学力テスト Vol.345-4 その解答 アカガシラサギ

アカガシラサギ

こちらは冬羽です。
この写真を見て、どこが「アカガシラ」じゃ?と思うはず。

飛んでいても、他のサギ類とは明らかに雰囲気が異なります。

ピッカピカの夏羽に変身!! 
これなら「アカガシラサギ」の名前に納得!

さらに、よ~く見るとこの個体には図鑑でもめったにお目にかかれないポイントが!
それは目先のライトブルーと紅生姜色の赤い足!! 

図鑑には冬羽も夏羽も雌雄同色と書かれているけど、これらの部位の婚姻色からこの個体は♂ではないかと思われます。いやいや、そうに違いない!!
図鑑に載っていない貴重な♂の「アカガシラサギ」、はるばると土浦まで遠征した甲斐がありました。

これだけ冬羽から夏羽へ劇的に変化するサギもいません。

ましてや国内で見ることはけっこう稀で、大陸からの迷鳥なのです。

英名は「Chinese Pond Heron」
名前が表わすように中国東南部からインドシナ半島、マレー半島、ボルネオ島などが生息地。

「Wikipedia」で英名を入れて検索 →「翻訳のターゲット言語」を日本語にすると→ あっという間に本文が日本語表示に置き換え完了!! この方法なら、今までイラストや写真を眺めていただけの洋書に書いてあるものが、おおよそですが解ってしまうのです! 
こんな瞬間に思うことは・・・生きててよかった~!

以前にも書いたことがあったような気がするけど、英名検索のメリットは、国内では撮影できないような写真がたくさん載っているので、そこらも楽しみの一つ・・・例えばミミカイツブリを英名で検索すると、繁殖地でのすごい写真がごっそりと出てきてビックリ!! 
一度試してみてはいかが?

さらに学名も面白くて 「Ardeola bacchus 」といいます。
酒好きやチョコ好きならピンとくるだろうけど、「バッカスというのはローマ神話に登場する酒と酒宴の神様のこと。ここでは、この一風変わった赤紫色のヘアスタイルがぶどう酒をイメージするからなのだそうな。

東南アジアでぶどう酒? ワイン? そんな歴史があったっけ?!?!
いやいや、この辺りはワイン好きの欧州人がいにしえの昔から開拓に来ていたところ。
欧州にはこんな鳥はいないので、バードウォッチングの歴史も長く、目ざとい彼らが「アカガシラサギを見つけたのでしょう。きっと!・・・どうかこれらの推測が当たっていますように!

チョコレートでバッカスと言えば真ん中にブランデーが入っているやつのことでしたよね!
ロッテでは1964年に、そのものズバリの商品名である「Bacchus」という名称で発売し、現在でも人気商品として製造中。
※包装紙には「3.2%のアルコールが入っているので、運転する前や運転中はご遠慮くださいと注意書きが書かれていますよ。






 

学力テスト Vol.345-3 その解答 サンカノゴイ

 サンカノゴイ

これも少々変わった名前なので、由来をご紹介しましょう。

漢字の表記では「山家五位」。

「山家」とは田舎のことで、「五位」は当然ながらゴイサギのこと。

すなわち人里から離れた田舎に住んでいる、ゴイサギに体型が似ている鳥という意味です。


水田地帯や湖沼のヨシ原に生息していて、姿を見ることはなかなかありません・・・というのもヨシ原の中に潜んでいることが多くて姿を現すことが稀なのです。


初めて見たのは遠征先の琵琶湖の下物町の個体で、明け方からヨシ原を3時間ほど観察して、見ることができたのはフワッと飛び出して20mほど先に舞い降りた時だけ!!


