学力テスト Vol.396-1 ~ あんた誰?シリーズ  その1~

 ごく 親しい人から「どちらさま?」とか「あんた誰?」と言われた時のショックってどんなだろ? 想像しただけでブルっちゃいそうですね! まあ、自分がそのセリフを先に言うっていうことも無きにしもあらず! というよりも充分にありうる話ですがね。

 そんな話は別にして、今回から「あんた誰?」シリーズも並行していこうかなと思います。おっと「頭かき」のネタがなくなってしまったわけではありません!

 ただ「頭かきシリーズ」ばかりにこだわっていると、その頭かきの瞬間をまだ撮れていない種類で、今が旬の鳥を掲載できなくなってしまうのがもったいない・・・・だけなのでございます。


ではクイズです。

 次の3種類の「鳥の名前」を答えてください。今回は初回なので、きっとどれも簡単すぎるだろうな?と思うものを選別してみました。 きっと1問あたり2~3秒もあれば充分でしょ?! 

A

B

C



学力テスト Vol.395 その解答 ヒレンジャク その3 ~ 恋の架け橋 ~

ヒレンジャク その3 ~  恋の架け橋 ~ 

ヤドリギ
漢字では「宿り木」とか「寄生木」と書きます。

 主に落葉広葉樹に寄生し、寄生された樹木(ケヤキ、エノキ、サクラ、クリなど)は「寄主」と呼ばれます。ヤドリギはヨーロッパや西部・南部アジアが原産地とされており、日本にも昔からセイヨウヤドリギの亜種が自生しています。

 冬でも木々の高い枝で緑の葉が茂るため、昔は神が降りる場所と信じられ、「神が宿る木」とされたことが名前の由来です。

 ヤドリギは、大きな落葉樹の上の方で鳥の巣のような形状で寄生する植物です。その大きさは1m以上にもなるほどで、正確には「半寄生植物」と呼ばれます

 「半寄生植物」とは「根を持たないため、宿主となった樹木から水分と養分をもらい、自分でも葉緑素を持っていて光合成をして育つ」という、ちょっと変わった植物です。

このヤドリギの実こそがヒレンジャクの大好物!!

 ヒヨドリもたまに食べることがありますが、レンジャク類(ヒレンジャクとキレンジャク)ほどご執心ではありません。ネバネバの食感が好きじゃないのかもね?!

ヤドリギの果実は甘いとのこと。
今度ちょこっと試食してみようかなっと!

おっと、さっそくヤドリギのフンを出しました。
鳥の体内を抜けるのには、そんなに時間がかかりません。


 果肉は透明に近い薄黄緑色で粘りがあり、種子はそれに包まれているため、鳥の腸内を簡単に通り抜け、長く粘っこい糸を引いて宿主となる樹上に落ちます。そこから発芽していくのです。

おおっ!! 

 これぞレンジャク類の古名の「しりくさり(尻鎖)」そのもの!! 一度だけですが、こんな写真が撮れました。
 ヤドリギの粘着力の強さが存分に発揮されています。この粘着力ならばレンジャク類によってヤドリギの分布を広げる戦略がうなずけます!

 ヤドリギは他の寄生植物がするように種子を飛ばしたりするのではなく、レンジャク類に食べてもらってその種を運んでもらっているのです。
このようにレンジャク類とヤドリギは持ちつ持たれつの共生関係にあるのです。

ヤドリギの古名は「ほや」
よってレンジャク類も「ほやどり」と呼ばれていました。


 ヒレンジャクの飛翔は目視では早すぎてよくわかりませんが、写真で切り撮ると、ため息が出るほど華麗です。特に尾羽の緋色の部分を広げた一瞬が絶品! さらに下尾筒のオレンジパンツも華を添えてます!!

歌舞伎役者を思わせる顔のメイクや、冠羽もカッケ~!!

