学力テスト Vol.442-2 その解答ー1 サンコウチョウ ~ 黒いリボンが森を舞う~

 サンコウチョウ ~ 黒いリボンが森を舞う ~

♂の尾羽の長さは最長の個体では34㎝ほどにまで。

全長が44㎝なので、体長の2/3以上が尾羽という事になります。スゴッ!!
この長い尾で♀を引きつけるのです。すなわち長い尾をしている方が結婚の条件がはるかによくなり、子孫を残すことができるのです。長い尾の遺伝子はその子供に引き継がれ、また♀を引きつけて結婚する・・・それを繰り返していくうちに、このように尾が長く進化したと考えられているんだそうな!

その長い尾を持った♂は、不要になった中央の2本の長い尾羽(この部位は「飾り羽」というようです)は、長距離の渡りには邪魔なので抜いて南へ渡る・・・という、まことしやかな話があるけどホントなのかな?  
抜けたとしたら、自分で抜くのではなく、不要になったから自然に抜け落ちたと考えた方がよさそうな気がするけど、どうなのかな? 

そもそも、尾が長いままでは渡らないのかな? その疑問に答えられそうな資料を見つけました。

プロカメラマンの和田剛一氏の著書「SING」の中でサンコウチョウについての記述があり、文中の「長い尾はいつ抜ける?」のページでは、①秋のタカの渡りの時の伊良湖岬で見た個体 ②同じくタカの渡りで有名な愛媛県佐多岬で見た個体 ③本州の最西端、五島列島の福江島(ここはハチクマの渡りで有名です)の大瀬崎から東シナ海を渡って大陸に渡るサンコウチョウ・・・そのどれもが尾羽が長かったと書いてありました。

※おまけの話
その1)中南米に「ケツアール」という鳥がいます。体の長さは35cmほどですが、♂はものすご~く長い飾り羽をもち、これを含めると全長は90~120cmにもなります。
「世界で最も美しい鳥と言われる所以です。 この鳥も繁殖期にだけ、♀を引きつけるために尾が長くなるのです。そんな鳥なんて知らね~って? ネットで検索すればたくさん出てきますよ! 「世界一美しい鳥と言われたら、見に行きたくなっちゃうよねっ!!

その2)東南アジアに「カワリサンコウチョウ」というのがいます。その白色型は黒っぽい頭以外は真っ白です。
ネットで写真やYOU TUBEで飛翔シーンを検索してみてください。うっとりしてしまいます!


ちょっと見にくいのですが、口の周りに固いヒゲがいっぱいあります。

これは飛んでいる虫を口の周りから逃さないのと、昆虫の羽ばたきから目を守るという事にも役立っていると言われています。

♀成鳥の尾は8㎝くらい
目の周囲の青いリングも♂のように派手ではありません。
あくまで、シックに控え目に・・・。


♀成鳥

サンコウチョウはカササギヒタキ科に属します。あまり聞き慣れないこの科には、他にクロエリヒタキしか含まれていません。

※クロエリヒタキは国内では2008年に1回だけ記録のあるド珍鳥で、東南アジアに生息しています。

カササギヒタキ科は、以前はヒタキ科に近縁とされてきたけど、近年ではモズやオウチュウに近いとされ、図鑑でもヒタキ科とは離れたページに載っています。

他のヒタキ類に比べて、暗いところが大好き! それにあまり鳴きません。暗っぽい林の中なので、まず見つけるのが大変! 撮るのはもっと大変!!

飛ぶと尾がリボンのようにヒラヒラとして幻想的に見えるところが魅力なのかな?? 

でも見るのと撮るのは大違い! かなりすばしっこいので、見つけた~!それっ急いでピントを・・・と言ってる間に飛んでしまいます。そんなのばっかし!! もうイヤじゃっ!

まさにサンコウチョウの撮影は「遠」「暗」「少な」の、「」が3拍子揃った典型なのです! このハードルを乗り越えなければダメなのです。おっと、もう一つ最も大事なのがあったっけ「撮れな」 だから4拍子の鳥なのです! ああ、ヤダヤダ~ッ!

ホントに偶然、巣だったばかりのヒナを発見! それも明るい枝に!

まだほとんど飛べないように見えます・・・という事は、この子を見ていれば絶対に親が来るはず!? こんなチャンスはそうそうあるものではありません! これぞ千載一遇!

しばらく待つと・・・来ました! ママがエサを持ってきてくれました。


そのしばらく後にはパパも!! 他には誰もいない至福の時間!! 
こんな貴重なシーンを独占取材!! 生きててよかった~~💛

まだクイズの答えの「三前趾足」の写真が載ってないって? あっちゃ~気づかれたか! 仕方ないからお宝画像を出すことに。

南へ移動中の♂若鳥

冒頭で触れた、嘴の周りの太くて固いヒゲがクッキリと!

足指の部分も拡大しました。水かきもありません。

「三前趾足」は鳥類の中では最も一般的です。
世界中の鳥の種類の約1万種のうち半分以上の約6200種を占めるスズメ目は、すべてこの形なのです。

この写真で注目すべきは足指ではなくて口の中! 何とサンコウチョウの口の中は薄緑色の蛍光色なのです! どうしてこの色なのかは不明です。調べても分かりませんでした。

ちなみに、今年生まれの♂の場合、あの長い尾を獲得するのには2年かかります。
翌年はまだ♀と同じくらいの長さしかありません。

それぞれの都道府県の県や市には花・木・鳥などがシンボルとして決められています。昭和38年(1963年)に農林省が各地方自治体に「県鳥選定」を通達、全国各地でその運動が始まりました。

静岡県でも、識者が集まって候補となる鳥を5種類選択し、それを県民の投票などで決めてもらうという形式です。
その5種類とはサンコウチョウ、ヤマドリ、セキレイ、ヒバリ、オシドリ。

その結果、静岡県の鳥になったのはサンコウチョウ。ついでにジュビロ磐田のマスコットもサンコウチョウ。
ついでに浜松市の鳥は?と言えばウグイス。・・・さてさて、あなたの県や市のシンボルの鳥は知ってるかな?


3 件のコメント:

  1. サンコウチョウ♬ 素敵な鳥♬ 静岡県の鳥なんですね♬
    我が埼玉県の鳥は[シラコバト] 市の鳥は未定(; ;)
    ヒナに餌をやるママ、そしてヒナとパパとのショット。
    ニコニコ顔になります(^^)
    三前趾足バッチリ撮れてますね\(^_^)/
    口ひげに薄緑色の口の中がバッチリ!
    ブラボー\(^_^)/
    YOU TUBE 検索しました~
    [ケツアール]は羽色がとってもカラフル!
    白色型[カワリサンコウチョウ]
    飛翔姿が素敵ですね!

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  2. かなり前にシラコバトを見に行ったことがありますが、現在はあまり見ることができないと聞きました。心配です。

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  3. 私も何年もシラコバトを見てません。
    以前は良く見かけたのに心配です。

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