ママの愛は削岩機のごとし


これは「エゴノキ」の果実。

実には「サポニン」という有毒が含まれています。昔はこの実をすりつぶして川に流し、魚を浮かせて獲るという漁法もあったそうです。

エゴノキという和名は、果実を口に入れると喉や舌を刺激してえぐい(えごい)ことに由来しています。


エゴヒゲナガゾウムシ』のママがエゴノキの果肉をかじっています。


そのまま2時間以上経過!




開けた穴にお尻を入れて・・・ようやく産卵態勢に入りました。産むのはただ1つだけ!


パパはすぐ近くで、心配そうにお産に立ち会っています。

ここで疑問が生じました。ママが果肉に穴をあけ始めてから産卵するまでにずいぶん時間が掛かっています。果肉なんてそんなに固くないのにどうしてなんだろ? この疑問がようやく溶けました。


これがエゴノキの種子。

これはおとといのことで、この日はすでにエゴノキの実はすべて落下していました。そして果肉もついていませんでした。もう親の姿はどこにも見つかりません。再会は来年までお預け・・・グスン!

種子がテカテカ光っているのは雨中で探したものを撮ったためです。
この種子のまわりをうす緑色をした果肉がおおっています。ママはこの種子にまで穴をあけて、その中に産卵するのです。
果肉に産卵したのではすぐに剥がれてしまって幼虫が育つ時間がありません。だから種子に穴を・・・が、これがメチャクチャ硬い!
釣り人もこの中に入っている「ちしゃ虫」を取りだすのにペンチを使うというほどの硬さ! 

「ちしゃ虫」のママはこの種子にまで穴をあけて産卵するのです。ママの情熱は岩をも砕く!
それに、エゴノキの果肉に毒があるということは他の虫もあまり寄ってこないということ・・・そこまで計算しているのです。すっご~い!



3 件のコメント:

  1. ふと思ったんだけどさぁ~。サニポンってサポニンからとった商品名なのかな?エゴノキの実はその昔、つぶして石鹸代わりに使われていたって聞いたことあるしね。

    ウシヅラやらエゴシギやらヤマガラやら、ホント何でまたわざわざ硬~くて毒のあるエゴノキの実が好きになったのでしょ?これぞ究極の選択?えっ、待てよ・・・もしかしたらヤマガラはエゴの木の実を食べているのではなく、中のチシャムシが本当の目的だったりして・・・?まさか、そんなことないよなぁ!

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  2. もしヤマガラが「ちしゃ虫」のことを知っていて、それを極上のごちそうだと思っていたなら? う~ん充分にあり得る話ですね~!
    それにしても川釣りのエサってのはコガネムシじゃダメなんじゃろかい?って思ったので何故「ちしゃ虫」じゃなきゃダメなのかを、調べてみたら「ちしゃ虫」はエゴノキの種子の中で翌々年の夏に蛹になるんだって!
    だから日持ちがいいのですっごく重宝するというのが、どうやら最大の理由のようです。

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  3. 成虫になるのに二年かかる?ということはウシヅラもエゴシギも二年?どうしてそんな戦略をとっているんでしょうね。うん待てよ・・・地上に落ちて二年も経ったらエゴノキは発芽しちまうんでねぇの?こりゃ調べてみんとアカン。

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