ヒレンジャクは東アジアのみに局所的に生息しています。

英名は「Japanese Waxwing

 そして学名も「Bombycilla japonica」で、意味は日本の絹の尾の鳥。どちらの名前も日本の特産種のような意味合いの名前で嬉しくなってしまいます。



西洋では、ヤドリギ(英名:mistletoe)は冬でも落葉樹の中で青々としているため、不思議な力があると考えられ「不死の象徴」とされています。
大切な儀式を行う時には、必ずヤドリギの下で行っていたとのこと。「ヤドリギの木の下でキスをお願いされたら断ってはいけない」とか「クリスマスにヤドリギの下で一緒にいる人にはキスをしてもよい」と言われています。
マライア・キャリーの「恋人たちのクリスマス All I Want For Christmas Is You を はじめ、多くのクリスマスソングの歌詞にも出てきます。(ネット参照)

 あなたもお目当ての彼女をヤドリギの下に誘ってみる? 恋が成就するかも?!!? 
もちろん ヒレンジャクが止まっている木の下で!! 
ではGOOD LUCK!!💛


追伸:大事なものを忘れるところだったわい!

ヒレンジャクは「間接頭かき」
苦し紛れの写真ですが、左足の爪の部分が見えるでしょ?

こちらの写真なら翼越しに「間接」で頭かきをしているのがハッキリ・クッキリと!

 今回、私が撮っていた個体の1m左隣にいたヒレンジャク君が、全く同じ時間に「頭かき」をしたんだって! ギョエ~ こっちを狙えばよかったのか~ グギギギギ~~
 この後しばらく待ったけど、もう頭かきをすることはありませんでした。
たった2秒ほどのチャンスを、ず~っと半押しで待つというのはきつい! 指は固まって動かなくなるし、痙攣するし、ホンマにきついんでっせ~! トホホです!!

 でも、ヤドリギの花言葉は「困難に打ち克つ」「克服」「忍耐」なので、ここでくじけるわけにはいきません!
 今度こそ撮ってくるぞ~~!!・・・ということで、2枚目の頭かきは隣で撮っていた友人からの大事な写真をお借りしました。


















学力テスト Vol.395-5 その解答 ヒレンジャク その2 ~ WANTED ~

 ヒレンジャク その2 ~ WANTED ~

 今、この瞬間にもあなたのそばに来ているかもしれません! ヒレンジャクを探すヒントは木の実!! それをいろいろ紹介していきましょう。

① エノキの実に集まってきました。この時期になると赤黒く熟しています。

こんな細い枝でも全く問題なし!

② ナンテンの実

 我が家にもあるけど、まだ小さい木だし、空の真上からじゃないと見つけられないかな?
おっと、レンジャクの前にヒヨドリが食べてしまうんじゃった!

③ ヤナギの新芽を食べています。

ヤナギは大きな河川敷などにも生えているので、そんなところも要注意です!

④ クロガネモチ (以下の写真もすべて)




クロガネモチは街路樹にもよく使われています。

 他には学校や工場にも! そんなところの電線や民家のアンテナをよく注意して探してみましょう。
 あとは写真では残っていなかったけど ⑤ ピラカンサなどにも!
そのポイントの実が無くなると、すぐに他の実を求めて移動してしまいますので要注意。

 人に教えてもらうよりも、自分で見つけた方が「幸せ~💛」と「シ💛ア💛ワ💛セ~~!!💛💛💛」の違いくらいに「シアワセ度」がぜんぜん違いますぞ!!! 
ではGOOD LUCK!!










学力テスト Vol.395-4 その解答 ヒレンジャク その1 ~ 待ちかねたお客さま ~

 ヒレンジャク その1 ~  待ちかねたお客さま ~

今頃になると渡ってくる、それこそ今が旬ので絶対に見たい鳥!!

まずは、この2枚のピンボケ写真をご覧あれ!
こんな写真でも私にとっては、とってもとっても大事なお宝画像なのです。

これぞ、まだビギナーという湯気がシュルシュルと立ちのぼっていた頃に出会えた鳥。

 自分のハナマル(ライフリスト)の記録をひも解くと「ヒレンジャク」を初めて見たのは、まだ野鳥の会に入って1年も経っていない頃で、見た場所は「自宅」と書いてあります。

 図鑑を毎日眺めていたので、こんな鳥がいるというのは承知していたし「この鳥を見たいな~!、いつ見れるのかなあ~?」と願っていました。

 そんな春のある日、聞き憶えのない鈴の音を鳴らすような声が聞こえてきました。
当時は団地の4階に住んでいたのですが、窓から見たら隣の棟のTVアンテナに小鳥が群がっています。か細い声は間違いなくその方角から聞こえてきます。

