学力テスト Vol.380-2 その解答 トラツグミ ～ ５時から男 ～

 トラツグミ　～ ５時から男 ～

この画像の中にトラ君がいますが、どこにいるか分かりますか？　動いてくれなければ見逃してしまう事でしょう。このトラ君が動いた範囲は3時間で畳が2枚ほど。

とにもかくにも動きが遅いんです！「動かざること山の如し」まるで武田信玄の率いる「赤備え」・・・すなわち赤い甲冑をつけた甲斐軍団のようです。

と言いながらも、ずっと観察を続けていると色々と分かってきました。これはツチイナゴを捕まえた瞬間！　バッタが動く時のホンの微かな物音を聞いて見つけているのです！  歩く時も抜き足差し足で、足音を立てることなんてありません。

丸ごとゴックンと一飲み！

そうかっ！ジ～ッとしているのにはこんな理由があったのか～！！ せわしなく動き回って虫探しをするシジュウカラや、同じツグミ科のシロハラなどが草むらの中をガサゴソ、枯葉をポイポイとほっぽり投げるというガサツなやり方の虫探しとは、まるで異なる方法だけど、これがトラ君の戦略なのです。

見事に大物のミミズをゲット～～！

    トラダンスをして、その振動で虫を追い出すにしても、虫の動く わずかな気配が分からなければ見つけられません！　

   「俺は歳をとってるけど、まだまだヤブサメの声は問題なく聴こえるんだぞ～」と自慢しているそこのアンタ！トラ君に言わせたら、その程度の聴力なんて屁の河童なんです！　

     虫が動く時に出す、ホントにわずかな「カサッ」という音や、土中から聞こえるミミズが動く音を聞くには「超々のつくほどの聴覚と集中力」が必要なのです！   彼はそのミミズの動く音を敏感にキャッチし、狙いを定めてそこを突きますが、かなりの確率でミミズをつかみ出すのです。

薄暗くなってきたら途端に動きが活発になってきました。目も生き生きと輝いているようです！！　動きも格段と素早くなってきました。退社時間になったら別人のようになる「5時から男」と同様で「疾きこと風の如く」です。ピントが合わねえ～～！

あれれ？　そう言えば武田信玄の別名は「甲斐の虎」。

ここまで、気付かずにトラ君と信玄の共通点を書いてきちゃったけど、そうか！信玄はトラ君の動きから「風林火山」という戦い方を学んだんだな！　という異説を発見！！・・・なんちゃって！！！

※「風林火山」の旗印は、中国の春秋時代に書かれた「孫子」という兵法書から引用したというのが一般説です。

日没後、もう周囲には誰もいません・・・これ以上暗くなると撮れなくなってしまいます！　なんとかしてくれ～～　の願いが通じたのか、おおっ！ついについに待ち望んでいた羽繕いを始めました・・これはものすご～く期待できそうな気配！！

暗くて分かりにくいけど、うつむいて胸を繕っています。

左の翼を広げてのストレッチ！！

それからさらに待つこと５分！　いきなり「頭かき」を始めました！とうとう待ちに待っ　 た瞬間がやってきました。この瞬間まで、午後の撮影開始から通算すると４時間待ち！

「うわわ～～、やった、やった～！！　よっしゃ～～！！　これでビールがうまいぞ～～！！！」もちろん、周囲には誰もいないので飛び跳ねたって、少しくらい声を出して喜びを表現したって大丈夫！！　車まではルンルンのスキップで帰ります。

 薄暗い中での撮影だったので、絶対にブレないようにシャッタースピードは1/800に設定、そのためにISO感度は6400にまでなってしまいましたが、ブレたら今までの苦労がすべてオジャンなのです・・・暗い写真は修正することはできるけど、そのままの方がそれなりの臨場感があってよろしい・・・と自画自賛！　

昔の銀塩カメラやフィルムだったら、ストロボがない限り絶対に撮れません！　何とか証拠写真が撮れてよかったよかった～！！　  

トラ君　ご協力ありがとね～・・・でした。