学力テスト Vol.394-2 その解答 カヤクグリ ~ 夫が二人 ~

 カヤクグリ ~ 夫が二人 ~

 漢字では「萱潜」または「茅潜」と書きます。はるか昔の室町時代からそのように呼ばれていたとのこと。

 「萱」や「茅」とはイネ科のススキ類の総称で、この場合は藪や茂みのこと。「潜」は「もぐる」の意味です。冬に藪の中によくいることから名づけられたようです。

英名は「Japanese Accentor」

 「Accentor」とはイワヒバリ科のことで、このカヤクグリは日本特産種なので頭に「Japanese」が付いているのです。というわけで、外国人BIRDERにとっては超魅力的な鳥のはず!


 浜松から一番近くて、繁殖期にカヤクグリを観察できるのは富士山の亜高山帯。「チュリ チュリ チュリリリ~」などと澄んだ声で囀ります。


 一般的に鳥は一夫一婦制ですが、ここで注目すべきはカヤクグリは「一妻二夫制」が多いということなのです。
 正妻ならぬ正夫以外にもう1羽の夫がいて、給餌協力をするんだそうな! 

 もしも選んだ正夫が「ケッ 子育てなんてやってらんね~」などというダメ男だったら、やっぱりもう一人欲しくなるというのを見越して昔から実践しているのかな?!
 賢いといえば賢い選択! それだけ妻に魅力や権力があるということなのでしょうか?!

「頭かき」は、あっと言う間の瞬間で奇跡的に撮れました!

写真ではわかりにくいけど、もちろん「間接頭かき」です。




学力テスト Vol.394-1 ~ 頭かきシリーズ その40 ~

  夫婦の会話の平均時間って聞いたことありますか? 約45%が30分未満なのだそうな! そのうち10分未満というのも21%なんだって!! 言い忘れたけど、これって一緒に暮らしている一日の中の話ですぞ! あいや~、なかなかスゴイ記録ですね~

 会話をする時間はあるのに、話しかけてもろくすっぽ話を聞いてくれない、TVやスマフォを見つつ「はぁ~」とか「ふ~ん」とかうわの空で「ながら返事」をする人が多いんだって。

 そんな夫からすれば、きっと妻の話声はBGMか、お経のようにしか聞こえていないのでしょう。ましてや大事な話をしているときに百年の恋も冷める音を出すなんてもっての他!!

 夫婦で大切な話し合いをする際にはお互い向かい合い、ちゃんと相手の目を見て話し合うようにしましょ。ゲゲ~ッ、そんなの今さら恥ずかしくて、できっこね~じゃん!って? 大丈夫だってば! アンタだって若い頃は奥さまの目を見て囁いた経験があるでしょ?!

 そういうお前んとこはどうなんだって? ・・・我が家は2人とも元々無口なタイプのため、最初から会話の少ない静かな生活なのです。でもツーと言えばカーだし、アイコンタクトも繋がってるから、大丈夫! たぶん大丈夫!! いや、きっと大丈夫のはず?!?!

 「飯~!、風呂~! 寝る~!」の3つの決まり文句しか言わない人が旦那様だったらどうします? もし私がそれをやったら「飯は呼んだらすぐ来いっ!、風呂は自分で沸かせ~! 勝手に寝ろ~、もう帰ってくんな~~!!」と言われることでしょう! 

 この言葉をよその人が聞いたら「なんとまあ、虐げられていて可哀そうに・・・」と思いきや、実は違うんです! 少々 物言いはキツイけど、そんなことは慣れちまったらどうってことはありません。しっかりといつも気にして、思いやってくれている証拠なのです! 言われてる本人が言ってるんだから間違いなし!!・・・・と、あくまでポジティブに自分に都合よく思わないとネ!

 妻に気に入られる・・・おっと間違い! 平和な家庭を築くための夫の心得とは何ぞや?・・・もう今更の話で思いつかないので、調べたら出てきたのが下記。これぞ夫婦円満の極意ですな!

1.お互いの考え方を尊重する 2.お互いのプライベートな時間を持つ 3.思いやりや感動を忘れない 4.記念日を忘れない

今年に限らず、これから皆様が平穏な生活を望むのなら、この中からせめて3つくらいは実行しましょ!


さて本題!新春 第2弾のクイズです。

次の3種類の「鳥の名前」と「頭かき」の方法をセットで答えてください。今回はどれも簡単すぎちゃったかな?