 双眼鏡で覗いてみると・・・「ん?んん?? あれは何じゃ? うわわわわ~~~!! ヒ・ヒ・ヒレンジャクじゃ~~!!」 
 何と200羽を超える大群がTVアンテナや電線に止まっているではありませんかっ! 
エサは団地沿いの道路の垣根になっていた赤いピラカンサの実。

 当時の支部長に電話をすると、「ええっ、ホント? すぐ行きます!!」まだ誰も知らない情報らしくて、私が第一発見者!! うっほ~、やった~!!
 ちょうどこの日は日曜日だったので、情報を聞きつけて鳥仲間がひっきりなしに訪れてきたのは当然です。もちろん当時は固定電話しかなかったので、連絡が取れたのは、運よく自宅にいた人だけ!

漢字の表記では「緋連雀」。

まさに電線にスズメが並んでいるようです。
一説では「雀」は「小鳥」の意味ともいわれます。

これだけいると壮観で、見ているだけでウキウキ・ドキドキしてきます!


 思い出のエピソードがあります。
この数年後の春先、自宅の庭にヒレンジャクが来たという長老の話を聞きました。彼はヒレンジャクが去ってしまわないようにと、何とイチゴを買ってきてエサ台に置いたのです! 
「ええっ!そんなのを食べるの?という質問に、ニンマリと笑って「だってイチゴのおかげで1週間もいてくれたのさっ!」だって!

 当時、イチゴは高級果物だったのに、毎日1パックでは足らなくて2パックづつ! 
優しい奥様や可愛い娘がいるというのに、彼女たちには1粒も与えずに、すべてヒレンジャクにやっていたというからすご~い! よく家庭内争議にならなかったね~!と、感心したのを覚えています。我が家だったら「おんどりゃ~、何を考えとんじゃい!」と言われるような、あり得ない話!

 ちょうど今頃がベストシーズン!! おっと、また新たなレンジャク情報が入りました! ブログを書くのなんて後まわしにして、すぐに発進~~!





学力テスト Vol.395-3 その解答 キセキレイ ~ お尻フリフリ ~

  昨日はNHKで「ブレイキン 全日本選手権」の中継があったので、初めてこのダンスをじっくりと見ましたが、20歳のSHIGEKIX君が見事に三連覇! すごいねー ホントに凄かった!! 世界最高峰の「レッドブルBCワン」を2020年に制した実力をまざまざと見せつけてくれました。

 この「ブレイクダンス」については、今まではアメリカの若者たちの物真似をしてるくらいにしか思ってなかったけど、全然違ってて立派なスポーツだということもよ~く理解できました! パリ五輪では金メダルを期待してるぞ~~!!


さて本題!

我が身と比べて、足の短いのはホッとするけど、憎たらしいほどにスマート 
冬は性別が分からないくらいに♂♀がそっくりに。

 文一出版の「日本の野鳥 550」という図鑑は「水辺の鳥」と「山野の鳥」の2冊に分かれています。キセキレイはどっちに入る? 当然ながら水辺の鳥!? いやいや「山野の鳥」に含まれているのです。

 でも袋井市浅羽町のような海岸に近い農耕地でも見かけるので、この区域の分け方は一般的・・・ということで覚えておきましょう。

おもむろに右足を上げて

羽の後ろ側から足を延ばして「間接頭かき」です。

 「キセキレイ」って、ちょっと変わった言葉ですよね! 漢字で書くと「黄鶺鴒」。「鶺鴒」は中国での音読みをそのまま継承したもので、「脊令」すなわち「脊」は脊椎のことで背骨のこと。「令」は「冷たい」とか「澄んだ」という意味を表しています。これらを組み合わせた「脊令」は「背筋がピンと伸びた」という意味なのだそうな。          
                         ー参考 日本野鳥歳時記:大橋弘ー

 英名は「Grey Wagtail」。 Wag(振る)とtail(尾)で尾を振る鳥。

えっ Yellowじゃないの? ・・・残念ながらちょっと違うんだよね~ 

 「Yellow Wagtail」っていうのもいて、これは珍鳥のツメナガセキレイのことなのです。尾が少し短くて、足が黒いから見分けることができます。


亜種の「キタツメナガセキレイ」

 さらに学名も調べてみると 「Motacilla cinerea といいます。属名のMotacilla」は尾を動かす鳥。種小名の「cinerea」は灰白色という意味。ここで英名と繋がりました!

