学力テスト Vol.477-1 頭かきシリーズ その92


 

ベニモンアゲハ ♂

南の島ではこんな華麗なアゲハチョウがフワフワと翔んでいます。

ベニモンアゲハ ♂

ベニモンアゲハは、もともと日本には分布しておらず、インドから東南アジアに広く分布しています。迷蝶として八重山諸島で1968年頃から時々、土着として記録されるようになりました。

この赤と黒の体は、いかにも「オイラは毒を持ってるから近寄るんじゃね~ぞ~」と言わんばかりですが、実は見かけどおりの毒チョウなのです。

幼虫はウマノスズクサ科という毒成分を含む植物を食べるため、成虫も毒を持っています。体内に毒を溜め込んでいることを天敵に対して体の色を派手にアピールすることで身を守っているのです。

ジャコウアゲハ ♂

分布域が重なるジャコウアゲハも毒チョウで、やはり同じくウマノスズクサ類が食草です。


さてさて、本題です。
この鳥の ①名前 ②頭かきの種類 さらに③足指の形 ④水かきの種類 の4問について答えて下さい。
頭かきには「直接頭かき」と「間接頭かき」の2種類があります。


上記2枚のイラスト資料「鳥のフィールドサイン 観察ガイド」箕輪義隆









学力テスト Vol.476-3 その解答 エリグロアジサシ その2 ~ たなぼた ~ 



今回は「キビナゴ」の群れを追いかける「スマ」というカツオの仲間を見ることができました。

スマ
参照「ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑」

「スマ」は通称「ヤイト」または「ヤイトガツオ」といいます。これは下腹部にある数点の黒斑がヤイト、すなわちお灸のあとのように見えることから名付けられたとのこと。体長は1m前後にもなります。

エリグロアジサシが外洋で魚を見つけるのは簡単ではありません。その上、彼らは飛び込んでから深く潜ることができないので、せいぜい数十センチの深さにいる小魚を見つけなければなりません。

この「スマ」が下から「キビナゴ」の群れを追いかけ回すので、彼らは水面へと逃げます。
そんな千載一遇のチャンスをエリグロ君たちが見逃すはずがありません。

こちらも橋の上から見ていたので、この狩りのシーンをたっぷりと堪能できました!!

魚を見つけたら、まずはホバリングで狙いを定めます。

ダイビングでバッシャ~ン!

飛び上がった口の先には

見事にキビナゴをGET~~!!

おっと、スマが浮かび上がってきました。

開けた口の先にはキビナゴが

あっという間に飲み込んでしまいました。

この瞬間はたぶん2秒もないくらいの出来事ですが、たまたま撮れちゃってました!

エリグロ君にとって、こんなチャンスを「たなぼた」と言う?


いやいや、エリグロ君は「牡丹餅が棚から落ちてくるのを寝て待っている」わけではありません。そんな楽をしていい思いをするなんて事がある筈がありません。

下から「スマ」に追いかけられて逃げ惑う「キビナゴ」だって、必死に動き回っているのです。それを逃さずに獲ったのですから、エリグロ君の Good Job と褒めるべきでしょう!!


















学力テスト Vol.476-2 その解答 エリグロアジサシ その1 ~ 珊瑚の海がよく似合う ~ 

 エリグロアジサシ ~ 珊瑚の海がよく似合う ~

エリグロアジサシには青空がよく似合います。


そんな出会いを求めて出掛けても、思い通りにならないのが世の中の常!
全てが思い通りに・・・例えば、イメージした写真がカンタンに撮れちゃったとしたら・・・きっとすぐに飽きてしまって、面白くも何ともないでしょうネ! フン!

エリグロ君の頭かきは「直接型」。


そして足指は「三前趾足(さんぜんしそく)」です。
水かきの種類は「標準蹼型(ひょうじゅんぼくがた)」の中の「欠蹼足(けつぼくそく)」です。

※ここで「蹼足(ぼくそく)」って何のこっちゃ?の復習です。 
「蹼」とは「水かき」のことで「蹼膜(ぼくまく)」とも呼び、皮膚から進化したものです。

エリグロ君の足の写真が小さすぎて判らんって? ごもっともです!

これなら判るかな?


「鳥が違うじゃん!これってコアジサシじゃん!!」と言うなかれ! 細かいことは言いっこなしです! 同じアジサシ類だからいいのです。細かいことばかり言ってると彼女に嫌われちゃうぞ~!

こちらが「標準蹼型」の基本形で、ユリカモメ君。カモ類も同じです。

今回はアジサシ類の水かきが、なぜ部分的に欠けている「欠蹼足」になったかというお話。

「欠蹼足というのはアジサシ類やグンカンドリに見られます。アジサシ類はカモのように水中を泳いで移動することはしません。

そしてダイビングの時も、ごく浅く潜るだけなので水かきを使うことはありません。飛翔に特化するために、最小限の水かきだけ残して軽量化したのです。

そして時々、水面に降りて小休止することがあるけど、飛び立つ時に水を蹴るのに水かきがあればかなり役立ちます。

採餌の時のダイビングや、飛翔時とのバランスを考えた末の絶妙な妥協点が「欠蹼足」なのです。

さらに、砂浜や干潟で浅瀬を歩く時にも、ある程度の水かきがあれば足指が沈みにくく、安定して歩けます。



かように「欠蹼足」一つをとってみても、アジサシ類の生活に合わせた進化を遂げた結果なのです。鳥ってすごいでしょ?!