頭かきの方法 1:直接頭かき 2:間接頭かき

A

B

C


学力テスト Vol.393-4 その解答 コウライアイサ ~ 日本初記録 ~

 コウライアイサ ~ 日本初記録 ~

 朝日新聞に「コウライアイサ 木曽川に飛来 日本初記録」という記事が載ったのは19862月の或る日のこと。

 うわわ~っ、超刺激的なフレーズの「日本初記録」とあっちゃあ、行かないわけにいきません。しかしながらポイントは「木曽川の川島町」と書いてあるだけで、それ以上の情報はありません。

「行きゃあ、なんとかなるべ~! 行け行け、行っちまえ~」と、私しゃO型じゃないのに、今にして思えばかなり大雑把で大胆な決断! 翌朝ビュ~ンとすっ飛んで行きました! もちろん緊急病欠の有給届です。

腹部のうろこ模様が大事な識別ポイント!

 さて、現地付近に着いたものの、何と誰もいません! ・・・川幅が500mもあろうかという大きな河川です。堤防を走れば鳥屋が誰かいるだろう、誰かが自分と同じように新聞記事を読んで来ているだろう・・・そんな甘い考えは見事に打ち砕かれました! ゲゲッこんなはずじゃなかったのに~~ それでもあきらめずに探すこと2時間ほどで、何とか神様が味方してくれました! 


 そして100mほどの距離があったものの見事にゲット!! スコープで腹部のうろこ模様を確認できました! 
 今にして思えば、新聞記事以外の情報もなく、携帯もない時によくぞ見つけたものです! 

 コウライアイサは東アジアのみで観察される世界的な超稀少種で、当然ながら絶滅危惧種!!   今後生きてるうちに見られるチャンスは2度とありません!!・・・行くと決めたのは、当然と言えば当然のことだったのですがね!

 それからコウライ君との出会いは何回かあったものの、いずれも距離は遠く、いつも撮れずに指をくわえているだけでした。

 ひどい時は200m以上もあったのに、こちらがチラッと動いたら、その気配を察してササーッと逃げる始末! だから今回のように100mを切った距離で撮れるなんて天国に昇るようなルンルン気分!

カモ類の例外にもれず、「直接頭かき」です。

飛ぶ姿も優雅 うっとりして撮るのを忘れそう!

手前はカワアイサの♀

 コウライとは「高麗」のことで、もちろん朝鮮王朝のことで、漢字では「高麗秋沙」と書きます。越冬地が中国東部や朝鮮半島ということで知られています。   

 英名は「Chinese Merganser」または「Scaly-sided Merganser (腹部にうろこ模様のあるアイサ)」で「Merganser」はカワアイサやウミアイサと同じ仲間のこと。

  •  学名は「Mergus squamatus」 すなわち「鱗模様のアイサ」です。
  • 属名の「mergus」 は、アイサ属のことで「少し沈んで泳ぐ海鳥
  • 種小名の「squamatus」は鱗で覆われた という意味です。

  • 静岡県では2000年に富士川で♀が確認されたことがあるので、ひそかに天竜川での初記録を狙っているのですが、まだその夢は叶っていません。いつかはきっと・・・!






学力テスト Vol.393-3 その解答 ビンズイ ~ これもセキレイ ~

 ビンズイ ~ これもセキレイ ~



 セキレイというと、思い浮かぶのはハクセキレイ、セグロセキレイ、キセキレイで、これら3種類は「セキレイ科」の中の「ハクセキレイ属」です。


 セキレイの仲間とは思えないけど、このビンズイ君は同じセキレイ科でも「タヒバリ属」の仲間です。

 分類学の基礎を作ったのはリンネというスウェーデンの博物学者で、現在の学名の基礎である「二名法」を発案し確立しました。

 ラテン語で表現する学名(すなわち種名)は「属名」+「 種小名」の二部構成で表しています。これが「二名法」です。

 この名前によって、ビンズイがセキレイの仲間であることを表現でき、さらに属名が違うので、同じセキレイ科でもハクセキレイなどと属が異なることを表しているのです。

◆セキレイ科(Family Motacilidate) の中には「Motacilla」属(ハクセキレイ属)とか「Anthus」属(タヒバリ属)などがいます。

◆ビンズイの学名は「Anthus hodgsoni 」 すなわち ホヂソンのセキレイ
属名:「anthus は「セキレイ」のこと。
  • 種小名:「hodgsoni」 はドイツの鳥類学者のホヂソンのこと。

