猛毒で身を守るハイテクに乾杯!

セセリチョウのことを「トンボ釣りチョッチョ」と呼んだバッチャマは『フウセントウワタ』を栽培しております。今回はこの毒について取材をしてきました。


こちらが「フウセントウワタ」の花。小さな乳白色の花がぶら下がるように下向きにたくさん咲きます。花からは蜜がいっぱい! 花の姿かたちもユニークでかわゆ~い!いろいろなハチが群れていました。


そしてこちらが名前の由来にもなっているもので、花のあとにできる風船状の果実の方が切り花か鑑賞用に利用されています。こんなふうに黄緑色に赤く色づいてくると出荷の時期を迎えます。

この「フウセントウワタ」なるもの、なかなか始末が悪く特に出荷時に農家を悩ませます。
というのも茎を1mほどの長さに切断する時に飛び散る白い樹液が目に入ったものなら、その毒素で即、角膜炎をおこしてしまいます。

そして出荷するのには花と葉っぱのすべてを取り去って茎と風船だけにするのですが、葉っぱをそ~っと取っただけで、葉の付け根から白い汁がジュワ~っと出てきます。ホントに敏感!
その作業を素手でやると、その液体に何度か触ってしまうわけで、そんなことをしてたら指紋がとれちゃうとも言っていました・・・おお、こわっ! だから厚手のゴム手袋と保護眼鏡は必携だそうな!

それとそれと、デリケートな人だとこの花畑で花や葉に触れただけでかぶれるんだって! 今回取材したバッチャマのご主人がそんならしくて「うちのダーリンもダメなの!」って言ってたっけ。 
私は強靭な体力を備えているので何ともなかったけどね・・・「ケッ、単に鈍いだけじゃん!」なんて言うヤツは誰だ~!

当然ながらこの花だけでパパラッチに行ったわけじゃなくて、ここにカバマダラがいるという情報だから伺ったんだけどね!


刈り取ったフウセントウワタの花で吸蜜・・・この方が宙吊りじゃなくて楽チンかな?


話をカバマダラの方に移すと、このチョウは「フウセントウワタ」とか「トウワタ」を食草としています。これらはガガイモ科の植物で毒性の強い「アルカロイド」を含んでいます。

そのアルカロイドなる毒が角膜炎だの指紋を消してしまうだのという強い毒だということが取材でよ~く理解できました。
ここまですごい話を聞くと、いくら好奇心の強い私でも、あの白い液体を、ホンのちょっと舐めてみようかという気にはなりませ~ん!


・・・が、あの小さいカバマダラの幼虫がこんな猛毒の葉を食べてしまうのです。そしてその毒は幼虫から成虫にまで受け継がれているので、カバマダラを口に入れた鳥やカエルなどはすぐに吐き出してしまうんだって! この辺の話になると頭では分かっても、もう理解不能! どうして本人は大丈夫なのかな?

そして世界に目を向けると、英名をモナーク蝶(Monarch butterfly)すなわち「蝶の帝王」と呼ばれている「オオカバマダラ」 北米と南米を最長で5000kmも大移動するチョウとして有名だけど、これも食草はトウワタ。・・・ うわ~!やっぱり同じじゃ~!

それと同じことを「アサギマダラ」もしているってのは覚えてるよね?
食草は「キジョラン」とか「カモメヅル」で、これもガガイモ科の植物でやはり強烈なアルカロイドを含んでいるのです。 だからアサギマダラ君たちもやっていることは同じ! チョスゲ~!!


1 件のコメント:

  1. このカバマダラ・・・数年前に大発生?したときに見させてもらったけど、蛹がとっても綺麗だったなぁ。

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