学力テスト Vol.433-3 その解答 リュウキュウヨシゴイ ~ ランドルト環 ~

 リュウキュウヨシゴイ ~ ランドルト環 ~


南の島でのある日のこと、8時半から探鳥ガイドをお願いしました。「さあ、今日はいっぱい見るぞ~」と気合を入れて間もなくのこと、雨がポツポツと降ってきました。

「げげ~~、これからって時にやんなっちゃうな~」とぼやくとガイド氏がニンマリ! 「この雨は大チャンスです!!」と言うではありませんか! 「雨が降ると、見られる確率がぐんと高くなるから、大チャンス!!」と言いつつ、ホンのちょっと前に巡回した場所に戻っていきました。

そして間もなくのこと、「いました、いましたよ~、ほらっ!」と指さした方向に、この日のお目当てがいたのです!!「あれれっ、さっき探した時にはいなかったのに~」「雨が降るとこんなところに上ってくるのです! ムフフ」

そうです、リュウキュウヨシゴイ君が草むらのてっぺんに!!雨はシトシトと降っている程度なので、撮影には全く問題ありませんでした。

さっすが~、プロのガイドは一味も二味もちがうね~~!と尊敬のまなざし!!

アップしてみたので、虹彩をよ~くご覧ください。

「ランドルト環」というのを知っていますか? 視力検査に使うアルファベットの「C」のような、あのマークのことです。
このリュウキュウヨシゴイ君の黄色の虹彩はまさしくそのランドルト環のようなCの字型になっているのです。

比較のために「ヨシゴイ」君♂にも登場していただきました。
黄色の虹彩はひとみを円形にぐるっと包んでいます。

この「ランドルト環」こそがリュウキュウヨシゴイの大きな特徴の一つなのです!

警戒してじっと潜んでいるのは♀

もちろん♀も同じように「ランドルト環」になっているのですが、実際には虹彩がC型になっているのではなくて、虹彩の後方に黒斑がありC型のように見えているのです。

英名では「Cinnamon Bittern」と言います


Cinnamon(シナモン)とは明るい、くすんだ茶色系の色のことで、Bittern」とはサンカノゴイ属とヨシゴイ属のことです。
彼らはとても警戒心が強くて、危険を察知すると背丈の高いアシ原や茂みに隠れてしまいます。

歳をとってくると、虹彩は薄くなってくるし、白目も濁ってきて鏡を見るのもイヤッ! 
そう言えば同居人が「鏡なんて目にゴミが入った時に見るだけで、歯を磨く時だってできるだけ見ないようにしてる」って言ってたけど、大当たり~!
ホント、鏡は正直だからねっ! 

でも、たまには昔を思い出して、同居人の眼を見て話しをしましょうねっ!
それが多分、いやきっと、それこそ絶対に、家庭平和を保つ秘訣なのですからして! 









学力テスト Vol.433-2 その解答 リュウキュウアカショウビン ~ 南の島のクッカル ~

 リュウキュウアカショウビン ~ 南の島のクッカル ~

私の大好きな呼び名は「キョロロ」君

アカショウビンの地方名は「雨ふれふれ」や「雨恋鳥」とか「水恋鳥」などとも呼ばれています。これはその哀愁を帯びた鳴き声からと、ちょうど梅雨の時期に鳴くからなのです。
ほかに面白そうな呼び名としては「ナンバンドリ」「トウガラシショウビン」。
これが南へ行くと亜種リュウキュウアカショウビンのことを「クッカル」と呼ぶのです。

アカショウビンは漢字では「赤翡翠」と書きますが、そもそも「しょうびん」とは何ぞや?

いにしえの時代にはカワセミのことを「そに(蘇爾」「そび(曽比)」と呼んでいたので、そこから派生したという説。
または鳴き声の「ピョロロ」を「しょうび(少微)」と聴きなし「しょうびん」になったという説も。  参考資料:「野鳥の名前 安部直哉