  • ◆ハクセキレイの学名は 「Motacilla alba」で、意味は白いセキレイ
  • 属名:「motacilla 」は尾を動かす鳥のこと。
  • 種小名:alba (adj) 白い (albus) 

  •    この属名によってビンズイとハクセキレイが同じセキレイ科でも異なる属に分類されていることが分かります。
  •    
  •    どうして学名にこだわるのかって? 
  •    そもそも学名というものは世界共通でどの国に行ってもこの名前だけは通用するからなのです。
  •    単に図鑑の種名の下に斜体でおまけのように書かれているわけではありません。
  •    
  •            例えばビンズイのことを調べると、ある図鑑では英名は「Olive-backed Pipit」すなわち「背中がオリーブ色のタヒバリ属」と書かれていますが、別の図鑑では「Indian Tree Pipit」となっていました。
  •    これでは同じ鳥なのかどうかが分かりません。でも学名は一種について一名称しかなく同じなのです。これからは種名の下に書かれている学名にもチョコッとだけでいいから注目してみましょう。
  •    そうすれば、いずれ多少なりとも馴染んでくることでしょう。
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     美  ビンズイっていう和名もちょっと変わってますよね! 漢字では「便追」とか「木鷚」と書きます。・・・はぁ? それじゃぜんぜん意味がわかんないって? そりゃそうだ!

 実は和名の由来は、鳴き声の「聞きなし」からきているのです。ネットでその美しい鳴き声を検索してみてください。聞けば納得しますぞ?!

ビンズイ君は「間接頭かき」

夏になると標高の高いところへ移動します。
ここは表富士5合目付近。


 駐車場から見下ろしたら、すぐ近くで気持ちよさげに歌ってました。
こんなで避暑地で繁殖して、冬になると浜松などへも戻ってくるのです。
今年も元気な子がたくさん産まれたかな?







学力テスト Vol.393-2 その解答 オジロトウネン ~ シックで控え目だけど、ちょこっとだけ珍鳥 ~

 オジロトウネン ~ シックで控え目だけど、ちょこっとだけ珍鳥 ~

英名は「Temminck’s Stint」

「Stint」とは「Sandpiper」と同じく、小型のシギのことを表します。
英名の由来は、学名の「Calidris temminckii」すなわちテムミンクのシギ。
temminckii」はオランダの分類学者の名前をとったものです。


 日本で見られるスズメほどの大きさのシギ類で、トウネンの名前がつくのは3種類だけ。
「トウネン」ほどの数がいるわけでなく、ちょこっとだけ珍鳥。
「トウネン」は旅鳥で春と秋にしか見れませんが、こちらは越冬する個体もいるので冬でも見ることができます。
 ただし、ほとんど目立たず、控えめに目立たぬように暮らしています。・・・まるで我が身を見ているよう!
探す時には、端っこで固まっている場合もあるので見逃すことのなきように要注意ですぞ!


 幼鳥の雨覆の白い羽縁の内側には、「黒くて逆Eの字型」の模様があります。
もっとわかりやすく覚えるなら「イカリ模様」。そう、船の「錨」です。似てるでしょ?

 これを「サブターミナルバンド」と呼びます。今回はこの呼び名を覚えておきましょう。
数種類のシギに出ます。
ちなみに、一番外側の白い羽縁(外縁)のことは「ターミナルバンド」といいます。

参考までに、コオバシギの幼鳥にも「サブターミナルバンド」がくっきりと出ています。

羽伸ばしをしてストレッチ う~ん気持ちよか~~!!

尾羽に注目!! 左右の外側の2枚は白です。
これが和名の「尾白当年」の名前の由来。
「オジロトウネン」・・・これを略して「ジロネン」と呼ぶ人も。

「当年」というのは「この年の生まれ」という意味で、「1歳児のように小さい鳥」ということから名づけられました。

ピンぼけでも「直接頭かき」の証拠写真としては何とか使えそう!
次回のチャンスにはハッキリ&クッキリを撮ることに!

 最後に一言! 地味な鳥のことを「地味~!」と言ってはいけませぬ! あなたに語彙力があり、なおかつ鳥のことを愛しているなら、ここは是非「シックな色合い」だとか「ハイセンスな配色」と言い換えましょう。

 今でこそ「ファッションセンター しまむら」は、けっこう粋なファッションを売っていますが、かつてはジジババが通う安価で地味な服ばっかし! 

