尻上げ その4 終章


今回は『シリアゲコバチ』ネエチャンがママになった瞬間です。
まずこれをご覧くださいまし!


触角を竹に触れながら竹筒の中の様子を探っていって・・・ここぞと思うと、いきなり踏ん張って脚全体を高く上げます!あれ?脚ってこんなに長かったっけ?



産卵態勢で踏ん張った!・・・と思ったら、なにやら背中が内側に向けて2つにパックリと割れて、中から透明な風船のようなものが出てきました! 「じぇじぇっ~!何?何?これって何じゃ? 何がおこったんじゃ~?」  拡大するには写真をクリックしてね!


さらに腰を90度以上に折りまげると、透明な風船がどんどん大きくなっていきます。
実はこれ、腹部の第1腹節と第3腹節に隠れている第2腹節の部分で、普段は見えません。
もしかしたら、この第2腹節はジャバラのような役割をしているのかな?
そういえば透けた中に内臓が見えているような気もします。うげ~! こんな箇所まで周りに見せちゃうのけ~?


さらに、鞘から極細の産卵管が分離してくる瞬間が見えます。


これならハッキリと産卵管が見えるかな?


そしてここでは、すでに産卵管が竹に刺されています、


拡大すると真ん中で垂直になっているのが、わずかな竹の割れ目に刺している産卵管!
産卵管の付け根は鞘の一部で支えているように見えます。


産卵を開始したら、しばらくは動くことができません。
この間に腹を微妙に動かしているようにも見えたので、産卵管の先を動かして宿主を探しているのかもしれません。
それにしても、この瞬間を誰かに襲われたらこのママも一巻の終わり!まさに命がけの出産です。


方向を変えて後ろから撮ってみました。透明な第2腹節が見え、産卵管が竹のわずかな隙間に刺さっているのもよ~く見えます。
産卵時はこのスタイルで数分を費やします。見ている方も思わず力が入ってしまいます!

ここまで読んでも、まだどうも訳が分からない?って人は、ネットで「シリアゲコバチの産卵 平群庵昆虫写真館」さんや、You Tube などで産卵行動の動画をご覧ください。
そうすれば産卵の不思議が理解できると思いますぞ!

無事にお産を見届けたから、ここらでおしまい! フィ~! 長々と読んでくれてアリガトね!

ちなみに、このシリアゲネエチャンは「アナバチの仲間」や「ハナバチの仲間」にも寄生するという文献を見つけましたので、お知らせしておきます。



3 件のコメント:

  1. 貴重な瞬間を見せていただきありがとうございます。
    背負っているのは産卵管の鞘なんですね。

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  2. おぉ!すんばらしい瞬間を撮りましたねぇ。こりゃ、なかなかの見ものです。

    産卵管はお腹付近にあるんですね。それを鞘で包んでぐるっと背中に回してるわけか!
    でもなんでわざわざ透明なお腹を見せないといけないのか。このほうが効率的なのかな?危険と裏腹の選択をしたんでしょうね、きっと。

    そしてこの産卵管ってそれなりに硬さがあってしなやかなのかなぁ?竹筒の穴に刺さるわけだからそれなりにしっかりしていないといけないはずですもんね。やっぱ、すんばらしい!!

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  3. でしょでしょ?見れば見るほどに不思議な点がいろいろ出てきて眠れなくなっちゃうんです~! さすが人間よりも遥か彼方の歴史を持つものはやることがすごいノダ!

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