学力テスト Vol.347-2 その解答 ノビタキ

 ノビタキ

浜松で見られる多くは秋の渡りの時。
すでに冬羽に換羽しており、これから東南アジアへの長旅です。

稲刈りが終わった田んぼでは、多い時には一度に10羽以上を見ることもあります。

顔の黒いのは♂

ここで今回、覚えておきたいことが一つ。
「ノビタキ」:野鶲 「キビタキ」:黄鶲 カタカナも漢字も同じ種類のように見えます。
しかしノビタキ、ジョウビタキ、ルリビタキなどはツグミ科で、キビタキ、オオルリなどはヒタキ科という分類に分かれていることです。

図鑑をよ~く見ると、足の長さが違うのに気付いたかな? じつはここが大事なポイントなのです。
ツグミ科は足がちょっと長くて強めで、エサ取りは「地上採取型」。
それに対して、ヒタキ科はツグミ科よりも足がやや短く弱めなため、枝から飛び立って、飛んでいる昆虫などを捕まえる「空中捕獲型」という手法。
ちなみにキビタキの英名である「Narcissus Flycatcher」というのはここから来ています。
次からこれらの鳥の行動をじっくりと観察してみましょう。

更におまけの話。私がずっと愛用している「フールドガイド 日本の野鳥」高野伸二 著 日本野鳥の会発行 では「小型ツグミ類」とか「大型ツグミ類」という名前を使っていますが、これは便宜的なもので学術的なものではありません・・・が、これを知っていると似ている仲間の仕分けがすっごく便利!


4月下旬頃から5月上旬頃に浜松でも少数が通過していきます。春は繁殖地へ一刻も早く着きたいのかササッと渡ってしまい、あまり見かけるチャンスは多くありません。

富士山麓の草原で暮らす♂はこんなふうに頭が真っ黒になっています。
広い草原の雰囲気にピッタリな、のどかでやさしい美声で囀ります。

こちらはママ

この幼鳥はまだ時々、親からエサをもらっていました。
秋にはもっとしっかりとして浜松を通過していくことでしょう。








学力テスト Vol.347-1

 今回のクイズの難易度はいかが? 図鑑がなくてもわかるかな?  期待してます!

ヒントは満載だし、これで満点が取れなきゃ いつ取る?・・・ってくらいに簡単!?

A

B

C


以下の内容はクイズとは何の関連もありません。
ウグイスが日本の三鳴鳥というのは誰でも知ってる話。
それほど有名なのに、ウグイスというのはムシクイの仲間と同じく、通常は藪の中からなかなか出てこなくて、姿を見せることは少なく、それでもあの美声で鳴くので存在感はピカイチ!!
そんなウグイスが、ごくごくたまに木のてっぺんで鳴くことがあるのです。

今回のウグイス君は、通例の行動パターンなんて吹っ飛んでしまうような超変わり種!

最初に聞き始めたのは多分 6/20 頃。

ある朝、そのよく通る声が近くから、しかも上空から聞こえてきました。
探してみると、何と何と部屋のすぐ前の電柱のてっぺんで囀っているではありませんか!!
「あれまあ~、君ってどうしちゃったの?」 そんなこちらの思いを無視してひたすら鳴き続けます。

そもそも囀りとはメスへのプロポーズや縄張り宣言というのが定説。
こんな6月下旬にプロポーズって、そもそもどうかしちゃったのかな? 可愛い彼女に振られて新規のお相手を探してる最中?! 
他のウグイスもいる佐鳴湖公園あたりだったら話は分かるけど、この辺りの電柱のてっぺんで鳴くっていうのはどんなわけがあるのかな? 単なるのど自慢なのかな?

今日も早朝から夕方まで鳴いていたけど、ここ最近はその縄張りもだいぶ広がって200mほどのエリアになってきました。
とにかく、いつもどこでも電柱や電線の上がソングポストだから目立つこと、この上なし!! 100m先からの囀りだって聞こえてきます。

そこでハタと思いだしたのが、この写真のウグイス君。

昨年の5/20に撮ったものだけど、我が家から直線で300mほど先の雑木林のてっぺんで鳴いていたのを撮ったものです。この時も数日間 同じような場所で鳴いていました。
この時も遊歩道のすぐ近くだったので歩行者からは丸見え状態!!
声は誰でも知ってるので誤認することはありません。「へぇ~、ウグイスって初めて見たぞ~~」という人がかなりいました。

今回、もし同じ個体だったとしたら、本人にその行動の理由を聞きたいし、いつまで続くのかもすっごく興味があります。時期外れなことも面白いし、そもそも かれこれ3週間になるのに毎日毎日のことで、鳴き止める気配は一切なし! 