クモを捕食

この時期まで生き残っていたアキアカネを捕食 11/20


♂ 夏羽   3/8
春になると♂の喉が黒く変化します。

♀ 夏   5/25
このガガンボを捕食している♀は、夏でも喉が白いまま。

キセキレイがよく似合う清流をいつまでも残したいものです。

 最後にセキレイ類の別名をご紹介。平安時代の頃から呼ばれた「石たたき」や「庭たたき」と言っていた古語はすぐにわかると思うけど「嫁ぎ教え鳥」については・・・自分で調べてみましょう。書いてもいいけど、それだとすぐに忘れちゃうだろうからねっ!

















学力テスト Vol.395-2 その解答 アカハシハジロ ~ 番長ヘア ~

 アカハシハジロ ~ 番長ヘア ~

 前回、カワアイサの時に紹介した「リーゼント」とか「ポンパドール」のヘアスタイルについての続きです。ここに紹介する「アカハシハジロ」君なくしては語れない話です。


一番後ろが私の大好きな「アカハシハジロ」君 私の付けたあだ名は「Mr. 番長」。
手前のホシハジロ3羽に比べて体もでっかいけど、頭もメチャクチャでっかい!!


 近くで見ると大迫力!ほかのカモ類にない威圧感があるというか、とにかく威風堂々!!
さぞや頭蓋骨も大きいのだろうと思われがちですが、全くの見当違いなのです。

その証拠写真がこちら! 

 あまりこのような形になることはありませんが、たまに頭髪を倒すと面積がガラッと変形! 1年前の「学力テスト Vol.329」で一度掲載しているけど、参考までにもう一度載せます。


種明かしはこのイラスト。「TRACKS & SIGNS 」より
「番長」君は最下段の左から2番目。何と最も扁平型なのです!

 参考までに最下段の左から右へ Mallard(マガモ)・Red-crested Pochard(アカハシハジロ)・Long-tailed Duck(コオリガモ)・Mandarin(オシドリ)の順となっています。

 イラストの中で、一番頭が丸くて高さもあるのは上段右上の Goldeneye(ホオジロガモ)。
これがフィールドで見ると一番アカハシハジロっぽい頭の形!! 
予測ではこのくらいの形じゃないのかな~と思っていたけど、何の何の! ホンモノは何とマガモよりも平べったい頭蓋骨なんだよね~~!!

 参考までに、その他のイラストで日本で見られるカモは上段の左から2つめの Shelduck(ツクシガモ)とその下(中段)のTufted Duck(キンクロハジロ)。

 他のカモは日本では見られない種類なので説明は割愛します。
図鑑でそれぞれの嘴の形を照合すると、当然ながらピッタリと符合するので、興味のある方はチェックしてみてください。


と、言うことは他のカモに比べて頭髪がメチャクチャ長いってこと!


この写真なんて、さらに目いっぱい頭髪が逆立って、左右にも広げているのです!

 もう見事というほかはありません! 年配の方々ならプレスリー、若い方ではヤンキー頭を連想することでしょう。

 ウミアイサ君やコウライアイサ君の「パンク・ロックヘア」も、ものすご~くカッコよくて大好きだけど、頭髪だけでこれだけの迫力あるパフォーマンスができるのは他に見当たりません。きっと彼はこの毛髪に、ものすご~く進化のエネルギーを費やしてきたのでしょう。


まるで怒りの血管までも浮き出ているかようなヘアスタイル!

 まさに「リーゼント」や「ポンパドール」を通り越した「番長ヘア」なのです。
この頭をなでなでと触りたい~~!! そして頭頂部に指を突っ込んでみたい~~!!


最後になりましたが、頭かきはカモ類定番の「直接型」です。




学力テスト Vol.395-1 ~ 頭かきシリーズ その41 ~

 今頃は二十四節季でいうところの「立春」。待ちに待った春ですよ~~ 早春の花などに来る小鳥たちを狙うのが定番ですが、今年はロウバイに来るのを挑戦してみたいな!

マンサクとジョウビタキ♀

ウメにメジロ

さてさて、クイズです。

次の3種類の「鳥の名前」と「頭かき」の方法をセットで答えてください。今回はどれも簡単すぎるだろうな? きっと!

頭かきの方法 1:直接頭かき 2:間接頭かき

A

B

C