学力テスト Vol.487-1 あんた誰?シリーズ その22

2025年最後の満月です。    2025.12.5

ホワイトバランスで色温度を変えたりすると・・・このような「Blue Moon」にも。

「Blue Moon」といえばJAZZのスタンダードナンバー。
いろいろな人が歌っていますが、私のお気に入りは ①June Christy 
②Jo Stafford ③Julie London・・・彼女たちが歌っている曲が大好きです。
演奏なら Clifford Brown がBESTかな!!


さて本題。
次の鳥の名前と足指の形を当てて下さい。


足指のかたち
イラスト資料「鳥のフィールドサイン 観察ガイド」箕輪義隆







学力テスト Vol.486-2 アオハクガン ~ 白なのに黒 ~

 アオハクガン ~ 白なのに黒 ~

青空を飛ぶハクガン

ん、んん? ハクガンの中に何やら変わったものが!

な、何だ、こりゃ~!

顔はハクガンなのに体が真っ黒!

これぞ珍鳥の「アオハクガン」なのです!
羽の上部を見ると青灰色で、これが名前の由来。

英名は「Blue Goose」ですが、正式名は「Snow-Goose 」・・・すなわちハクガン!!
アオハクガンは羽毛の色を決定する遺伝子が異なって生まれました。以前は別種とされていたこともありますが、「単なる色違いで、突然変異ではありません。

日本に渡ってくるハクガンは、2025年現在で約2000羽以上、その中にアオハクガンが10羽以下で混じっているだけなので、かなりというか、ものすご~く珍しいのです。

アオハクガンの直接頭かき

ハクガンのファミリー
左上と下から2番目の、やや濁った色の個体が幼鳥です。

マガンの編隊飛行

ここ このようなV字型の編隊だと、前を飛んでいる鳥が生んだ上昇気流の中を飛べるため、エネルギーの消費を抑えることができるのです。もちろん、そのためには羽ばたきのリズムや距離感を調整したり、気流の動きなどを敏感にとらえるなどという高い能力も必要なのです。
字の
ハクガンの繁殖地はロシアのウランゲル島が知られており、それらはアメリカに渡ります。
主な越冬地は北米で、その数は何と何と500万~800万羽と言われており、中央部ではアオハクガンが約25%ほどと言われるのに対して、東海岸へ渡ってくるグループではアオハクガンはわずか1~4%と非常に少ないとされているようです。

日本へ渡ってくるハクガンは2000年の頃はわずか数羽だけでした。
日本、ロシア、アメリカの国際共同で「東アジアへのハクガン復元計画」が 1993 年に始まり現在のように多数が飛来してくれるようになったのです。


詳しくは以下をご覧ください。
◆日本の空に復活した日本ガンたち
https://www.suntory.co.jp/eco/birds/fund/message/vol06/

◆ハクガンの復元計画
http://shibalabo.eco.coocan.jp/goose/2-1/2-1-2/ac.htm


編隊



















学力テスト Vol.486-1 頭かきシリーズ その100

 

佐鳴湖岸のメタセコイヤがこんなふうになるのも、もうすぐです。

モミジが鮮やかなじゅうたんに

エナガ君も紅葉の中で

さてさて本題です。今回は記念すべき「頭かきシリーズ」の100回目!!

この鳥の ①名前 ②頭かきの種類 さらに③足指の形 ④水かきの種類 の4問について答えて下さい。
頭かきには「直接頭かき」と「間接頭かき」の2種類があります。



足指の形

水かきの種類

上記2枚のイラスト資料「鳥のフィールドサイン 観察ガイド」箕輪義隆







学力テスト Vol.485-2 その解答 チゴハヤブサ ~ スピード違反 ~ 

 チゴハヤブサ ~ スピード違反 ~ 

雲一つない紺碧の空です! これぞ絶好のタカ見日和り。

さらに風速は3mほどで、アサギマダラやトンボが飛び交うという申し分のないシチュエーション! こんな日に期待するのは何といってもチゴハヤブサに尽きます。

チゴハヤブサ 幼鳥

サシバやハチクマたちがゆったりと西へ流れる中、突然現れてものすごいスピードで飛び回ります。キジバトくらいの大きさで、カラス大のハヤブサよりも小さいので、その分  小回りが利きます。

彼の大好物はトンボ! ただ、狩りの瞬間はあまりにも素早くて遠いことが多いので、なかなか撮ることができません。

尾羽を広げて急ブレーキ! 

チゴハヤ君の陰になってトンボの姿が見えませんが、チゴ君が両足を前に突き出してトンボを捕まえようとしている瞬間です。

おっとどっこい!トンボもとっさに急旋回して魔の手から逃れます!

彼の名はギンヤンマ! 彼も飛翔の名手を自認しているので、そう簡単に捕まるわけにはいきません!

今回はチゴハヤ君の空振りに終わって・・・と、思いきや

その数秒後には、すぐにギンヤンマの正面へ先回り!
これぞ「先回りキャッチ」という秘技!!
10月のNHK「ダーウィンがきた チゴハヤブサ」で紹介されていた必殺技なのです。

上の写真では小さすぎて、何が何やら?と言われるだろうから、超拡大してみました。

これだけ拡大しても判りにくいけど、チゴハヤ君の指先にはギンヤンマが手中に!!
よ~く見るとチゴハヤ君の足指が「三前趾足(さんぜんしそく)」というのも判ります。

これが捕獲の瞬間!

超拡大すると、しっかりと捕らえられています。

今回の被害者はギンヤンマの♂でした。

そのしばらく後に、今度はチゴハヤの成鳥が登場しました。

その指先にはすでに獲物が!

