学力テスト Vol.500-3 ハシジロアビ その2 ~ 3000㎞の魔力 ~ 

 ハシジロアビ その2 ~ 3000㎞の魔力 ~

英名では「White-billed Diver」、アメリカ英語では「Yellow-billed Loon」といいます。今回はバードウォッチングの発祥地である英国に敬意を表して、英名のお話を。

White-billed」すなわち「白いクチバシ」は和名の「ハシジロアビ」の由来となっています。「Diver」は「潜水夫」のことで、名前のとおり潜水が得意で長い時には3分以上も潜り、はるか50100mも離れた場所に浮上したりします。通常は5~20mほどの深さを潜りますが、時には60mも潜ったという記録もあるようです。

浮かんでいる時はゆったりと

獲物を探索中

おおっ、見っけ~

波を立てずに、静かに潜水開始!

カモ類と違って、足は体の後ろに付いています。

参考までに、類似種のシロエリオオハムの足の位置

この「芭蕉紙うちわ」のようなバカでっかい見事な水かき!! これが最大の武器です!泳ぐスピードは5~10kmと言われています。

他には ◆骨が比較的重く浮力が小さい ◆羽毛の間の空気量を調節できる ◆血液中に酸素の濃度を蓄える能力が高い・・・エトセトラ。要するに潜水に特化した重量級潜水艦なのです!!

何やら大物をくわえて浮上!

どうやら「シタビラメ」の仲間のようです。

くわえ直して

頭部をガッチリとくわえて弱らせます。

シタビラメ・・・調べてみたら「クロウシノシタ」とか「アカシタビラメ」のようです。海底でジッと潜んでいたのに見つかってしまい、ガブリッと噛みつかれて彼の運命はここまで!
静かにしていたのに、急に地獄行きなんて! たまったものではありません!

今年の3月中旬に見た冬羽

同じ個体かどうかは判りませんが、6週間後に見た個体

まるで別種のような、息をのむ美しさ! 
撮るのも忘れて見入ってしまいます!・・・と言いながら、しっかりと撮影!!

直接頭かきも撮れました。当然ながらハナマルです!


そんな或る日、友人から連絡が入りました。
「アレってまだいる?」
「ん、んん? まだ行ってなかった?」
「ちょっと鹿児島にいるんで、これから行くつもりだけど大丈夫かな?」
「か、鹿児島~~?!?!」
「そう、25年前に見たのよりキレイって聞いたんで、ちょっと行こうかなと・・・」
「・・・」唖然として声が出ません。

鹿児島から現地までは1500㎞あります! 飛行機なら2時間ほどで現地に。新幹線を使っても9時間! それを彼は「じゃあ、行くべえ!」と、何と何と車を飛ばして来たのです!

無事に撮影後、彼は「ほんじゃ、まだ用事が残ってるんで」と、鹿児島へ戻っていきました。





これが3000㎞の旅をさせた魔力の鳥なのです! 
まあ、そのくらいの価値は充分に持っているんだけどネッ!! 
まだいるならまた行ってみようかなっと!











学力テスト Vol.500-2 ハシジロアビ その1 ~ とにかく でっかい ~ 

 ハシジロアビ その1 ~ とにかく でっかい ~

ハシジロアビ 冬羽 3月撮影

かなりの珍鳥ですが関東以北で出ることが多く、この辺り東海地方ではノーチャンス!
「どうか振られませんように・・・」と、おそるおそる出掛けて、ようやく見ることができました。やった~~!!

手前はヨシガモ君たち
ハシジロアビ君がいかに大きいかが判ります。
国内で見られるアビ科 4種の中でも断トツにでっかいです!!

食後にウトウトとお昼寝タイム

ちょっと離れたところでパタパタをしてくれました。

あずき色のお目目がちっちゃくて可愛い~~!

クイズの夏羽と違うじゃん!って?!?!・・・まあまあ、それは次回のお楽しみ。








学力テスト Vol.500-1 頭かきシリーズ その111

 今年もクレマチスが見事に咲いてくれました。花のピークが終わったら、次は挿し木の作業が待っています。

挿し木で増やすのはそんなに難しいことではなく、万が一お気に入りの品種が病気などで枯れてしまった時に、その子孫を残しておくという、とっても大事な作業なのです。

クレマチスも毎年のように新品種が売り出されるけど、我が家で咲いてくれるこれらの銘花はいつも売り出されているわけではないので、挿し木作業でこの美しさを維持しなければなりません!!

