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学力テスト Vol.387-4 その解答 シマアジ ~ たった1ヶ月で大変身 ~

 シマアジ ~ たった1ヶ月で大変身 ~

これは最近、秋の彼岸の頃に撮ったもの
この写真を見て「おっ、もうコガモが渡って来たか~!」と早とちりをする人へ・・・

かすかに眉斑があって、雨覆は淡灰色


次列風切の翼鏡はしっかりと♂の生殖羽と同じく緑色! コガモの翼鏡はもっと鮮やかなエメラルドグリーンです・・・ということで、これは「シマアジ」君のエクリプス(非生殖羽)なのです!!

ヤッホ~!と挨拶代わりの「直接頭かき」

春の彼岸の頃に通過した時の♂は、こんな超ダンディだったのです。

シベリアなどでの繁殖を終えて、東南アジアへ南下する途中では、もうこの超ダンディなタキシードを着ている理由はないので、最上段の写真のようなエクリプス(非生殖羽)に着替えているのです。
その大変身(換羽)も夏の終りから開始して、約1ヶ月ほどで完了してしまうというからビックリ!!

それにしても、見れば見るほどに立派な太い眉!(鳥用語では「眉斑」といいます)

太い眉で強烈なインパクトと言ったら、何といってもブルック・シールズちゃん! 彼女はあの眉が超魅力的だったな~!

おっと、太眉はシマアジ君の♂だけなのでヒトの男性で魅力的だった俳優はというと・・・う~ん、あまり印象にないね~ 「こち亀」の両さんや加藤諒君じゃ、あまりにもイメージが違い過ぎちゃうし・・・

漢字では「縞味」と書きます。「縞」は♂の肩羽が細長く縞模様に見えることから来ていて、「味」はトモエガモの古名称の「あじがも」、すなわち肉の味のよいカモ・・・から来ています。

う~ん、ここで首を捻るのは「あじがも」と称するほどにシマアジを沢山捕まえることができたのかな?ということ。
シマアジは1月の「全国ガンカモ調査」のカウントする時点では時季外れのために、ほぼカウントされることがありません
2022年のデータでは シマアジは3羽(佐賀県のみ)、トモエガモは22,124羽となっています。
 
モヤモヤしたままでは気持ち悪いので、さらに「あじがも」で追跡調査!
◆山口県周防灘にある「きらら自然観察公園」は、旧住所名が「阿知須(あじす)」とい   う。これは「アジガモ」が海辺の洲に沢山いたことに由来する地名。

◆ここらでは昔は食用として捕獲され、カモの中でも特に美味なので「アジガモ」と呼ばれていた。

◆阿知須郵便局の「風景印」にはトモエガモも描かれていました・・・こんなのを見つけると思わぬ宝物を見つけたみたいでうれしくなります。

◆「風景印」のコレクターだったら詳しいだろうけど、全国各地の郵便局で持っているようです。 ヒマな方はここで鳥の名前と郵便局名のカウントをしてみてはいかが?

※ 浜松市内の郵便局の風景印では カワセミ/和地、シラサギ/鷺宮、ヒタキ類?/浜北小林・・・の3点を見つけました。

◆万葉集にも3句見つかりました。
①「あぢの住む 須沙(すさ)の入江の隠(こも)り沼(ぬ)の あな息(いき)づかし 見ず久(ひさ)にして」 
意味は「アジガモの棲む須沙の入江の水の淀んだ沼みたい なんだかため息出そうになるわ 長く逢っていないから

②「あぢの住む 須沙(すさ)の入江の荒磯松(ありそまつ)吾(あ)を待つ児(こ)らはただ一人のみ
意味は「アジガモが棲んでいる 須沙の入江の荒磯松のように 私を待っている人はただ一人だけです

③「あぢ群の とをよる海に船浮(う)けて 白玉採(と)ると 人に知らゆな
意味は「アジガモ群れてゆらゆらと 揺れる海に船浮かべ 真珠を採っていることを ほかの人には知られるな

※結局のところ、「あじがも」と「シマアジ」との関連は見つからなかったわい! 
ということで、探索はここまで! あゝ疲れた~

春と秋にどれほどの数が通過するのか判らないけど、静岡県で見ている限りでは少ないはず! よそではたくさん通過するのだろうか? そうだとしたらその大群をぜひ見たいものです。

その自慢の太眉は後頸部にまで達しています。

人相学では眉の濃いのは知性に溢れており、恋愛には「情熱的・積極的」で「この人が好き!!」と思ったら猪突猛進!! まっしぐら!!! 他には義理人情にあつい、正義感が強い、リーダーシップがある ETC.

