。♀は外敵が来たら駆けつけて追っ払う助っ人もします。他の男にうつつを抜かしているばかりじゃないのです! この一妻多夫制こそが彼らの繁殖スタイルの選択肢なのです。

いつかは国内でも繁殖をしてくれるかもしれません。

 もしそうなったら、生まれたBABYの趾(あしゆび)に真っ先に注目せねばなりませぬ!
きっとすごいぞ~~!!








学力テスト Vol.402-1 その解答 アカショウビン ~ 難敵 火の玉小僧 ~

 アカショウビン ~ 難敵   火の玉小僧 ~

ビューン!! 上空を赤い火の玉が飛んで行きます!


「キョロロキョロロ」と早口で鳴きながら飛ぶことが多いので、何とか見つけることだけはできます。でもただそれだけ! この時はこれでおしまい!

うわわ~、飛んじゃった~!
デジカメは反応が遅すぎる~~!!

 シャッターを押してから写るまでに、コンマ何秒とホンの少々ですがタイムラグがあります。こんな写真でも、撮れた日にゃ「おおっ、やった~!」と満足! この日もこれでおしまい。

 誰しも、どうやっても相性の悪い相手というのはいますよね?
思い起こせば、私にとってはキョロロ君はとにかくその典型・・というよりも、これ以上泣かされる鳥はいないのです。

 まだビギナーの頃から、そんなことばかりの連続なのです。
地元でも戸隠でも「今ならじっくり見れるぞ~」との話にすっ飛んで行っても、まず見れた試しがありませぬ! いたとしても鳴き声だけで、姿が見れません!「声はすれども姿は見えぬ、まるでお前は屁のようじゃ」という講談や落語の典型パターン。
「ええっ、またダメだったのけ?」と言われ続けて、あれからン十年・・・連続また連続の繰り返し!

一番最初に遭遇したのは、地元での早朝の探鳥会! 逆光の中、目の前をビューンと数秒 飛んだのを見たといえば見たことになっています。
人はあれをアカショウビンだと言ったけれど、ただの黒っぽい鳥で、なんにも赤くはなかった! ましてや背中の青いウンチ模様なんて見たこともねえ! 昔から私にとっては「幻の赤い鳥」なのです。

これが、背中のウンチの羽根

その羽根の裏は青いウンチの色が付いていません

 思い出すのも、すっごくイヤだけど、極めつけの話をしてみましょうかね。
それは支部主催の戸隠探鳥会でのこと。
 参加者十数名の熱い願望の先にあるのは、もちろんアカショウビン!
それを何と数メートルで、しかもペアで見てしまった!という幸運に恵まれたのです!
「めでたしめでたし、担当幹事さんありがと! お疲れさまでした!」シャンシャン・・・となる筈だったけど、そこはそれ、よくある話で一人だけいたのです。不幸な人間が!

 今までは、この手の不幸話を聞けば「人の不幸は蜜の味」とばかりに喜んだり、笑い転げたりする側だったのに、何故かこの時は私一人だけが蚊帳の外に置いてけぼりにされてしまったのです。ああ何て不幸な私! オーマイガーなんてもんじゃありません!

 なぜそうなってしまったのかと言えば、お目当ての場所に行ったら、もぬけの殻で見当たらなかったために、担当幹事としては「じゃあ、ちょっくら近くを探してくるから、皆さんはここで待っててちょ!」と周辺を探しに出かけました。
そのちょっとした間に、出たのです!しかもペアで!! 

 10分後に私が戻って来た時には参加者全員がニコニコ顔! 
「ん? んん? 何かいいことあったの?」と聞くと「あれれ? あんだけ近かったのに見なかったの? どうして? フーン そりゃ残念だね~」口では慰めながらも、顔はヒッヒッと人の不幸を笑っている(・・・ように思えました)!
「あいつの運もこれまでさっ」とか「どうやら背後霊がついたらしいぜ」という話が聞こえてきそうです。
 くっそ~! もうこいつらとは縁を切ろうかな! 
そうです! そもそも鳥仲間に親友を求めること自体が間違いなのです!

その後も、キョロロ君と相性の悪いことはエンドレスで延々と続いているのです。

これが過去で最もまともな写真 
でもホントは100mほど先のを大きく引き伸ばしただけ!

そんな私にとうとう素晴らしい瞬間が来たのです。

その瞬間がこれ! 
何と何と「間接頭かき」が撮れちゃった~~!!

 暗い林の中でしかも100mほどもありそうな遠いところだったけど、運よくこちら向きで羽繕いを始めた? うん、確かに始めたのです!

