学力テスト Vol.436-3 その解答 コアジサシ その2 ~ ターン君の初飛翔 ~

この外国人のファミリーは何をしていると思います?
スマホを砂地にピッタリとくっつけて、何かを撮っているようです。

彼らが立ち去った後に近づいたら・・・やっぱり! いました! 
コアジサシの生まれたてのヒナが2羽!

彼らがコアジサシを持ち去るとか危害を加えそうなら、注意もしようかと思ったけど、何事もなく立ち去ったので事なきを得ました。
ここはサーファーや海水浴客がよく来る海岸で、その海岸への通り道にヒナたちが潜んでいたのです。

そのすぐ近くにあったコアジサシの卵 

親鳥が留守にしたのでちょっと撮らせてもらいました。こんなふうにちょっとくぼみを作っただけのところへ産卵するのです。
親鳥がいないと気付かなくて、うっかりすると卵を踏んでしまうかも?というくらいに砂浜に同化しています。

巣の周辺の外気温が34℃よりも高くなると、直射日光をまともに受け、ゆで卵になってしまうのでその場合、親は卵の上に立って日陰を作ったり、腹部を濡らして抱卵したりといろいろ工夫しているのです。

さてさて、抱卵期間の約20日間が経つと念願のヒナが誕生! 
このサイズだと、たぶん孵化後3日目以内かな?

ヒナは自分では体温調整ができません。
暑いのもダメ、ましてや雨なんてもっての外ですぐに親の腹にもぐります。


孵化して5日目頃になると、ご多分に漏れずこのヒナたちもアチコチに動き回ります。
実はこの頃が一番危険なのです。周りにはカラスやトビなど捕食者がいっぱい!


2羽のヒナが駆け出しました!我々よりもはるかに良い目や耳をしていて、親が飛んでくるとその辺りを脱兎のごとく走り回ります!! うわわ~、こちらへ向かってきました!

魚をくわえながら、時折「クリッ、クリッ」と鳴きます。

「ママ~~、こっちこっち~!!」

「かあちゃ~ん、こっちだよ~ はやく魚をちょうだい~~~!!」

こちらが近くで撮っていることなんて、まるで眼中に無し!

あまりに近くで給餌したので、画面からはみ出してしまいました。

さてさて、これは孵化してから3週間くらいのヒナ

名前を英名の「Little Tern」にちなんで「ターン君」と名付けました。
もうりっぱに風切羽が伸びています。

おっ、ちょっと姿勢を低くしたぞ!発進かな? 

少々ひるんだようで、やり直し。
周りを意識しているようです。ちょっとドキドキしちゃったかな? 

さあ、気を取り直して今度こそ!

おお、浮いた~~

飛んだ飛んだ~、そのまま50mほどの初飛翔!! やったね~っ!!
この日はこれを何回か繰り返していました。


念のために翌日も様子を見に行ったら、ターン君はもう親(写真の左下)と一緒に優雅に飛び回ってました!! 流石、これからはるばるオーストラリアやニュージーランドまたはパプアニューギニア方面などの越冬地へ、数千キロも移動する能力を持つ鳥は一味違うね~

それにしても3週間前、産まれたてのヒナの頃は5㎝かそこらで毛むくじゃらだったのが、こんな短時間で大空を自由自在に飛べるなんて、ホントにものすごいこと!!

ただし、これからが本番! 親の真似をして魚捕りも憶えなければなりませぬ!
コアジサシは水面近くや水深が50㎝ほどのところにいる小魚を探しながらダイビングで捕えます。これができなければ即、死に直結してしまうのです。まだまだ覚えることはいっぱい!!

また来年も元気な姿を見せておくれ~!!






















2 件のコメント:

  1. 孵化して5日目頃にはよちよち歩き、
    3週間で大空を飛べるように!
    生きようとする力が満ちていますね\(^_^)/
    魚をちょうだい~と口を開けて必死に走るヒナたち(^^)
    可愛い~!!o(^-^)o

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  2. コアジサシのヒナは「早成型」なので、産まれてすぐに歩き出せるのは理解できますが、こんな短時間で空を飛べるようになるというのは驚きでしかありません!!

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