短所といえば、欲深い おっちょこちょい しつこい 思い込みが強い ETC.

短所を書いていたら、何だか自分のことを書いてるようで気が滅入ってきたのでここらで止めとこっと。

飛び立つときでも太眉はものすご~く目立ちます。

こんな太眉のダンディを♀がほっておくわけがありません! 
きっと来年も家族連れで来てくれることでしょう。








学力テスト Vol.366-3 新春クイズー3 その解答 ヒドリガモ ~私の彼は Mr. Skarlet~

 ヒドリガモ ~私の彼は Mr. Skarlet~

ヒドリガモは時々こんな頭の形になる時があります。

もちろん頭部の骨格が変形しているのではなく、あくまで羽毛が立つだけですが、シルエットでもわかるくらいに前頭部が出っ張る時があるのです。覚えておくと役に立つこともありますよ。

漢字では「緋鳥鴨」と書きます。元々は「緋鳥」と呼ばれていました。もちろん♂の頭部の生殖羽の色のことです。

「緋色」とは茜の根で染めた色のことで、古来から茜、紅花、蘇芳が赤の三大染料として使われてきました。英名では「Skarlet」となります。

だったら英名は「Skarlet Duck」あたりかな? と思うと、そうではなくて「Eurasian Wigeon」という、よく意味の判らない言葉。「Wigeon」って何のこっちゃ? と、調べてみたらフランス語の「vigeon」から来たもので、どうやらヒドリガモの鳴き声をオノマトペ(擬音語)で表現したものらしいのです。う~ん、これだけじゃよく判らんので消化不良。

♂の鳴き声は口笛によく似た「ピュー、ピュー」で一度聞いたら忘れない声。ちなみに♀の声は「ガ、ガー」と濁った声です。

こちらは♀ 
カモの♀はどれも例外なくシックな装い。

♂のエクリプスが生殖羽へ換羽中。

あと少しで完成です。

こんな変わり種も発見! 

雑種ではなく多分、顔の一部だけが白変したものだと思われますが、イメージがものすご~く変わってしまいます。

ペアが成立しました。♂のホッとした表情が見えるような気がします。

ヒドリガモの♂は雨覆が白いのが目立ちます。


その白さは遠くからでも目立ち、飛翔時の識別に役立つので覚えておくと便利す・・・が、翼を閉じるとその白色部がほとんど隠れてしまうのが面白いですね~。














学力テスト Vol.358-1 ~頭かきシリーズ その8~

 マガモ♂の換羽

渡って来たばかりのマガモの♂

ほとんど♀に近いような「エクリプス」と呼ばれる状態で、尾羽のカールも見当たりません。かすかに頭頂部が薄く緑色の羽毛らしきものがチラチラと見えます。
♀との見分けは嘴の色なので、いれば簡単に見つけられます。

換羽がだいぶ進行中ですが、尾羽のカールはまだ見えません。

右は冠羽を完了している♂です。

顔は完ぺきにマガモになって、胴体の換羽も50%ほど完了!
尾羽中央部の数本のカールはこの時点でもまだ見つかりません・・・ということは、とっておきのチャームポイントは一番最後に残してあるのかな? どうしてこの時期にだけそんな器用なことができるんだろう? 不思議でなりません!!

カモ類の♂は、これから♀の気を引くために「生殖羽」という衣装をまといます。
10月に渡来した時には、かなり多くの♂がすでに一張羅に着替えているので、このようなエクリプスや換羽中の個体を探すのが、なかなかに面白いのです。
それにしても同じ部位に「生殖羽」と「非生殖羽」を季節によって使い分けるなんて、とてもヒトには真似のできない能力!
ヒトよりも遥かに長~~い歴史を持つ鳥の持つ能力は計り知れません!

さてさて、「頭かきシリーズ」のクイズはまだまだ続きます。 今回はその第8弾!!
この4種類の鳥の名前と、頭かきの方法をセットで答えてください。

頭かきの方法 1:直接頭かき 2:間接頭かき

A

B

C

D






学力テスト Vol.334-3 その解答 マガモ

 マガモ


こちらにいるのはマガモの♀たち・・・と簡単に考えてはいけません!
手前は♂のエクリプスなのです。嘴の黄色が識別ポイントだからよ~く覚えておいてください。

今回の主役は♂ 
♂と言えばこの尾羽のカールこそがチャームポイント!