 










学力テスト Vol.476-1 頭かきシリーズ その91

 

南西諸島の海上をフワフワと優雅に翔ぶ「オオゴマダラ」

マダラチョウの仲間では最大です。

ペアで飛翔

最近はいろいろなゲージの中でこのチョウの飛翔を楽しめるところが増えてきました。
例えば奈良県の橿原市昆虫館とか、関東地方でもあちこちで飼育や展示をしています。

さてさて、本題です。
この鳥の ①名前 ②頭かきの種類 さらに③足指の形 ④水かきの種類 の4問について答えて下さい。
頭かきには「直接頭かき」と「間接頭かき」の2種類があります。



上記2枚のイラスト資料「鳥のフィールドサイン 観察ガイド」箕輪義隆




学力テスト Vol.475-2 その解答 ミフウズラ ~ じゃがたらうずら ~ 

 ミフウズラ ~ じゃがたらうずら ~

こちらがその夫

趾(あしゆび)をよ~く見てもらうと分かるように、前向きに3本あるだけの「三趾足(さんしそく)」です。後趾(後ろ指)は退化してありません。

ミフウズラを漢字表記では  ①「三斑鶉」とか ②「三府鶉」または ③「三歩鶉」と書きます。
「三」は三本指のことで、①の「斑」は全身に斑模様があることから。②は生息地の琉球の古い地名「三府」に由来 ③「三歩」は三本指を意味する・・・など諸説があるようです。

外見がウズラに似ていることから付けられた名前ですが、ホンモノのウズラは「キジ目キジ科」なのに対して、こちらは「チドリ目ミフウズラ科」なので、分類上では全く関係がありません。
ちょっと前までは「ツル目ミフウズラ科」に分類されていたのですが、DNA研究の成果でカモメに近い「チドリ目」と考えられるようになりました。 

「ポリアンドリー」という言葉があります。ちょっと洒落た言葉のようですが、何のことはなくて「一妻多夫制」のことで、ミフウズラはこの珍しい形態を持っています。

メスは産卵に専念することによって、子育てのためのエネルギーを使わずにたくさん産むことができ、オスは子育てによって自分の遺伝子を確実に残す! 
一妻多夫制というのは、鳥類のほとんどが一夫一妻制という中では1%未満という特殊な例ですが、お互いが納得しながら築き上げてきた配偶システムなのです。

左が♀ ひと回り小さい右が♂です。


身近なところで有名な「一妻多夫制」はタマシギですが、ミフウズラもそれと同じようにメスの方が体も大きめで、色彩もはっきりとしています。子育てはすべてオスまかせ!! 
メスは卵を産んだらさっさと次の新しいオスのところへ行ってしまいます。
オスも納得していることなので、文句を言うようなことはありません。ミフウズラにとってはこれが一番ベストな子孫を残す方法なのでしょう。

メスの方が体が大きけりゃ、当然ながら態度もでっかいから威風堂々と!・・・と、言いたいところですが、警戒心はハンバではありませぬ!


サトウキビ畑に棲んでいるということは分っているのですが、そうそう簡単に見つかる相手ではありません。上の写真でどこにいるのか分かりますか? 

これが右下にいた拡大写真です。 
ジッとしていて、さらに後ろ向きだとよけいに厄介です。

江戸時代に琉球王朝から持ち込まれた時には「じゃがたらうずら」とか「なんきんうずら」と呼ばれたそうで、その名前のとおり、畑に転がっている「じゃがたらいも」のようです。

※ついでの話 その1「じゃがたらいも」とは「じゃがいも」の古名で、原産国は南米のアンデス山脈周辺ですが、それを15世紀後半にスペインが持ち帰ってヨーロッパで普及しました。
さらに17世紀になってジャワ島のジャカルタ経由で、オランダ船によって日本に持ち込まれたもので、じゃかるた➡じゃがたら その地名にちなんだ名前です。

※ついでの話 その2 長崎には「じゃがたらお春」というものがあります・・・興味のある人は検索してみて下さい。

何だか食物講座になってしまったので、話を元へ戻さにゃならん。

サトウキビを収穫したあとのデコボコした畑の中をスローペースで歩き回るので、たまにチラッと見えたり、しばらくの間は見えなかったり・・・。
さらに赤土とそっくりの隠ぺい色なので、目を皿のようにして探さねばなりませぬ。
朝の活動時間を過ぎると、夕方まで草むらから出てこなくなるというので、探す時間も限られています・・・これも探すのに焦ってしまう一因なのです。

もちろん、車外へ出るなんて御法度です!
外はうだるような暑さなのに、エンジンは掛けられないのでエアコンは無し!
しかも、あいにく時々雨が降ったりして、常時90%以上もあるベタベタした湿気!! 


そんなシチュエーションの中でひたすら、保護色でしかもスズメくらいの14㎝しかないオチビなヤツを双眼鏡で探さなければならないのです! 
ストレスが溜まる一方です!! グギギ~

上の写真を拡大すると・・・右下にいるのがようやく見えてきました。
動いてくれないと全然見つからないのです。

誰で~いっ! 「ここに来たら石垣島などと比べて、簡単に見られるぞ~なんて言ったヤツは~!!
最初に見つけた時は30m以上、いやいやもっと先かな? 
で、それから待つこと数十分。ようやく撮れそうな距離にまで、畑のふちを見え隠れしながらもヨチヨチと歩いて来てくれました。その間、こちらはずっと息をひそめたまま!


それでも最短で約20mほどの距離だったので、これはかなりの拡大写真なのです!


ようやく撮れた時は、喜びよりもドド~っと疲労感!! 疲れた~~!! 
朝イチからの仕事だったのに、ここで体力と気力を使い果たしてしまいましたわい!

次回は「育メンの鑑」のパパがヒナを連れて歩くところを見たいものです。
ただし、この時期の気温や湿度に対応できる気力と体力があればの話だけどね・・・。