メイヤー・イサオ

アンドロメダ

美佐世

ワルシャワ・ニケ

ついでにお気に入りのバラ・・・どれも銘花をご紹介。
※「銘花というのは「名花」に比べ、特に「優れた名品」というニュアンスをこめての表現です 

ジュビレ・デュ・プリンス・ドゥ ・モナコ

マチルダ


さてさて本題。学力テストの500回目を飾るにふさわしい記念すべき鳥はこれ!

この鳥の ①名前 ②頭かきの種類 の2問について答えて下さい。
頭かきには「直接頭かき」と「間接頭かき」の2種類があります。





学力テスト Vol.499-2 ハイイロガン ~ 祝 1周年 ~ 

 ハイイロガンというのは、かなりの珍鳥! 今日現在で国内で見られるのは、もしかしたらこの個体だけではないか?と思われます。

珍鳥というのは普通に考えると、そう長期間は見られない鳥!・・・の筈なのに、浜松のハイイロ君は1年が経過してもまだ滞在しているのです! ホントです!!

浜松へ初渡来(2025.5.9)した翌日に撮影
もちろん、静岡県初記録でした!!

こちらは最近撮ったもの 2026.4.20

どこかケガをしている? いえいえ、そうではありません。しっかりと毎日、休息場所と食事場所を往復して飛び回っています! では体調不良? いえいえ、そんなこともなさそうです。もしかして何事にもおっくうな、めんどくさがり屋? う~ん、何とも言えません。

ハイイロガンはユーラシア大陸に広く分布していて、2亜種に分かれています。

日本では2亜種とも馴染みがないけど、ごく稀に観察されるのは学名が「Anser anser rubrirostris」という亜種で、英名ではEastern Greylag Goose」と呼ばれています。いわば「東方型のハイイロガンです。これが今回のハイイロ君。

片や、ヨーロッパで普通に見られるのは、学名が「Anser anser anser」という亜種で、英名は「Western Greylag Goose」、和名を「キバシハイイロガン」と言います。こちらが「西方型で、ご存じのとおり、家禽の「ガチョウ」というのはこのキバシハイイロガンをベースとして作られました。

東方型ハイイロガンの繁殖地というのは中国北部やモンゴル、ロシアなどです。そこでの気温は10~20℃という涼しい高原地帯で、もちろんエサも豊富です

昨年の浜松市は異常高温の日が多く、最も暑かったのは 8月30日でした。4月に気象庁が新しく設定した「酷暑日」という予報用語よりも「激暑日」という方がピッタリの、何と何との40.2 ℃ !! もう、やってられませ~ん! こんな日に鳥見なんてオバカの極み!!

大型のハイイロガンは寒さにはめっぽう強いのですが、暑さには弱いというのが定説です。なのに、この子はそんなクソ暑い浜松を離れることなく、とうとう1年が経ってしまったのです。何故? 理由はわかりません。まだ彼女に興味がないのかな?

2025.10.29 撮影

一度だけ渡るチャンスがありました! それは昨年10月下旬のことでした。何と1羽のマガンが迷行してきたのです。そして写真のように一週間ほどハイイロ君と昼も夜も仲良く一緒に行動していたのです。

よし!これなら絶対に近いうちに一緒に渡っていくぞ~! 誰しもが、そのように思ったのですが・・・何と何と、マガンだけが飛んで行ってしまったのです!!!

えっ、ええ~~っ! そんなことってあり? どちらがお断りしたのかは本人たちに聞いてみないと判りませんが、首をひねるばかりです。もちろん、そんなだから3月になってカモや冬鳥たちが渡って行ってもハイイロ君は一切お構いなし! 一人悠然と孤独を楽しんで現在に至っているのです。

今日ものんびりと直接頭かき

冬に宮城県の伊豆沼に行くとマガンがごっそりいるけど、彼らはヒトや捕食動物の動きに敏感で、ものすごく警戒をしています。100mで警戒注意報を発令! それ以上近づくとすぐに飛んで逃げてしまいます。当然のことながら、彼らはヒトを全く信用していません。過去に狩猟対象とされてひどい目に合っているからです。

集団で採餌する時には必ず見張り役がいて周囲に注意を払っています。ファミリーだけの少人数の場合も同じです。そして少しでも危険と判ったらすぐに仲間に発令!! これは視界の広いところで食事をするという彼らの食生活の中で、生き残るための欠かせない行動なのです。

ハイイロガンももちろん警戒心はありますが、マガンほどではありません。これは過去に長い間、ヒトと近くで暮らしてきたことと関係しているのかも?

