学力テスト Vol.474-2 その解答 ヒメアマツバメ ~ リノベーション ~ 

 ヒメアマツバメ ~ リノベーション ~

アマツバメの仲間はアマツバメ目アマツバメ科の鳥で、よく似ているツバメ(スズメ目ツバメ科)とは分類学上では全く別の系統の鳥です。


ヒメアマツバメは元々は亜熱帯から熱帯地方にかけて分布する鳥で、
日本には生息していなかった鳥でした。 日本で最初の記録1966年代に神奈川県や鹿児島県で観察され、翌年の1967年7月には静岡市内で、国内で初めて繁殖が確認されました。

私もこの静岡市の繁華街でのポイントには見に行ったことがあります。七間町通りの映画館の入口の壁面にたくさんの巣があって、多数のヒメアマツバメが飛び交っていました。

ところが、映画館に出入りする人などから苦情が出て、何と何とヒメアマツバメの巣を撤去してしまったのです! 今では考えられないような行政の対応でした。2011年の調査では静岡県では、過去にいた場所の全てから姿を消してしまったのです。

しかも、旧清水市と合併(2005年)した時にカワセミに変わりましたが、それまでの「静岡市の鳥」はヒメアマツバメだったのです! 静岡市内のマンホールのフタにまでヒメアマ君が描かれていたのに!!・・・です!

つい最近になって、近隣で少数のヒメアマツバメがコシアカツバメの繁殖地に混じっているとの話を聞いて行ってきました。


左がコシアカツバメの巣で、右側がヒメアマツバメが使用している巣です。
うわさ通り、ちゃっかりとコシアカの古巣を利用していました。


今回、ヒメアマが使用している巣は2ッありました。
どちらもコシアカの古巣ですが、入り口には羽毛がビッシリと唾液で張り付けてあります。ヒメアマの巣は内壁にも羽毛を張る習性があるのだそうな。
要するに、彼らは快適空間にするためにリノベーションをしているのです。
※リノベーションとは既存の建物に大規模な工事を行い、機能や価値を向上させることを目的としています。

ヒメアマ君が地上に降りることはありません。

空中に浮遊している羽毛を探し集めているのです。


拡大するとこのとおり!
このように羽毛をせっせと巣に運び込んでいるのです。

ヒメアマツバメは空を飛んでいる時間がとても長い鳥です。だから頭かきを撮るなんてことは夢のまた夢! 「そんな空中生活者の頭かきなんて撮れっこないじゃん!」って思ってませんか? しかしながら、そこをなんとか撮らねばなりませぬ!! 何としてでも・・です!


これでどうじゃ!! ・・・「為せば成る」のです!!

この「頭かき」の写真からは趾(足指)の形も見えます!!


イラスト資料「鳥のフィールドサイン 観察ガイド」箕輪義隆

ヒメアマツバメは上記のイラストの中の「皆前趾足(かいぜんしそく)」という趾(あしゆび)の形をしていて、4本の指がすべて前を向いているのです。
今回をもってようやく、このイラストの足指の形をすべて撮ることができました。

「鳥のふしぎ」ポプラ社 より

なぜ趾が4本とも前を向いているのかって? そりゃあなた、アマツバメの仲間は垂直な岩壁などに強い握力を持った趾でしがみつくという生活をしているからなのです。

本によると頭かきの方法は「間接頭かき」と書かれていますが、さすがにそれを撮ることはできません。 そして空中での頭かきは、当然ながら「直接頭かき」となってしまうのです。
よって今回の解答と写真は違っておりますが、お許しのほどを。

ヒメアマ君がいくら空飛ぶ天才でも、飛びながらの「間接頭かき」はできません! ということで、頭かきは翔平くんと同じく「二刀流」でした!! 

鳥たちはその生活スタイルに合わせて、いろいろとパーツを進化させているのです。
気の遠くなるような長い時間をかけて。

















2 件のコメント:

  1. ヒメアマ君「頭かきは二刀流」!(^^)! 
    趾(あしゆび)の形は「皆前趾足」!(^^)!
    fuutenhideさん 
    「為せば成る!」の努力で
    足指の形をすべて撮ることに成功!!
    おめでとうございます!(^^)!

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  2. 津波警報が広い範囲に出ています。心配です。
    これ以上津波が押し寄せないよう祈ります。

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