尾羽のほとんどは白ですが、中央部だけが黒緑の構造色です。

こちらは換羽中の♂ですが、まだ尾羽のカールが見えません・・・が、

拡大してみると・・・おおっ! わずかにカールの初期が!!!

きっとこの後まもなく、しっかりとカールしてくるのでしょう。最上段のエクリプス時の写真では、まだその兆候はまったく見られません。

これが完成形
尾羽中央の2対(4枚)のみがカールしています。

こんなお洒落な巻羽を持っているのは、カモ類の中でもマガモだけの専売特許!!


羽根は羽軸、羽枝、小羽枝の3つの構造からできていますが、尾羽の4枚は、その羽軸と羽枝をカールさせることで3次元の立体的な羽根に進化させているのです。


飛んでいる時でもこのとおり! カールした羽毛はしっかりと立っています。
きっと後ろから付いてくる♀の眼には、それがキラキラと眩しく、そして頼もしく写っていることでしょう!



里山では珍鳥


この里山で珍鳥といえば、この『マガモ』君たち。おっと、左はお嬢さんでした。 

右は♂のエクリプス(eclipse)です。日本語で表すと「非生殖羽」。カモ類以外の多くの鳥では、「冬羽」というのがこれに該当します。

エクリプスとは、①太陽とか月の食 ②おおい隠す ③輝きを失う・・・って、いう意味です。

♂は繁殖期の終盤から、「非生殖羽」という、♀と同じような地味な羽根に生え変わります。
そして日本に渡ってきた直後あたりから、また「生殖羽」に生え変わるのです。
要するに、求愛のためにめかしこむってこと。けっこう努力をしてるんだね~


このモヤモヤとした何だかわからない2羽が、♂のエクリプスから生殖羽への換羽中。
この頃だと、♂のチャームポイントであるカールした尾羽が、まだ出ていないけど、写真でわかるかな?


こちらは、もう少しでピッカピカの♂に変身する直前!尾羽もすでに、しっかり装着!


そして、最後にはこんなエレガントな衣装をまとうのです。 

左の♀も「う~ん、もう素敵っ!ホレボレしちゃう~、いい男だわ~」と、満足そうな顔! こうなったらこっちのもん! 恋のアタック開始じゃ~!


冬になると、浜名湖や佐鳴湖などにどっさりと渡ってくるけど、この里山に居つくことはありません。
ホンのちょっと休憩に立ち寄るだけで、すぐに飛び去ってしまいます。

だって、こんな谷の中の環境には恐ろしいオオタカが住んでるんで、うかうかしてたらやられちゃうからね~

ヒマがあったらこちらもどうぞ ⇒ 試してみよう! 記憶力テスト   警戒していたはずなのに

DNAの魔力

マガモ』はオスだけが尾羽の中央の羽が上にクルリンとカールしております。
その羽を拾ったことあるけど何とも不思議な羽です。手で伸ばしてもまたカールしてしまいます。きっとアイロンかけてもダメじゃろね~! 言ってみれば形状記憶羽毛ってやつです。


オスの尾羽


こちらはメスの尾羽

図鑑を見るとオスのエクリプスの時と換羽中にはカールの羽が書いてないので、換羽の後、すなわちメスにプロポーズする頃になってカールしてくるみたいじゃね~!
これは他のカモにはない特徴で、エクリプスの時にカールがないってことは、きっとこのクリリンの羽はメスへのパフォーマンスじゃな?


なかなかのチャームポイントでしょ?


メスにはそんなの生えてこないよ~

エクリプス(eclipse)って何じゃ?・・・だって? もともとは「日食や月食などの食のこと」を意味します。そもそもマガモのこの綺麗な色はメスへのプロポーズ用のお化粧で、要するに繁殖羽! 

繁殖が終わればもう次回まで用がないので自分も地味な目立たない色に変化するのです。
日本に渡って来た頃は、まだエクリプスか繁殖羽になりかかりの頃で、これからダンディな繁殖羽に変化していくのです。
だから渡ってきた頃は「あれっ、オスがいないじゃん!」と勘違いされることもしばしば。微妙に違うけど図鑑とにらめっこしながら覚えてねっ!