サイズは27㎝とハトと同じくらいですが、それは嘴が大きいためで、体自体は思ったよりも小さめです。

 英名は「Ryukyu Ruddy Kingfisher」で「琉球の赤味がかったカワセミ」

この個体は喉の白い箇所が大きめの感じがしますが、図鑑では雌雄同色と書いてあり、大きな差については書いてないので、性別はよくわかりません。



背中のウンチ模様は本土の種よりも大きく、水色も濃いようです。


本土のアカショウビンに比べて羽色は全体に濃く、しかも紫色を帯びているので
このように夜間撮影をすると、それはそれは神秘的に妖しく見えるのです。


クッカル君は本土よりも数が多く感じるので、いつも声だけで無理やり満足している方にはぜひ南の島へお出かけすることをオススメします。














学力テスト Vol.433-1 ~ あんた誰?シリーズ  その12 ~

 そろそろ憂うつな梅雨の季節が・・・ 雨が降れば溜まっている未整理の写真に手を付けられる!と思いきや、雨の中でも鳥がいると聞けばついつい・・・とにかくシャッターを押してないと落ち着かない!! 手が震える~、眠れない~~ こんなのを「シャッタージャンキー」と呼ぶんだとか! ちなみに「ジャンキー」っていうのは麻薬患者のことだそうな!

さてさて、今回のクイズはちょっと簡単そうですが、慎重に解答してくださいね!

A

B


学力テスト Vol.432-3 その解答 ルリカケス ~ 日本固有種でごわす ~

 ルリカケス ~ 日本固有種でごわす ~

文字通りカラスの仲間ですが、そこはそれ南国育ちでこのように美しいコスチューム!

こちらは本土にいるカケス君の大雨覆です。


カケスよりも濃い色で判りにくいけど、よ~く見るとルリカケス君にも同じ部位に同じような模様が付いています。

「瑠璃色」で連想するのは、毎度おなじみのオオルリやルリビタキのような色ですが、ルリカケス君は彼らよりも、やや濃色でホンのちょっと赤と黒い絵の具を数滴垂らしたような紫味のある青!

小学校時代の図画の時間を思い出してみましょう。
絵具で紫色を作るには赤:青を1:1で混ぜると暗めの紫に。
赤色の比率を高くすれば赤紫色に、青色の比率が高くなれば青紫色になります。

でもルリカケス君の羽はそんな単純な組み合わせでは出せっこありません!それはそれは何とも美しい色なのです! 
調べてもよく判らなかったけど、ルリカケス君の羽はもしかしたら構造色の部分も持っているかも?・・・いやいや、きっとそうに違いない!!
図鑑作成のイラストレイターの苦労がちょびっと分かる気がします。

写真を撮っていて悩ましいのは光線の具合もあって思い通りの色が出せないこと。さらに相手は動きのある動物なのでジッとしていてくれません。

ここでちょっと寄り道!
ビギナーのバーダーにおススメしたいことがあります。
もし、これから図鑑を購入するならば、イラスト図鑑と写真図鑑の両方を購入することを薦めます。ええっ、そんなのもったいないじゃん!と言うなかれ!!

写真図鑑だけでは光線の具合で鳥の色が充分に表現できていません。それでも一番標準的な色を図鑑に載せているのは言うまでもないことですがね。

その点、イラスト図鑑は標準的な色で表現するようにしているので、基本を覚えるのには
まずその図鑑を見て脳にインプットしておくのがよいのではないかと思います。

インプットができたら、次はフィールドで実物を堪能すること!! この時は色のことなどは頭の片隅に入れておけばいいのです。何なら忘れても構いません!!
ホンモノの魅力は本では到底 表現できていないのが当たり前なのですから。


ルリカケス君はちょっと派手で、いかにも目立ちそうな色合いですが、林の中の日陰では全然目立たなくて見つけにくいのです。ただしそこはカケスの仲間なので、よくいろいろな声で鳴きます。

その割には、カケスのようないろいろな鳴き真似は聴けませんでしたが、方言で鳴いてたから気付かなかったのかな? ホントのところはどうなのかな? 

学名もそれを反映して「Garrulus lidthi 」と言います。
Garrulus」とは「ぺちゃくちゃしゃべること」または「騒がしく鳴くこと」で、「lidthi」はオランダの動物学者の「Lidth」のことです。

英名は「Lidth's Jay」とか「Purple Jay」または「Amami Jay」と言います。
学名が唯一無二なのに対して、英名は国や地域によって呼び方が異なっているから、いろいろなのです。

雑食で、これは木の実を咥えているところ

おや?何かを咥えてきましたが・・・

ちぎって食べていたのは、何と何とトカゲでした!!