 でも現在では、デザインにパリやロンドンのトレンドを取り入れているということで、ピチピチの若い娘がそんな服を着ると、ハイセンスな乙女に変身!・・・ということで、若者にも人気の店になっているのです。
 ちなみに、しまむら」で購入したもの全身のコーディネートを整える人を「しまラー」と呼ぶんだそうな!!

 さてさて、そんな「しまむらファッション」をあなたが着ると、周りからの評価は「げげ~っ、じみ~、じみすぎじゃん! それじゃ、オバンみたいじゃん!」と言われるか「わお~、すっごくシックでいいね~」と褒められるか、どっちかな? 
ジジババよ、もっと自信をもって着こなそうぜいっ!! ヒトは中味で勝負じゃっ!!












学力テスト Vol.393-1 ~ 頭かきシリーズ その39 ~

 今年はどんな鳥たちとの出会いが待っているのでしょうか? と言いつつ、すでに超のつく珍鳥と出会ってきました。近いうちに、その「頭かき」をご紹介!

さっそくですが、新春 第1弾のクイズです。

 次の3種類の「鳥の名前」と「頭かき」の方法をセットで答えてください。今回は簡単すぎちゃったのもあるかな?

頭かきの方法 1:直接頭かき 2:間接頭かき

A

B

C




学力テスト Vol.392-4 その解答 チュウヒ ~ Mr. Harrier ~

 チュウヒ ~ Mr. Harrier ~

「チュウヒ」という言葉自体が聞き慣れないのに、漢字で書くと「沢鵟」。う~んさらに意味不明に! 

「鵟」は「ノスリ」と読みます。よって「沢に棲むノスリ」。この場合の「沢」とは水が浅く溜まった所、または草木が生えている湿地・・・という意味です。

虹彩が茶色なので幼鳥。

チュウヒはアシ原のある河川敷、沼沢地、湖沼、干拓地などで、主としてネズミ類や小鳥などを捕食します。

こちらも幼鳥

成鳥 足はうらやましいほど長いです。

何と何と、この個体の右足には足環がついていました。

チュウヒは個体の色変化がものすご~く多い鳥。

私の友人に「チュウヒ大好き」・・・というよりも「チュウヒ・フリーク」がいるのですが、干支に関係なく毎年「チュウヒ」の年賀状を送ってくるのです。そりゃもう徹底しているので、かえって好感が持てます。やはり色変化に惹かれるのだそうな!

今まで見た中で、もっとも美しいチュウヒがこちら!

翼下面が真っ白です! 
このような個体は、以前は一般的には「大陸型」と呼ばれていました。

 ヒトは飛行機などによく鳥の名前を付けました。特に戦闘機には Eagle(イヌワシ)、Falcon(ハヤブサ)、Goshawk(オオタカ)など猛禽類の名前が多く付けられています。

 「チュウヒ」は英名では「Eastern Marsh Harrier」と言います。
動詞の「harry」には「敵や獲物を執拗に攻撃する」という意味があります。

 この「Harrier」で思い当たるのは、英国の戦闘機で「垂直離着陸戦闘機  ハリヤー」。
アシ原すれすれを浅いV字型で飛んで、獲物を見つけるとスッと舞い落ちる・・・そんな行動からこの戦闘機も命名されたとのことです。











学力テスト Vol.392-3 その解答 ヒメハジロ ~ Mr.マンセル君 ~

 ヒメハジロ ~ Mr.マンセル君 ~

 昨年のワールドカップでも恒例のごとく、いろいろなヘアースタイルの選手が登場して、そちらも目が離せず面白かったですね! 

 彼らにとっては技を見せることも大事ですが、名前を覚えてもらうことも大事! だから長友選手の赤いおかっぱ頭も、彼の「ブラボー」発言と共に後世に残ることでしょう。

 さて、皆さんは年頭に当たって「年間計画」または「年間目標」なるものを立てていますか? そんなもん無い無いって?! あなたね~、目標のない生活なんて、つまんないし、ましてや老人にとってはこれ以上危険なことはありませんぞ!! 

 ただ、のんべんだら~りと生活するってことは、ただ息をしているってことと同じで、全く張りがなく緊張感とも縁遠く、ボーッとして生きているということなのです! だってその方がストレスがなくていいじゃん!・・・ですって??! 