後はヨシ原から時折「ボウ~、ボウ~」という食用ガエル(ウシガエル)の声を1オクターブ下げたような声のみ。地鳴りのような迫力ある声! 声だけでも聴きごたえがありますが、姿を見るとなると、それほどにやっかいな代物なのです。


2/16 風が強かったせいもあってヨシ原に隠れていました。

どこにいるのかって? この日はずっとこんな感じ! これじゃ、クイズの写真にしかなりません。グスン 



ところが、事情が一変!! 3/22 彼岸の墓参りを早々に済ませて遠征してみました。
今回は刈り取り作業中のヨシ原で堂々と姿を見せているのです! しかも緑バックと絶好!
こんなチャンスはそうそうあるものではありません!!!!! ご先祖様に感謝感謝です。
そこで今回は、彼の食事風景をじっくりと観察することにしました。

獲物に狙い定めたら、首を思いっきり伸ばして・・・

見事、アメリカザリガニをゲット~!!

おもむろに咥えなおして…

普通の鳥なら ここから先はザリガニの爪が邪魔するし、喉などを傷めるので、爪をちぎるか、もしくは飲み込む際には尻からが常識!

ところがです! 何と何と、そのままゴックンと飲み込んでしまいました! 
豪快~!!・・・というか細かいことには、お構いなしの大雑把な性格?!?!


歩く速さは、わかりやすく言えば太極拳のようなゆったりとしたスピードです。
いやいや、もっともっとゆっくりと優雅に歩きます。



姿勢はこのように首を伸ばして周囲をうかがうとき以外は、すべて頭も低くした伏せの形でそのまま前進。このような歩き方は大腿四頭筋や、ハムストリングなどを鍛えるエクササイズには最適!! ・・・なのですがヒトなら数分も維持できないでしょう。それをず~~とです! さすが・さすがです!! 「ヨシ原の忍者」という称号がピッタリ!!

しばらく歩いていると、また何やら見つけたようです。
ズイズイとこちらに近づいて来て、その距離10mを切ってしまいました!!
うわわ~、これ以上来られたら、はみ出してしまいます!

おっと、動きが止まりました! 見つけたかな?!?!

捕まえたのはカエル!

アッチャ~、飲み込むのが早すぎて口元に写っているのはカエルの足だけ!!

ゴイサギの体長が58cmに対してサンカノゴイは64cmで1.1倍。それだけの差なの?
しかし体重ではゴイサギが約550gなのに対して、サンカノゴイは約2倍の1000g。
なるほど、これなら大きく見えるわけだわい。だから食欲も旺盛!!

学名もそのあたりはしっかりと心得ていて 「Botaurus stellaris  すなわち「星斑のある雄牛 なんだそうな。

絶滅危惧種(EN:絶滅危惧1B類)に指定されるほど少数なんだから、たくさん食べて子孫を増やしてもらわなくっちゃね~

首を伸ばして上空を気にしています。

首の下周りを膨らませて威嚇のポーズ。この時はトビが飛んでいました。

数年前に撮った威嚇のポーズ 

まるでパンパスグラスそのもの! こんなに伸びるのか~と思うくらいに、首を伸ばしながら、首回りの毛を思いっきり広げています。
このように体は大きくても警戒心が強く、ハートは至ってデリケート! 
それが生き延びるコツなのかもネ!




  













学力テスト Vol.345-2 その解答 ゴイサギ

 ゴイサギ

そのちょっと変わった名前の由来は、図鑑やネットを見れば書いてあります。「ゴイ」が付く名前の数種類のサギたちにも関係があるので、サラッとおさらいをしておきましょう。

「五位」とは鎌倉時代の貴族の階級のひとつ。

ある時、醍醐天皇が池にいた鳥を見て部下に「あの鷺を捕えてまいれ」と命じました。
(その時の役人は六位:天皇に使える役人の官職は六位~八位)

鷺は当然ながら逃げようとしたが、役人が「宣旨(せんじ:天皇のお言葉)である」と言うと、鷺がその場に平伏したので、捕まえて天皇に差し出しました。
天皇は、それを見て「宣旨に従って来たのは神妙である。よって褒美に五位の官位を授ける。」「今日からは、鷺の中の王である」と書いた札を作り、鷺の首にかけて放しました。

というわけで、貴族の位(一位~五位)をもらって、捕まえに来た六位の役人よりも上位になった・・・という鎌倉時代初期に書かれた「平家物語」の中のお話。
実際に、室町時代の頃から「ゴイサギ」と呼ばれていたとのことです。

そんなどこにも書いてあることはさておき、ここでは冠羽に注目してみました。

いつもはこんなふうに1本に見えますが・・・

冠羽は複数から成っていて、通常は3本ほど。

興奮してピーンと伸びた冠羽が、根元から見えている瞬間!