彼にとっておきの命名をするとしたら「目立ちたがり屋」「お調子者」・・・などではなくてコレ・・・『恋の探求者』!!

※ウグイスの声ってものすご~く大きいのです。このウグイス君、時々我が家の庭にも来るけど、近すぎてTVの音が聞こえないくらいのでっかい声!! 
鳥の鳴き声もヒトの歌声も、美声はほどほどのボリュームで聴いてこそ、その価値が出るというもの!
※「聞く」と「聴く」の違いは自分で調べてね。その方が覚えられるから。







学力テスト Vol.346-3 その解答 クロツグミ

 クロツグミ

最近ではクロツグミのことを表すのにピッタリな「森のフルート奏者」というキャッチフレーズを使うことがないようです。

「森の忍者」「森のピッコロ奏者」「草原のピッコロ奏者」などいろいろいますが、それぞれどの鳥のことか判るかな? 別にクイズではないので、気になったら検索してみて下さい。

逆光だったので、しっかりとした色が出ていなくてスミマセン。
このように、クロツグミは木のてっぺんで囀る習性があります。
日本の三鳴鳥(ウグイス・コマドリ・オオルリ)に勝るとも劣らない美声ですぞ!

薄暗い樹林に入ると、ガサゴソと虫探しをしているクロツグミに出会えるかも?

「Simple is best」を地で行くようなスッキリとしたダンディさ!!
40年ほど前にレナウンが始めた「Simple life」の主役にピッタリです。


♀は地味な上に目立たないような生活習慣なので、遭遇できるとしたら このような水場しかなさそうです。


図鑑でも印象の少ない鳥なので、せっかく水場に出てきても「あれ? これって誰だっけ?」と言われてしまうことが、しばし・・・ 
でも子育てする♀はこのくらいの目立たなさ、控えめな方がいいのです。

奥ゆかしい女性っていいなあ! それだけですっごくドキドキしちゃうな~! どこかにいないかなっ?!?! きっといないんだろうなあ。









学力テスト Vol.346-2 その解答 ホシムクドリ 

 ホシムクドリ


ほぼ毎年観察できるので超珍鳥ではないけれど、冬鳥として来てくれます。
この年は7羽の大群で!

12/10撮影の冬羽

国内ではこんな感じの緑系の鳥自体が少ないので、その点でも珍鳥扱いされるのでしょう。

3/9撮影 
嘴が黄色く変化して夏羽になってきました。逆光での撮影。

上の写真と同じ個体ですが、こちらは順光で撮ったもの。

まるで別人のように、緑や赤紫がテカテカと眩しいくらいにピカピカです!!
当然ながら、これも「構造色」という仕組みのなせる業!

名前の由来は見てのとおりの体中に煌めく星模様から!!
英名では「Common Starling」。
「Common」とはヒトの姓で言えば、国内のどこにでもいる、ランキング1位の「佐藤さん」や2位の「鈴木さん」みたいなもので「ごく普通」という意味です。

学名では「Sturnus vulgaris」。「vulgaris」とは「普通の・平凡な・ありふれた」という意味です。
ヨーロッパには行ったことがないけど、英名にも学名にも「ごく普通」と付けられているんじゃ、きっとあちらでは誰も見向きもしないほど、どこでも見られちゃうんだろうね~

だからTVでヨーロッパの風景が写った時に気をつけて見ていればきっと見つかると思うな!
TVで外国の鳥を見て今年は何種見た!とカウントするという鳥屋もいるって話も聞いてますよ!  鳥キチのやることってスゴイね~ 
さすがに私しゃ、いくら暇があってもそこまではやらないけどネッ!