 ダメダメ~、脳細胞が日々 音を立てて崩れ、激減しているっちゅうのに、その自覚がないなんてアンビリーボーですっ! そんなんじゃチコチャンに叱られちゃいますぞ!

 そういうお前はなんかあるのかい?って? よくぞ聞いてくれました。私の目標は「ライフリスト・頭かき版」で「今年こそ大台への達成年とする!」なのです! でへっ!!


さてさて、2023年の最初を飾るのは、何をさておき「ヒメハジロ」君しかありません。

そこで、またまた出ました お宝映像!! (宮古市 1989年)

 一見するとピンぼけに見えますが、当時の機材ではこれが精いっぱいでして、後生大事に残してありました。


まさかまさか、あれから30年以上も経った今頃になってヒメハジロ君に遭遇できて、しかも頭かき写真が撮れそうだなんて!?!
この鳥だけはアメリカにでも行かなきゃ撮れっこないと思っていたのです!
しかも完璧な成鳥の♂だって!! こりゃ何が何でもすっ飛んで行くしかありません!!

おっと~、さっそく頭かきを始めてくれました!
でもこの後ろ向きの角度じゃ、ちょっとね~

その後、待つこと1時間余りで、ようやくこちら向きで敬礼をしてくれました!

「あれっ、やけにアイツから視線を感じるぞ~」と言いたそう。

頭かきに使う足はこんな感じ 
さすが潜水ガモだけあって見事な水かきです!

潜水直後の尾羽だけ!


 水中から浮上してきた瞬間を撮れば、どんなのを食べているのかがわかるだろうと思ったけど、とうとうわからずじまい。
資料によればエサは甲殻類や軟体動物、小魚らしいけど・・・。


 漢字では「姫羽白」と書きます。「姫」とは「ヒメカモメ」や「ヒメハマシギ」と同じく、その仲間の中で最も小さいという意味で、日本で見られるカモ類では最小なのです!

 コガモを間近の公園などで見ている人はわかると思うけど、あれよりも小さいのです。
もう可愛いのなんのって!
 
 可愛らしく見える条件としては、ヒトの赤ちゃんが参考になります。あの3頭身くらいの頃のヨチヨチ歩きの幼児の可愛いことといったらありません!! まさしくあれです!
ヒメハジロ君のフォルムを見ると、頭が大きいことが可愛さに拍車をかけているようです。

 ラテン語で表す学名は「Bucephala albeolaで「少し白い大きな頭の鳥」。 
属名の 「bucephala」とは「牛の頭のこと。
そして種小名の「albeolaは「少し白いという意味です。


 頭の白い部分が半分を占めているので、少し白い・・・だなんてことはありません。
それと後頭部で黒い部分が尖って出っぱっているところも、さりげなくお洒落です。
・・
 ついでに書くと「Bucephala」はホオジロガモ属のことで、国内ではお馴染みのホオジロガモと同じ仲間です。ヒメハジロ君の次列風切から雨覆にかけての白さはホオジロガモとまったっく同じ配色!

 そして最後に、特筆すべきはヒメハジロ君のヘアファッション!! これがスゴイのです! 参考までに東洋区の美麗種代表として「ヨシガモ」君にも登場していただきました。


 ヨシガモ君の見事なナポレオンヘッドが構造色でキラキラと美しく輝くのは見慣れた風景ですが、相手が北米代表の「ヒメハジロ」君だと、ちょっと勝てそうにありません。


 曇っているときは、ただの白黒の頭なのに、ちょっとでも太陽が顔をのぞかせるとキラキラと虹色に輝き始めるのです!



今回 載せた写真では、その美しさがほとんど表現できていないのが残念でなりません。
我が身の腕と機材を呪いたくなります。


 その美しさが見事に表現されている大切な写真を、友人から1枚だけ拝借してきました。
皆さまに見せたかったのはこんな写真なのじゃ~っ!

 黄緑・緑・濃緑・青・青紫・赤紫・紫などが複雑に繋がって、これだけの色表現ができる構造色を持ったカモはいないのでは?
それはそれは見事で、ため息が出てしまいます。ホントにうっとりです! 

 別の表現で言うと「マンセル表色系の色見本」というのがありますが、この立体図がヒメハジロ君の頭そのものズバリを表しているといっても過言ではありません。
※何のこっちゃ?という方はネットで「マンセル表色系の立体図」をご覧ください。

 こんなスゴイのと比べられたら、ブラボー長友選手の「赤いおかっぱ」も霞んでしまいますよねっ!