よく見ると数本が重なっているのがわかりますが、すごいのは冠羽の先端まで自分の意思で動かせるという事!! ・・・鳥の能力ってこんなこともできるんかい!!
畳のヘリに蹴つまづいて、よろける我が身の何とさみしいことか!!

巣立ちが近いヒナ 
パタパタと飛ぶ練習に余念がありません。

巣立ちして飛び回る幼鳥。

背面に黄褐色の斑点がたくさんあって、そこから「ホシゴイ(星五位)」という洒落た名前をもらっています。

幼鳥が枝を咥えて巣に戻ってきました。

これは「ヘルパー」と呼ばれる、同じ仲間の繁殖を手伝う行為です。・・・ということは、たぶん前年生まれの娘か息子?!?! それとも巣立ったばかりの幼鳥?  いずれにせよ感心・感心!!

当然ながら、イクメンパパの父親も枝を集めてきます。 

こんな感じで、家族総出で子孫繁栄を図ります。

さてと、畳のヘリで転ばぬように、今日も外出して体力を養わなくっちゃ!! 
んっ、単に遊びに行くんじゃないのかって? そんなことは絶対にありません。
寝たきり老人になって家族の迷惑にならぬよう、ひいては社会のために老人医療費を使わぬように・・・という深謀遠慮なのですから!



















学力テスト Vol.345-1

 気分を変えて、久しぶりに写真のクイズにしてみました。

いつもクイズに使えそうになるように狙ってはいるけど、これが意外と難しい!     今回のは 特徴がありすぎて、メチャ易しいレベルになってしまいました。       きっと2秒もあれば満点が取れることでしょう。

A

B

C


以下については、クイズとは全く関係ありません。
鳥を撮ろうとして徘徊していると、ついつい目に入ってくるトンボやチョウたちをご紹介します。

コシアキトンボ ♀

コシアキトンボ ♂

写真の腹部の第三と四節が、成熟するにつれて白くなります。
これを見た人が腰の部分が欠落したように思い、コシアキトンボ・・・つまり腰が空いたように見えるトンボだから。ちょっと一捻りした洒落た名前でしょ?

カラスアゲハ 

上翅に黒いビロード状の性標があるので、これは♂です。
まだ羽化したばかりなのか、どこも傷んでなくて、これを撮った薄暗い林道でも鱗粉がピッカピカ!! これなら♀をクラクラさせてイチコロにできそうです。

性標というのは♂だけに見られる独特な特徴で、アゲハ類にどんな秘密があるのかは調べても判りませんでした。
が、ウラギンヒョウモンやミドリヒョウモンなどのタテハ類は、性標部分の鱗粉の間に特異な発香器官を持っていて、そこから雌を刺激する匂いを出して誘惑するんだそうな!
なかなかやるね~

こんな時に思うのは、研究者ってどんな嗅覚をしているんだろう?ってこと。
チョウの出すフェロモンがわかる? そんなバカな!!
それとも♀の行動から想像しながら判断しているだけ? 誰か教えてくれ~~

こちらがその  ウラギンヒョウモン











学力テスト Vol.344-5 その解答 セイタカシギ

 セイタカシギ

ジグソーパズル形式のクイズで、シギチドリ類のシリーズの最後を飾るのはこれ!

