学力テスト Vol.347-4 その解答 ブッポウソウ ー1

 ブッポウソウ


漢字では「仏法僧」と書きます。
まずは、この聞き慣れない不思議な名前について、その由来を理解せねばなりません。

そもそもは聖徳太子の時代にまで戻ります。
593年、皇族史上初の女性天皇になった推古天皇のもと、甥の聖徳太子は若干20歳で摂政(君主に代わって政治を行う役目)に任命されたのち、かの有名な「憲法十七条」を作りました。

「和を以て貴しとなす」。これは当時の官人や貴族の政治に対する心得を正すべく制定されたもので、その第2条の冒頭には、「篤く三宝を敬え。三宝とは仏・法・僧なり」と書かれています。

三宝のうち、「仏」とは釈迦のこと。「法」とは釈迦の説いた言葉。「僧」は世間にその法を伝える僧侶のこと。
仏教を深く信仰していた聖徳太子は、この三宝に基づいて争いのない国造りを目指したとされているのです。


そして次に出てくるのが空海こと「弘法大師」。
高野山で「ブッポウソウ~」と鳴く鳥に、弘法大師がこの名前を付けたという伝説があるようです。

今から1000年ほど前、高野山の金剛峯寺に弘法大師という、えらいお坊さんがいました。ある時、弘法大師がお堂にこもっていると、夜明けごろに不思議な鳥の声が聞こえてきました。「ブッポーソー、ブッポーソー」と鳴いているようです。
「おお、三宝の声で鳴く鳥がいる。鳥までが三宝を口にするとは・・・」弘法大師はそう言って、静かに手を合わせました。
この時作った漢詩:「寒林ニ独座ス草堂ノ暁 三宝之声ヲ一鳥ニ聞ク」 意味は「明け方たった一人で座っていると、鳥が三宝の声で鳴く。鳥の声も人の心も、三宝をあがめたたえてやまない」 これは「性霊集」という弘法大師の詩や文章を集めた本に載って、のちの世まで伝えられました。 
動物ノンフィクション5「ブッポウソウのなぞ」小林清之介著 小峰書店 より引用しました。

上記本とは別に、図書館で「江戸鳥図鑑」という本を見つけました。
これには江戸時代の本草画家である毛利梅園が描いた「梅園禽譜」にある鳥たちが載っていて、その中にブッポウソウのこともありました。
それには、神社や寺の境内に棲みつくことが多かったことから「三宝鳥」とか「念仏鳥」とも呼ばれていたと書かれています。
だからこの鳥は「霊鳥」とも呼ばれているのです。

これらは本やネットなどにいろいろと書いてあることの受け売りですが、暑い夏にはエアコンの効いた部屋で調べ物をするのも一興です・・・と、ここまでは前段



さて本題!!
実はこの霊鳥が何と何と私のものすご~く身近にもいたのです。
それは鳥に親しみ始めて、しばらく経ってからのことでした。

ある年、いつものように夏の盆休みに同居人の家に里帰りした時のこと。
彼女の実家のすぐ隣にある神社には、樹齢が推定1000年以上と言われ、幹回りが13mもある、県の天然記念物に指定されたクスノキの古木があります。

その上空から「ゲゲ、ゲゲゲゲ~」と、何となく聞き覚えのある声が!!
※その年の初夏に初めてブッポウソウなるものの姿と声を覚えた私は、まだホッカホカのビギナーの頃でした。


空を見上げると、何と何とブッポウソウが飛び回っているじゃありませんか!!
「うわわわわ~~、ブ・ブ・ブッポウソウじゃ~~!! え~~~、こんなところに?」 

ちなみに同居人は鳥や野生動物には全くと言っていいほどの無関心型!!
「こ、この鳥っていつもここにいた?」の質問に、「このギャーギャーうるさい鳥のこと?、他にフクロウはいつもいるよ」と涼しい顔で答えたのです。
「そんな大事な事、もっと早く言えよ~~」「だって聞かなかったじゃん!」 グギギ~

この話を書くにあたって同居人に再確認しました。
「このクスノキって樹齢どのくらい? 幹回りはどのくらい? そもそもこの神社の名前って何だっけ?」
返事はこうです。「私が生まれた時にはもう結構、大きかったから、百年以上かな?」
「幹回り? そんなの知らね~」
「神社の名前? う~ん、知らね~」
おいおいアンタ、ホントにここで産まれ育ったのけ?!?! 
能天気オバサンもここまで来ると国宝級!! わたしゃ、ホント幸せ者です・・・トホホ



彼女の家族によくよく聞いてみると、このクスノキにはブッポウソウ、フクロウの他に何とアオバズクやムササビまでもが居住していたのです。
でも、一番スゴイのは誰もそんなことに興味なんてありゃしね~・・・ってこと!! 

せいぜい興味があると言えるのは、山で採れる自然薯とか、すぐ近所の川で獲れるアユやモズクガニかな?
でも釣ったアユは冷凍庫にはいっぱい入ってるのに、食べさせてもらったことなんてほとんど記憶にありません。
同居人も「あんなの、おいしくないから食べない! でもモズクガニは、子供の頃はいつもおやつでおなかいっぱい食べてたなあ~」アゼ~ン!! なんちゅうゼ・イ・タ・クを!

モズクガニなんて見たこともないし・・・彼女に比べたらオイラは「CITY BOY」ってことなのかな? フン!! & シュン!!

何と、これぞ三宝どころか「キラキラのお宝の山」ではありませぬか! 
何のことはない! “灯台下暗し”とはこんなことを言うんだろうね~ ケッ!!

P.S. 投稿後に判明したので、急きょ追伸です! 
この神社から直線で100mのところに何と何と「弘法大師堂」があります。
同居人によると毎年夏に、このお堂に地元の人がお参りに来るそうな・・・そして当然ながら香具師たちも店を出して結構な賑わいとのこと。
フィ~~、 やっぱりブッポウソウって「霊鳥」なんだね~~~!!!
※「弘法大師堂」というのは全国各地に点在しています









2 件のコメント:

  1. 彩の綺麗な鳥ですね!!

    「仏法僧」の名前の由来を学習できました!(^^)!

    空海が聞いた「ブッポーソー、ブッポーソー」という鳴き声は
    「コノハズク」ですね。

    fuutenhideさんは奥様のお里が自然豊かな場所で幸せですね(*^-^*)

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  2. さすがさすがです。「声のブッポウソウ」はコノハズクのことです。

    CITY BOYの私は同居人の家に行って初めて、ソバやコンニャクなどの自然食品を見たり食べたりしました。

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