 これほど相性が悪いので、頭かきなんて撮れっこないとハナから諦めていたのに、何と何と羽繕いを始めちゃった! これはひょっとしたらひょっとするぞ~! 
いやいや、そんなに甘くはないぞっ!今までの相性からしたら撮れるなんてありっこない! 期待しちゃダメ~

 物事は期待しないで待つべし、そうすれば、ガッカリ感も少なくて済む。愛は惜しみなく与えるのは当然だけど、見返りを期待しちゃダメ~!・・・これは我が家の家訓なのです。

 それでも万が一ってこともあるので、林の薄暗いところだったし、絶対外さないようにピントはマニュアルに変えて慎重に合わせて・・・
こうなると押さえていた飽くなき欲望には勝てません!「お願いだから、頭かきをやってくれ~~ 頼む~~!!」と心の中で必死の願掛けです!

 そしてとうとう悲願の「間接頭かき」が撮れちゃったのです!
「うわわ~っ、やった~~!!」奇跡ともいえる瞬間です!! これは何物にも代えがたい大きな大きなプレゼント!!
私にとっては皆さんがブログに載せるような素晴らしい写真よりも、はるかに価値のある最高級のベストショットなのです!

 気を良くしてシアワセ気分に浸っていた直後に、今度は水平位置で林の中にいるのを見つけました!
 しかも30mほどと近いし、枝の前かぶりもなく順光という絶好のシャッターチャンスではありませんか!
自分で見つけたので、その近くにいた3人ほどの最前線にいたのです。


 そのワンチャンスに何故かピントが合いません! かろうじてたった3枚だけ押しましたが、あまり・・・というか、まったく手ごたえがありません。
「あれっ? 何だ何だ? どうしちゃったんだ? カ、カメラが壊れちゃった~!」
飛んでしまった後に気付いたのですが、その前に「頭かき」を撮った時にマニュアルに設定を変更していたのを忘れていたのです! なんでAF(オートフォーカス)に戻してないんじゃ? バカ、バカ!!バカ~ッ! 我ながら情けなくなってしまいました。

こうして千載一遇とも言えるチャンスを逃してしまったのです! グギギギギ~~~

 後ろにいた人から「いいのが撮れたでしょ? よかったね~ 私もバッチリ!」と言われ、「いや~、実はピンボケで デヘヘ・・・」とも言えず、「そ、そ、そだね~」と、ひきつった顔で笑ってごまかしました。
 やっぱり私にゃ、これ以上はないほど相性の悪いキョロロ君なのです! ガックリ

暗がりの中でも妖しく光る青いウンチ


 いつかはこんなのが間近で撮れることを祈って、上の2枚は友人から大事な写真をお借りしました・・・が、さてさて それはいつになることやら!! 
 まあ、何とかなるでしょ!?! なるん決まってらい!
「そりゃ甘いぜ! 相性が悪い相手ってのは修復不能だからさっ!」と言われるけど、そんなことを言ってからかうヤツとは縁切りでいっ!

























学力テスト Vol.402 頭かきシリーズ その46 ~ まだ続く 400回記念 その3~

梅雨があるのは仕方ないけど、大雨には困ってしまいますね~

 6月2日の豪雨では、まさに線状降水帯にはまってしまい、我が家の前の小川の水位が、あと30㎝ほどで氾濫の危機! 我が家よりもホンのちょっとだけ標高が低いご近所では、駐車していたタイヤの半分まで水が来てしまってパニックになり、車を緊急避難させたんだとか! 

 結果的には、どの家も事なきを得たのでよかったのですが、あと30分も降り続いていたら。・・・と思うとヒヤヒヤの事態でした。今回に限らず、温暖化などの影響で今後も異常気象が続くようになるとのこと。まだまだ心配が続きます。

さてさて、今回も400回記念シリーズの第3弾! 簡単だと思うけど、どうかな?

「鳥の名前」と「頭かき」の方法をセットで答えてください。

頭かきの方法 1:直接頭かき 2:間接頭かき

A

B





学力テスト Vol.401-2 その解答 オニアジサシ ~ 世界最大 ~

 オニアジサシ ~ 世界最大 ~

「鬼」と言われるだけあって、メッチャ大きいです!