これって誰か判るかな? 6/16

数ヶ月経つと、こんなふうに変身 9/12
成鳥と同じサイズまでになったけど、まだ足はうすいピンク 

成鳥はこんなにきれいな足 こちらは♂。

漢字では「丈高鴫」。
英名が面白くて「Black-winged Stilt」。
「Stilt」とは竹馬のこと。黒い翼をもった、竹馬に乗ったようなシギ。

うらやましいほど長い足で、確かにまるで竹馬に乗っているかのように慌てず騒がず、ゆっくりゆっくりと優雅に歩きます。

竹馬って日本の遊具じゃなかったっけ? ・・・というのは大きな勘違い! 
世界中で、古くから祭りなどに関わっている歴史があり、よく大道芸でもサーカスでもピエロが長~いズボンをはいて、竹馬を隠して乗って出てきますよね~  

ついつい、日本で子供が乗って遊ぶ竹馬のような両手を使う遊具を連想してしまうけど、大道芸などのそれは棒の内側に足を固定させるので、両手も自由に使えて歩く方式だし、足も長い長い。

ここまで話してもピンと来なかったら「竹馬 祭り 世界」などのキーワードで検索すると、いろいろ世界の竹馬についてのことがわかりますよ。

ついでに、セイタカシギの動きを見たことがない人は、それもネットで確認してみて下さい。そうすれば、英名の「Stilt」という名前が何故 付いたのかが納得できるでしょう。
竹馬の歩き方そのものがセイタカシギの優雅な動きにそっくりなんです! 
どう? わかった?

わからない時はわかるまで調べる! ・・・これがスッキリする極意です!! 
「あゝスッキリした~」って、よくTVで宣伝するでしょ! あの感覚ですよ!


さてさて、鳥の全長とは仰向けにした状態で嘴の先端から尾羽の先までの長さのことで、足は除外します。
セイタカシギのすごいところは、自分の全長と同じくらいに足が長い!!!
もしかして全長よりも長い?!?!

左の茶色い個体が♀成鳥です。

交尾している手前にあるのが完成間近の巣    5/4

この交尾シーンが撮れる直前に「あんなに長い足って、きっと交尾が大変だろうなあ」と思っていたら、その直後に交尾行動が始まったのにはビックリ! 撮りながら♂のバランスのとり方に感心するばかり!

巣作りは夫婦の共同作業です。

イクメンパパは抱卵も交代で。

1ヶ月後には新生児が誕生していることでしょう・・・そうして、それが冒頭の6/16の写真に繋がっていくのです。

40年ほど前までは 国内ではかなりの珍鳥でしたが、現在は数ヶ所で繁殖しています。
まだ自分がホッカホカのビギナーだった頃「海岸近くの田んぼにセイタカシギが来てるよ~」という電話をもらい、「見たい見たい~! 朝までいてくれるかな~!!」と、興奮して余り眠れず、夜明けと共にすっ飛んで行きました。

教えてもらった場所に行くと「おおっ、やった~! いたいた~~!!」
その異様とも言える足の長さと美しさに感動して、ずっと見入っていたため、会社に遅刻しそうになってしまいました。

思い返せば、その後 野鳥にドップリとハマってしまったのは、この時のセイタカシギのインパクトがあまりにも強烈だったことが大きな要因!?!? 
すなわち、『セイタカシギこそが私の人生を変えた出逢い』!!・・・なのです。デヘッ










学力テスト Vol.344-4 その解答 オグロシギ

 オグロシギ

3回連続の赤い大型シギの最後を飾るのはこれ!

2019 8/31 久々に近距離で撮影できた冬羽 幼鳥かな?

漢字では「尾黒鴫」 識別点の重要ポイントです。

いつもは翼の下に隠れているので、尾羽が見えませんが、シギの多くの種類は尾羽が12枚。
このオグロシギでも12枚 確認できました。

5/6   こちらが成鳥♂の夏羽。まるで違う種類!


右にいるのは、やや小さくて赤味も薄く感じるので成鳥♀・・・かな? 
どこに行くにもぴったりと♂のそばを離れません。

ソーシャル・ディスタンスなんて気にしない気にしない!!

私しゃ、ずっとアンタの傍がいい~~!! 何があったって離れない~~・・・だって大好きなんだもん!! っていう雰囲気を醸し出しています。

少しばかり、離れていたって心は一つ!!

見ていて、ぜひ見習わなければという思いが伝わってくる仲の良さでした!!!

休耕田には適度に緑があり、浅い水面にオレンジの花が咲いたような絶妙のシチュエーションで撮れました。これほど見事に美しく撮れるのは、滅多にないチャンス・・・と自画自賛! なんちゃって!