「ギャ~、きもい~~!!」と言われないように、これ以上のアップ写真の掲載はやめておきます。

被害者はこの「オキナワキノボリトカゲ」君

ルリカケス君をよく見かけたのは龍郷町の「奄美自然観察の森」


ルリカケス君は奄美諸島だけに生息する日本固有種で、国の天然記念物。さらに鹿児島県の「県の鳥」にも指定されています。

かつては絶滅危惧種に指定されて心配されていましたが、その数はかなり復活してきて1000羽を超えるまでになりました・・・と思いきや、2007年に絶滅危惧種のランク外になってしまい、危急度を下げてしまいました。
これでは開発に対する制限基準を緩和することになってしまい、とんでもない話で国のすることは理解できません。

P.S. 龍郷町というのは西郷隆盛が奄美に島流しになった時に住んでいた所で、遺跡もたくさんあります。そして、その当時の妻の名前は「愛加那(あいかな)」。









 






学力テスト Vol.432-2 その解答 アカヒゲ ~ 大きな勘違い ~ 

 アカヒゲ ~ 大きな勘違い ~ 


漢字では「赤髭」と書きますが、何とも変わった名前です。その名前の由来を詳しく書いたのがあったので紹介します。

勘違い その1

琉球地方に、本土とは異なる別のコマドリがいることを知った薩摩の或る人がこれを手に入れようとして「赤い毛」の鳥を仮名で「あかひけ」と書いて、使いを出してこの鳥を求めました。

ところがそれを琉球の人が「あかひげ」と誤読して、捕まえた鳥を「赤髭鳥」として渡しました。それを薩摩の人は、琉球ではこの鳥のことを「赤髭鳥」と言うのかと覚えて、その鳥のことを省略して「赤髭」として世の中に伝えました。世の人はこの経緯を知らずに、この鳥には赤い髭はないと疑問に思っている。笑うべし。「本朝食鑑」 参考:野鳥の名前 安部直哉



アカヒゲはコマドリの仲間で、それはそれは美しい声で囀ります。

コマドリのような単調なメロディではなく、そのいろいろ複雑で美しい鳴き声は薄暗い林の中に響き渡ります。ぜひYOU TUBEでコマドリと比較しながら聴いてみて下さい。

それほど警戒心があるわけではないので、すぐ近くで囀ってくれることも。

撮るのも忘れて、聞き惚れてしまいます。

♀には♂のような黒い髭はありません。

勘違い その2
アカヒゲの英名は「Ryukyu Robin」 すなわち「リュウキュウにいるコマドリ これは全く問題ありません。
学名は「 Luscinia komadori 」で意味は「ナイチンゲール(サヨナキドリ)のコマドリ 
これだけだと問題なさそうですが、実は違う種のコマドリの英名は「Japanese Robin」で、学名が何と何とLuscinia akahige 」すなわち「ナイチンゲール(サヨナキドリ)のアカヒゲ」となっているのです。

これは明らかにアカヒゲとコマドリの学名を登録時に間違えてしまったという事なのです。
シーボルトが出した標本をオランダの王立自然史博物館に提出した時に、館長のコンラート・ヤコブ・テミンク(Coenraad Jacob Temminck)が間違えてしまったのでは?!?!と言われています。

学名は一度登録すると変更することができないため、それがそのまま世界中の図鑑で唯一・共通の名前として使われているのです。
これは有名な話なので、アカヒゲとコマドリのことを調べると必ず出てくる話題です。


アカヒゲ君にとっては、自分の名前なんてヒトが勝手に付けて呼んでいるだけなので
まったく関係ない話! 今もその心がとろけてしまうような素晴らしい鳴き声を聴かせてくれています。

ところで、髭と言えばアカヒゲ君の顔を見た時に五月人形の鍾馗様を連想した人っている?
鍾馗様っていうのは家内安全、厄除け、無病息災の神様です。

もしもアンタの奥さまが鍾馗様の顔に見えることがあった!って言うなら、それは家の中にありがた~い神様が住んでいると思いましょう! 
そういうお前の家はどうなんだって?そんなこと怖くて口が裂けても言えませんってば!!