怖いもの知らずのウミネコの幼鳥が近づいていきました。
「オニアジサシ」はウミネコよりも大きいのです。

「ガオ~ッ」

 ・・・と言ったかどうかは分からないけど「オレさまに近づくんじゃね~!」と追い払っていました。

学名は「Sterna caspia」すなわち、「カスビ海のアジサシ」
命名の由来はカスピ海周辺でよく見られることから名付けられたようですが、実際の分布は南アメリカ以外で見られる世界的な鳥。ただし日本ではかなりの珍鳥です。

 英名も学名に準じて「Caspian Tern」となっています。学名は一度登録したら変更や訂正はできません。カスピ海以外でも分布しているという、実情にそぐわなくても名前はそのまま使うしかないのです。

全長は53㎝で、ハシボソガラスよりも でっかい!
さて体重は?と言うと、何と650gと軽量です。650gとは空のビール瓶ほど。


 どうしてこんなに軽いのか、今回は鳥の体の構造の中でも「骨」に注目してみました。
ヒトの骨は中がビッシリと詰まっていて、骨は全体重の20%ほどを占めていますが、鳥の骨は内部が中空で、支柱で支えるようになっているのです。イメージは橋梁のトラス構造を想像してください。
 すなわち体重を減らすために、これでもかと言うくらいに進化しており、骨は全体重の5%しかないのです。
 さらに、骨の数を減らすという方法をとっています。
鳥には歯がありません。歯がないということはそれを支えるあごの骨も不要ということなのです。

20㎝ほどもあるアジ?を見事にゲット!

その狩りは迫力満点です!

頭かきは予想通りの「直接型」でした。

 さて、もしもあなたに自分の力で空を飛びたいという願望があったら、鳥のように羽の生えた腕と、ヒトの手として使える腕を交換してみたいと思いますか?


 以前「モーターグライダー」に乗せてもらったことがあるけど、やはりヒトの作ったものだけに音もうるさいし、シートの周囲を機械に囲まれていて、下界の景色に集中できません。鳥のように自由気ままに飛んでみたい~~!!

※この件は、ブログ内の「夢の浪漫飛行」「天国からこんにちわ」で検索できます。







学力テスト Vol.401-2 その解答 タマシギ ~ 美人妻は浮気者 ~

 タマシギ ~ 美人妻は浮気者 ~

このシーンが物語の幕開け

 5月頃になるとタマシギの♀が鳴き始めます。早朝や夕方、または小雨が降るような・・・要するに人の気配の少ない時によく鳴くのです。
これが♂にとっては心を揺さぶられるような、とっても切ない L💛VE SONG なのです!!
※鳴き声に興味のある方はネットで検索できます。

さっそく♂がその鳴き声に誘われてやってきました。

「おおっ、アンタ!私好みのいい男じゃん! もっと近くへおいでってば~」


 普段は見せない部位、風切羽のこんなすごいところをビロ~ンと見せつけちゃって、相手を誘惑するわするわ~!

「うわわ~、す、すっげ~~!!」

 こんなのを見せつけられたら、もう♂の目はデレーンとなってしまって、♀の色仕掛けに喉もカラカラ!!


「(ムフフ・・・、もうちょいね!)アンタってさあ、ディーン・フジオカに似てない? ねぇねぇ、私と仲良くしましょ!」このカウンターパンチで♂はイチコロです!

 タマシギの英名は「Painted Snipe」化粧が少々毒々しいけど、美人であることには間違いないでしょう。何だかどこぞの歓楽街のクラブのママのようです。

 タマシギはご存じのように一妻多夫制で、パートナーを選ぶ権利は100% ♀にあります。
だから♀はつがいになる相手を厳しく選別します。

 一妻多夫の話をしたら、とあるオバサマは「うわわ~、え・ええな~ 男を選べるなんてうらやましいわ~」とため息をついておりました。

 でも話はそう簡単ではありません。質の高い子孫を残すにはパートナーとなる♂をしっかりと見極めなくてはなりません。
その基準は病気に強く健康なこと、捕食者から逃れる能力が高いことなど、いろいろです。

 鳥の色覚は優れていて、ヒトと同じように総天然色に見え、さらにヒトでは見えない紫外線域までも見えるのです。だから♂を査定するのにも、ヒトが見えないところまでしっかりと見ているに違いありません。

♂も「オイラってこんなに若いんだぞ~」

「ほれほれ、見て見て~ 元気モリモリだぞ~!」とアピールをしてきます。

 ♀はそんな♂の行動を横目でチラチラ見ながら、「フムフム、若さと元気の方は合格かな?!」としっかりと品定め!

♂をゲットすると、もう♀はマイペース 

ほっといても♂は黙って後ろをついてきます。

「直接頭かき」をする時だって、隣の♀をしょっちゅう気にしています。
そのしぐさを観察していると、まるで我が身を見ているよう・・・。

ケリが上空に来た時、同時に羽を広げて威嚇!! 
見事なシンクロで、呼吸もピッタリです!

この♂なら安心して子育てを任せられそう・・・と♀が判断すると

♀はおもむろに、お尻を上げて交尾を促します。

それからしばらくしてからのこと、♂がポツンと1羽で抱卵をしていました。

それにしても警戒心が強い鳥なのに、どうして田んぼのド真ん中で営巣するんだろ?!