マガンは「まずは逃げて安全を確保する慎重型」なのに対して、ハイイロ君は「とりあえずは様子を見てから行動するおっとり型」、のようにみえます。

1986年撮影
40年前に愛知県の渥美半島で遭遇したハイイロガン。
この時も警戒心はかなり薄かったように感じました。

今回のハイイロ君も、ヒトへの警戒心がほとんど無いと言っていいくらい。

こちらがジッとしていると、どんどん近寄ってきてしまいます。
「おいおい、それ以上来たらフレームからはみ出しちまうぞ~!」

種子を食べるのに夢中で、ヒトなんてまるで眼中に無し?!

2時間ほど掛けてようやく食事が終了
満腹になったかな?

朝食を終えたら、一旦はお気に入りの中州で一休みのために飛び立ちました。

体が大きいので迫力は満点!

ほれほれ、僕ってどこもケガなんてしてないぞ~

さて、こうなったらいつまで浜松の住民でいてくれるのか、ギネスに挑戦~~!!













学力テスト Vol.499-1 頭かきシリーズ その110

 

4月末頃からあちこちで飛び回っているのを見かけるようになりました。
まさに初夏のチョウ!!

そして、昨日は休耕田でギンヤンマを初認!!

どちらも暦どおりの時期に発見できました。


さて本題。

この鳥の ①名前 ②頭かきの種類 の2問について答えて下さい。
頭かきには「直接頭かき」と「間接頭かき」の2種類があります。






学力テスト Vol.498-2 その解答 アカヒゲ ~ わんや、かなさんど~ ~

 アカヒゲ ~  わんや、かなさんど~  ~

アカヒゲ オス

今回紹介するのはこのように腹部に黒斑のあるタイプで、奄美群島や男女群島に生息しています。
※沖縄本島とその周辺には「ホントウアカヒゲ」というよく似たのがいますが、これは腹部に黒斑がなく、以前は亜種とされていましたが、現在は全くの別種扱いとなっています。

「奄美自然観察の森」に行くと、アカヒゲの密度が濃くて、駐車場に着いた途端にアカヒゲの声が聞こえてくるので「おおっ!」と。ワクワク!


・・・が、そう簡単に見られるほど甘くはありません。森がかなり深くて、なおかつ薄暗く、アカヒゲもコマドリ同様に暗いところを好むために、このような美しい色をしていてもなかなか見つけられません。
まあ、だから見つけるまでいっそうワクワクドキドキ・・・ワクドキの鳥なんですけどネ。

繁殖期なら「どうでい! オイラの声って魅力的で美しいだろ?」と、縄張りの中で、よくとおる歌声で競い合っているので、根気よく探せば必ず見つけられます!

その鳴き声はコマドリのようなシンプルなメロディではなく、もっともっと複雑で「七色の声」とも呼ばれているのです。「南国のフルート奏者」と名付けてみたけど、いかが?

Bird Research アカヒゲ
https://db3.bird-research.jp/saezuri/birdsong/detail/163

オス

メス

この日は数回メスが水浴びに来ました。多分、抱卵中と思われるので、もしかしたらダニなどを気にして落としに来ていたのかもしれません。

間接頭かき メス

鳥はなぜこのように美しいのでしょう。それは鳥もヒトと同じように色の識別ができるからなのです。
いえいえ、それだけではありません! 何と鳥にはそれ以上にヒトが見えない紫外線色域まで見えているのです。

ヒトは光の3原色である「赤・緑・青」を見分けることができます。それに対して、鳥類の多くは4原色「赤・緑・青+紫外線域」を見分けることができると考えられています。

「紫外線域」が見えるという事で、パートナー探し、エサ探しなどに役立っています。メスはオスの羽毛への紫外線の反射を利用して、健康状態が良いか?などの判断材料にしているのです。

オスの色彩が美しい理由・・・それはひたすらメスに自分をアピールするためです。メスに選んでもらえないと自分の子孫を残すことができません。そのために、ひたすら美しくありたい!!と努力して進化した結果なのです。


オスのさえずりは縄張りの主張と共に、もっともっと大事な仕事がラヴソング!
「わんや、かなさんど~~」と歌っているのです!!
何のこっちゃって? これは奄美の言葉で「僕は君のことが大好きだよ~~」と歌っているのです。彼の歌声がそんなふうに聴こえてきませんか?



アカヒゲ  画:田中一村

P.S.   奄美には、かの有名な「田中一村記念美術館」があります。ぜひ、ここにも立ち寄ることをお勧めします。ただし、有名な画の数々は全国各地の美術館を巡回していることが多いので、それをお目当てに行っても見られませんけどネ!