拡大してみると、それはウバタマムシ!


地上にいるウバタマムシです。
おとなしく地上近くにいれば安住の生活ゾーンだったものを・・・

これぞ「飛んで火にいる夏の虫」!!! ウバタマ君の人生はこれで終わってしまったので笑うに笑えない話になってしまいました。

チゴハヤ君は「直接頭かき」


彼らの飛翔能力をもってすれば、小鳥なんてお茶の子さいさいで捕れるんだろうに、それには見向きもせず、何故か手強いツバメなども狙うようです。

自分の更なるスキルアップのために、敢えて難敵に挑んでいるのかな? 
こんな見事な狩りができる鳥は他にはいません。
これから越冬地の東南アジアまで渡っていきます。
また来年も戻って来てくれますように!! 





















学力テスト Vol.485-1 頭かきシリーズ その99

 

アサギマダラ
10月も中旬を過ぎるとアサギマダラがチラホラと見えるような季節に。
こんな優雅にヒラヒラと翔ぶ姿からは、とてもとても「毒蝶」とは思えません。

これから南への長~い旅をせねばなりません。

吸蜜でしっかりと栄養を蓄えなければ。


では本題!!

この鳥の ①名前 ②頭かきの種類 について答えて下さい。
頭かきには「直接頭かき」と「間接頭かき」の2種類があります。




学力テスト Vol.484-2 その解答 オオアジサシ ~ 椅子取りゲーム ~ 

 オオアジサシ ~ 椅子取りゲーム ~ 

オオアジサシ 成鳥

オオアジサシはここ20年ほど安定して渥美半島で観察できます。それまでは、まず見ることができない珍鳥!!・・・だったのに。
7月頃になると姿を現し始めますが、ピーク時には何と何と200羽越えという大所帯!!

オオアジサシ 幼鳥2羽

三河湾のどこかの島で繁殖しているのでは?・・と言う人もいますが、まったく根拠のない話です。
多分、小笠原諸島や尖閣諸島などで繁殖したと考えるのが妥当でしょう。それにしても何故わざわざこの場所に立ち寄るのかな? 
ここ三河湾は魚介類の宝庫! 特にシャコやアナゴ、クルマエビ、タコなどが有名ですが、オオアジサシもこれらの味を知っていてわざわざ来るのかな?

昨日覗いてみたら、すでに南へ渡ってしまったのか、もぬけの殻でした。
今回はその生活の一旦をご紹介することにしましょう。

オオアジサシ 夏羽

オオアジサシの特徴は何といってもその見事なヘアスタイル。黒々としたふさふさのりっぱな冠羽が自慢です。

成鳥2羽 冬羽に換羽中
冬羽になると、その前頭部がゴマ塩風に変化していきます。

こんな感じで前頭部がゴマ塩模様に変化するのです。
ちなみに、彼らは「直接頭かき」です。

横から見ると頭頂部はこんな感じ。

水面上の魚をすくい取ろうとするオオアジサシ

彼らはコアジサシのような上空から真っ逆さまに落ちるようなダイビングはしません。「だって、そんなことしたら大事な御髪(おぐし)が濡れて、ベタ~っとしてカッコ悪くなっちゃうじゃん!」・・なんちゃって。


魚捕りは沖合ですることが多いようです。この近くで捕るシーンがほとんど見られないのです。だから私はコアジサシのようなダイビングを見たことがなく、実はどのような魚捕りをするのかよく知らないのです。

さて、ここには干潮時には波打ち際から70mほどの所に杭が50本ほどあり、満潮でも水没することはありません。そこへ多い時には30羽以上のオオアジサシが訪れ、ウミネコやカワウと休息場所である杭の取りっこをするのです。

幼鳥が飛んで来て、先客を追い出しにかかります。

「どけどけ~、ここはオイラの場所だ~!!」

そのしつこさに、たまらず退散。

自分よりも体の大きいウミネコにも向かっていきます。

とうとうウミネコを追い出してしまいました!

水かき

この写真でオオアジサシが「三前趾足(さんぜんしそく)」で、水かきが「欠蹼足(けつぼくそく)」ということが判ります。

杭での様子を見ていた母親(手前)から呼び出しが・・・

母親からお説教をくらっています。

母:「おんどりゃ~っ! お前ね~、何度言ったら判るんだい?! よそ様の子をいじめちゃいけないって、あれほど言ってるのに~・・・ましてや、お前より体の大きいウミネコのオジサンにまで意地悪するなんて、どういう了見をしてんだい! このバカ息子が!」
母:「ん?あそこにもウミネコを追い出してるオバカがいるじゃん! 頼むからあんな風にはならないようにしとくれねっ!まったく!!親の顔が見たいもんだ!!
息子:「あれれ?あれってカアチャンのダンナじゃねえの? “ 子どもは親の背中を見て育つ って言うよね~ ヘヘヘ・・・」
母:「ゲゲゲ~~!!」
息子:「でもトウチャンってさ、こないだ あのカモメに捕ってきた魚を横取りされたんで怒ってるんだぜ!だからちょっとばかり復讐してんのさ! トウチャンってすっごくカッコイイんだぜ~!」
母:「そうかい、そうかい、そうだったのかい。さすがは私の惚れ込んだ亭主じゃん!!」

オオアジサシ 幼鳥

このようにして、幼鳥たちもいろいろ勉強しながら育っていくのです。
これからのフィリピンなど東南アジアへの長旅に備えて、アナゴだのシロギスだの三河湾の海産物でたっぷりと栄養をつけ、また来年もここに戻って来ておくれ~~!!