オオアジサシ ~ 椅子取りゲーム ~
オオアジサシ 成鳥
オオアジサシはここ20年ほど安定して渥美半島で観察できます。それまでは、まず見ることができない珍鳥!!・・・だったのに。
7月頃になると姿を現し始めますが、ピーク時には何と何と200羽越えという大所帯!!
オオアジサシ 幼鳥2羽
三河湾のどこかの島で繁殖しているのでは?・・と言う人もいますが、まったく根拠のない話です。
多分、小笠原諸島や尖閣諸島などで繁殖したと考えるのが妥当でしょう。それにしても何故わざわざこの場所に立ち寄るのかな?
ここ三河湾は魚介類の宝庫! 特にシャコやアナゴ、クルマエビ、タコなどが有名ですが、オオアジサシもこれらの味を知っていてわざわざ来るのかな?
昨日覗いてみたら、すでに南へ渡ってしまったのか、もぬけの殻でした。
今回はその生活の一旦をご紹介することにしましょう。
オオアジサシ 夏羽
オオアジサシの特徴は何といってもその見事なヘアスタイル。黒々としたふさふさのりっぱな冠羽が自慢です。
成鳥2羽 冬羽に換羽中
冬羽になると、その前頭部がゴマ塩風に変化していきます。
こんな感じで前頭部がゴマ塩模様に変化するのです。
ちなみに、彼らは「直接頭かき」です。
横から見ると頭頂部はこんな感じ。
水面上の魚をすくい取ろうとするオオアジサシ
彼らはコアジサシのような上空から真っ逆さまに落ちるようなダイビングはしません。「だって、そんなことしたら大事な御髪(おぐし)が濡れて、ベタ~っとしてカッコ悪くなっちゃうじゃん!」・・なんちゃって。
さて、ここには干潮時には波打ち際から70mほどの所に杭が50本ほどあり、満潮でも水没することはありません。そこへ多い時には30羽以上のオオアジサシが訪れ、ウミネコやカワウと休息場所である杭の取りっこをするのです。
幼鳥が飛んで来て、先客を追い出しにかかります。
「どけどけ~、ここはオイラの場所だ~!!」
そのしつこさに、たまらず退散。
自分よりも体の大きいウミネコにも向かっていきます。
とうとうウミネコを追い出してしまいました!
水かき
この写真でオオアジサシが「三前趾足(さんぜんしそく)」で、水かきが「欠蹼足(けつぼくそく)」ということが判ります。
杭での様子を見ていた母親(手前)から呼び出しが・・・
母親からお説教をくらっています。
母:「おんどりゃ~っ! お前ね~、何度言ったら判るんだい?! よそ様の子をいじめちゃいけないって、あれほど言ってるのに~・・・ましてや、お前より体の大きいウミネコのオジサンにまで意地悪するなんて、どういう了見をしてんだい! このバカ息子が!」
母:「ん?あそこにもウミネコを追い出してるオバカがいるじゃん! 頼むからあんな風にはならないようにしとくれねっ!まったく!!親の顔が見たいもんだ!!」
息子:「あれれ?あれってカアチャンのダンナじゃねえの? “ 子どもは親の背中を見て育つ ”って言うよね~ ヘヘヘ・・・」
母:「ゲゲゲ~~!!」
息子:「でもトウチャンってさ、こないだ あのカモメに捕ってきた魚を横取りされたんで怒ってるんだぜ!だからちょっとばかり復讐してんのさ! トウチャンってすっごくカッコイイんだぜ~!」
母:「そうかい、そうかい、そうだったのかい。さすがは私の惚れ込んだ亭主じゃん!!」
オオアジサシ 幼鳥
このようにして、幼鳥たちもいろいろ勉強しながら育っていくのです。
これからのフィリピンなど東南アジアへの長旅に備えて、アナゴだのシロギスだの三河湾の海産物でたっぷりと栄養をつけ、また来年もここに戻って来ておくれ~~!!
オオアジサシくんの母と息子の会話劇にこにこ(*^-^*)♬
返信削除自慢のヘアースタイルにゴマ塩頭の出現!!
面白いですね~♬
水かきの写真は欠蹼足ですよね~
うわわ~ 水かきの種類は「全蹼足」でなくて「欠蹼足」でしたわい! うっかり間違えてしまいました。文章は訂正しました。チコちゃん、ありがとね~
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