♬ (男)何か言おうと思っても 女房にゃ何だか言えません  そこでついつい嘘を言う  
   (女)なんです あなた 
   (男)いや別に 僕は その あの パピプペパピプペ パピプペポ うちの女房にゃ 髭がある  ♬   
    
うちの女房にゃ髭がある作曲:古賀政男 作詞:星野貞志(サトウハチローの筆名)
1936年(昭和11年)














学力テスト Vol.432-1 ~ あんた誰?シリーズ  その11 ~

 今期の春のシギチ類の渡りシーズンもそろそろ終盤戦になろうとしていますが、何んだかものすご~く盛り上がりに欠けて、ほとんど楽しめないままに終わってしまいそうです。

それでも、今期は久しぶりにツルシギ君にじっくりと逢えたのでOKとしようかな。


さてさて本題、この2種類は誰か分かるかな? 簡単すぎてクイズじゃないって?! まあまあそう言わんとお願いしますね!


A

B


学力テスト Vol.431-3 クイズ その解答 クロサギ ~ 黒いけど黒くない ~

 クロサギ ~ 黒いけど黒くない ~

前回のツルシギの夏羽が黒くなる理由がよくわからないのに続いて、これも「なぜ黒い?」について、ピーク時に比べて激減してしまった脳細胞をフル活動して考えてみましょう。

サギ類の体が白いということは、魚から上の水面を見た場合に、鳥の色が同じような明度でわかりにくい存在です。だからサギ類からすると魚を捕りやすいのです。

これと違って、海岸に生息するクロサギは多くの岩礁や砂浜などが黒い色をしており、そのような場所では身体の色も暗色である方が隠ぺい色となって、エサとなる魚からは見つかりにくくなるのす。

この写真は目視で見たのとほぼ同じような色合いに撮れています。

英名では「Pacific Reef Egret」または「Eastern Reef Heron」。
図鑑によっていろいろ呼び名が違っていますが「Reef」とは岩礁のことで、体色については触れていません。

若鳥ではまだこのように褐色気味です。

日本の図鑑ではクロサギの体は「灰黒色」とか「青灰黒色(せいかいこくしょく)」などと書かれていますが、そんな表現では味気ないので別の表現を探してみると・・・ありました! 日本の伝統色では「鈍色(にびいろ)」とか「「青鈍色(あおにびいろ)」というのが近いようです。

青鈍色」は薄く墨色がかった青色で「宇津保物語」「源氏物語」をはじめ平安文学に登場する、日本人好みの伝統色です
大河ドラマ「光る君へ」では派手な・・・おっと訂正、華麗な衣装ばかり出てくるので、この色を見つけるのは大変かも?

こちらは同じコサギ属のコサギ君


コサギ君に比べて、クロサギ君の足は太くガッシリとしていて短足です。
短いという事は言い換えれば重心が低くて安定感があるという事。決して短足を嘆くことはありませぬ!指先も太くて、岩礁地帯を歩くのに適しています。
※クイズの答えは「三前趾足」と「半蹼型」です。

そんなある日のこと、魚に夢中になって

おっとっと・・・

ズルリ! うわわ~ 落っこちる~~!!
ヌルヌルの岩で滑ってしまいました!

それを左で見ていた奥方が、このあとすっ飛んで来ました!


「ちょ・ちょいと、おまいさん!大丈夫け?」
「お、おう! で・でえじょうぶでい!!ちょっくら滑っただけでい!」
「若ぶってたって、もう昔のように筋肉モリモリじゃないし、足腰は衰えてるし、指の裏のイボイボだってすり減ってんだからさ~」
「うっせ~な~、そんなこた分かってらい!何ともねえって!!そう言うおめーだってこないだ畳のへりにつまづいて転んだじゃね~かよ~」
「あんたって金づちなんだからさ~、もしもあんたに何かあったら、あたしゃどうなるのさ~!」
「おう、でえじょうぶだってばよ~!心配すんなってば~ 死ぬときゃ二人一緒だぜい! ベイビィ~」
そうなんです、クロサギ君はこんな荒海に棲んでいるのに全く泳げないんです!

それでも果敢に、ダイビング!

というよりもフライングキャッチ!!

指先が水面に触る程度で、しっかりと小魚を捕まえた!

この間、ホンの2~3秒ほど

見事なハンティングを見せてくれました!!

泳げなくたって、やるときゃやるんです!


時には小言を言いながらも、これからも助け合い夫唱婦随で仲良く暮らしていくことでしょう。