学力テスト Vol.475-2 その解答 ミフウズラ ~ じゃがたらうずら ~ 

 ミフウズラ ~ じゃがたらうずら ~

こちらがその夫

趾(あしゆび)をよ~く見てもらうと分かるように、前向きに3本あるだけの「三趾足(さんしそく)」です。後趾(後ろ指)は退化してありません。

ミフウズラを漢字表記では  ①「三斑鶉」とか ②「三府鶉」または ③「三歩鶉」と書きます。
「三」は三本指のことで、①の「斑」は全身に斑模様があることから。②は生息地の琉球の古い地名「三府」に由来 ③「三歩」は三本指を意味する・・・など諸説があるようです。

外見がウズラに似ていることから付けられた名前ですが、ホンモノのウズラは「キジ目キジ科」なのに対して、こちらは「チドリ目ミフウズラ科」なので、分類上では全く関係がありません。
ちょっと前までは「ツル目ミフウズラ科」に分類されていたのですが、DNA研究の成果でカモメに近い「チドリ目」と考えられるようになりました。 

「ポリアンドリー」という言葉があります。ちょっと洒落た言葉のようですが、何のことはなくて「一妻多夫制」のことで、ミフウズラはこの珍しい形態を持っています。

メスは産卵に専念することによって、子育てのためのエネルギーを使わずにたくさん産むことができ、オスは子育てによって自分の遺伝子を確実に残す! 
一妻多夫制というのは、鳥類のほとんどが一夫一妻制という中では1%未満という特殊な例ですが、お互いが納得しながら築き上げてきた配偶システムなのです。

左が♀ ひと回り小さい右が♂です。


身近なところで有名な「一妻多夫制」はタマシギですが、ミフウズラもそれと同じようにメスの方が体も大きめで、色彩もはっきりとしています。子育てはすべてオスまかせ!! 
メスは卵を産んだらさっさと次の新しいオスのところへ行ってしまいます。
オスも納得していることなので、文句を言うようなことはありません。ミフウズラにとってはこれが一番ベストな子孫を残す方法なのでしょう。

メスの方が体が大きけりゃ、当然ながら態度もでっかいから威風堂々と!・・・と、言いたいところですが、警戒心はハンバではありませぬ!


サトウキビ畑に棲んでいるということは分っているのですが、そうそう簡単に見つかる相手ではありません。上の写真でどこにいるのか分かりますか? 

これが右下にいた拡大写真です。 
ジッとしていて、さらに後ろ向きだとよけいに厄介です。

江戸時代に琉球王朝から持ち込まれた時には「じゃがたらうずら」とか「なんきんうずら」と呼ばれたそうで、その名前のとおり、畑に転がっている「じゃがたらいも」のようです。

※ついでの話 その1「じゃがたらいも」とは「じゃがいも」の古名で、原産国は南米のアンデス山脈周辺ですが、それを15世紀後半にスペインが持ち帰ってヨーロッパで普及しました。
さらに17世紀になってジャワ島のジャカルタ経由で、オランダ船によって日本に持ち込まれたもので、じゃかるた➡じゃがたら その地名にちなんだ名前です。

※ついでの話 その2 長崎には「じゃがたらお春」というものがあります・・・興味のある人は検索してみて下さい。

何だか食物講座になってしまったので、話を元へ戻さにゃならん。

サトウキビを収穫したあとのデコボコした畑の中をスローペースで歩き回るので、たまにチラッと見えたり、しばらくの間は見えなかったり・・・。
さらに赤土とそっくりの隠ぺい色なので、目を皿のようにして探さねばなりませぬ。
朝の活動時間を過ぎると、夕方まで草むらから出てこなくなるというので、探す時間も限られています・・・これも探すのに焦ってしまう一因なのです。

もちろん、車外へ出るなんて御法度です!
外はうだるような暑さなのに、エンジンは掛けられないのでエアコンは無し!
しかも、あいにく時々雨が降ったりして、常時90%以上もあるベタベタした湿気!! 


そんなシチュエーションの中でひたすら、保護色でしかもスズメくらいの14㎝しかないオチビなヤツを双眼鏡で探さなければならないのです! 
ストレスが溜まる一方です!! グギギ~

上の写真を拡大すると・・・右下にいるのがようやく見えてきました。
動いてくれないと全然見つからないのです。

誰で~いっ! 「ここに来たら石垣島などと比べて、簡単に見られるぞ~なんて言ったヤツは~!!
最初に見つけた時は30m以上、いやいやもっと先かな? 
で、それから待つこと数十分。ようやく撮れそうな距離にまで、畑のふちを見え隠れしながらもヨチヨチと歩いて来てくれました。その間、こちらはずっと息をひそめたまま!


それでも最短で約20mほどの距離だったので、これはかなりの拡大写真なのです!


ようやく撮れた時は、喜びよりもドド~っと疲労感!! 疲れた~~!! 
朝イチからの仕事だったのに、ここで体力と気力を使い果たしてしまいましたわい!

次回は「育メンの鑑」のパパがヒナを連れて歩くところを見たいものです。
ただし、この時期の気温や湿度に対応できる気力と体力があればの話だけどね・・・。











3 件のコメント:

  1. うだるような暑さ、エアコンは無しの車の中!
    貴重なショット!(^^)! ホントにお疲れ様です!
    今回初めて知った「ミフウズラ」♬
    食物講座含めて多くの事を知ることが出来ました♬

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  2. 「じゃがたらお春」というのは、人物の他に、ジャガイモを原料とした焼酎というのもあるそうです。

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  3. そうなんですか~
    また新しいこと知りました♬

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