 ♀は4個ほどの卵を産むと、この巣には二度と帰ってきません。「さて、こうしちゃおられん、次の男を見つけにゃならん!」また新しい♂を求めてどこかへ行ってしまいました。

 この先、ヒナたちが自立するまで「ワンオペ育児」すなわちコンビニの店長のように、すべてを一人でこなさねばなりませぬ。子育ては 100% ♂だけの仕事なのです。大変じゃ~!

 一夫一婦制、一夫多妻制などいろいろ方法はあるけど、日本で繁殖している鳥の中で一妻多夫性を選択しているのはタマシギと沖縄のミフウズラだけ!

 今回、この巣を観察していたら、この写真の2日後に大雨が降って巣は冠水してダメになってしまいました。子育ての敵はカラスやヘビだけではないのです! 
『育メンの鑑』よ! くじけるな~! なんとか、もう一度がんばれ~~!!





















 








学力テスト Vol.401-1 頭かきシリーズ その45 ~ 400回記念 その2「400&200」 ~

 「学力テスト」の中の『頭かきシリーズ』も今回で45回目ですが、「400回記念シリーズ その2」としてご紹介しましょう! 

 実は実は、今回 登場するAは「頭かき」の写真を撮り始めて、これまた先月「200種を達成!!」という大台に乗せた時の記念すべき種なのです!!

 「頭かき」を意識して撮り始めたのが2021年9月、自宅前のカワセミから!       自分の感触としては、200種という目標はかなりハードルが高いんだろうなという感じでしたが、意外と早くクリヤーしてしまいました。もちろん、これは通過点に過ぎません!

さて本題、いつものように「鳥の名前」と「頭かき」の方法をセットで答えてください。

頭かきの方法 1:直接頭かき 2:間接頭かき

A

B










学力テスト Vol.400-2 その解答 ヘラシギ ~ 残りは150組 ~

 ヘラシギ ~ 炭鉱のカナリア・残りは150組  ~

「直接頭かき」の瞬間です!

今までいろいろと撮ってきた「頭かき写真」の中では最高傑作と自画自賛!

幼鳥 (9月)

「へら」とは先端を薄く平らに伸ばした道具の総称です。

 「へら」という言葉から連想するのは裁縫や料理用の道具などのことで、自分の嘴をそんな形に進化させたのがヘラシギ君なのです。しかも菱形という独特のフォルムが見事です!

 ハシビロガモのように水面上の餌をこしとるように使うのではなくて、そのへら状の嘴を左右に振る独特な採餌方法です。

 頭ではわかっているのですが、実際にその仕草を見ても動きが速すぎて嘴を左右に振っている様子が分かりません。
You Tubeに載っていたのを見つけたので、それを引用させて頂きます。

https://www.youtube.com/watch?v=WRXtJlwbUOM

可愛いのなんのって!!

 左の「トウネン」と同じくらいの15cmで、要するにスズメほど。
 トウネンが多数いる中でヘラシギを探すのは、まるで「ウォーリーを探せ」の動画バージョン! ジッとしていることはなくチョコマカと動き回っているし、嘴の特徴が見える角度の時に撮らなきゃならないし・・・と、けっこう大変なのです。

英名では「Spoon-billed Sandpiper」で、愛称は「Spoonie」
「Sandpiper」とは小型シギ類の総称です。

 確かにスプーンとは言い得て妙です。日本語に直訳すると「サジ(匙)シギ」になってしまい語呂合わせが悪いので、ここはやはり「ヘラシギ」の方がしっくりきますね。

 東アジアの図鑑では中国が「勺嘴鷸」、香港では「匙嘴鷸」、台湾では「琵嘴鷸」と書いてありました。併記されている英名はどれも「Spoon-billed Sandpiper」です。

 台湾図鑑の「琵」とは楽器の琵琶(びわ)のことで、くちばしの形に由来しているのは当然のことなのでしょう。


 世界的に見ても、最近では「残りは150組」!!・・・と、言われるほどに個体数が少ない絶滅危惧種なのです。
 「ヘラシギは東アジアの『炭鉱のカナリア』です。もしヘラシギが絶滅したら、他の多くの動物も絶滅するでしょう」という言葉がものすごく印象的でした。

 国内では秋に見られることが多く、春の夏羽はさらにさらに稀なので、時間も金も自由にならないと夏羽を見ることはできない!・・・と言われるほどの鳥なのです。
時間だけはたっぷりとあるので、何とかして夏羽に逢いたい~~!!

※ヘラシギの繁殖地はロシア北東部で、主要な越冬地は中国南部、タイ、バングラディシュやミャンマーなどです。その通過地として中国沿岸の湿地を利用しており、国内ではそのルートから外れた個体が観察されるのです。