学力テスト Vol.346-1

 今回も写真のクイズにしてみました。

さて結果はどう出るか!?!? 実はちょっと楽しみなのです。

A

B

C




学力テスト Vol.345-4 その解答 アカガシラサギ

アカガシラサギ

こちらは冬羽です。
この写真を見て、どこが「アカガシラ」じゃ?と思うはず。

飛んでいても、他のサギ類とは明らかに雰囲気が異なります。

ピッカピカの夏羽に変身!! 
これなら「アカガシラサギ」の名前に納得!

さらに、よ~く見るとこの個体には図鑑でもめったにお目にかかれないポイントが!
それは目先のライトブルーと紅生姜色の赤い足!! 

図鑑には冬羽も夏羽も雌雄同色と書かれているけど、これらの部位の婚姻色からこの個体は♂ではないかと思われます。いやいや、そうに違いない!!
図鑑に載っていない貴重な♂の「アカガシラサギ」、はるばると土浦まで遠征した甲斐がありました。

これだけ冬羽から夏羽へ劇的に変化するサギもいません。

ましてや国内で見ることはけっこう稀で、大陸からの迷鳥なのです。

英名は「Chinese Pond Heron」
名前が表わすように中国東南部からインドシナ半島、マレー半島、ボルネオ島などが生息地。

「Wikipedia」で英名を入れて検索 →「翻訳のターゲット言語」を日本語にすると→ あっという間に本文が日本語表示に置き換え完了!! この方法なら、今までイラストや写真を眺めていただけの洋書に書いてあるものが、おおよそですが解ってしまうのです! 
こんな瞬間に思うことは・・・生きててよかった~!

以前にも書いたことがあったような気がするけど、英名検索のメリットは、国内では撮影できないような写真がたくさん載っているので、そこらも楽しみの一つ・・・例えばミミカイツブリを英名で検索すると、繁殖地でのすごい写真がごっそりと出てきてビックリ!! 
一度試してみてはいかが?

さらに学名も面白くて 「Ardeola bacchus 」といいます。
酒好きやチョコ好きならピンとくるだろうけど、「バッカス」というのはローマ神話に登場する酒と酒宴の神様のこと。ここでは、この一風変わった赤紫色のヘアスタイルがぶどう酒をイメージするからなのだそうな。

東南アジアでぶどう酒? ワイン? そんな歴史があったっけ?!?!
いやいや、この辺りはワイン好きの欧州人がいにしえの昔から開拓に来ていたところ。
欧州にはこんな鳥はいないので、バードウォッチングの歴史も長く、目ざとい彼らが「アカガシラサギ」を見つけたのでしょう。きっと!・・・どうかこれらの推測が当たっていますように!

チョコレートでバッカスと言えば真ん中にブランデーが入っているやつのことでしたよね!
ロッテでは1964年に、そのものズバリの商品名である「Bacchus」という名称で発売し、現在でも人気商品として製造中。
※包装紙には「3.2%のアルコールが入っているので、運転する前や運転中はご遠慮ください」と注意書きが書かれていますよ。






 

学力テスト Vol.345-3 その解答 サンカノゴイ

 サンカノゴイ

これも少々変わった名前なので、由来をご紹介しましょう。

漢字の表記では「山家五位」。

「山家」とは田舎のことで、「五位」は当然ながらゴイサギのこと。

すなわち人里から離れた田舎に住んでいる、ゴイサギに体型が似ている鳥という意味です。


水田地帯や湖沼のヨシ原に生息していて、姿を見ることはなかなかありません・・・というのもヨシ原の中に潜んでいることが多くて姿を現すことが稀なのです。


初めて見たのは遠征先の琵琶湖の下物町の個体で、明け方からヨシ原を3時間ほど観察して、見ることができたのはフワッと飛び出して20mほど先に舞い降りた時だけ!!


後はヨシ原から時折「ボウ~、ボウ~」という食用ガエル(ウシガエル)の声を1オクターブ下げたような声のみ。地鳴りのような迫力ある声! 声だけでも聴きごたえがありますが、姿を見るとなると、それほどにやっかいな代物なのです。


2/16 風が強かったせいもあってヨシ原に隠れていました。

どこにいるのかって? この日はずっとこんな感じ! これじゃ、クイズの写真にしかなりません。グスン 



ところが、事情が一変!! 3/22 彼岸の墓参りを早々に済ませて遠征してみました。
今回は刈り取り作業中のヨシ原で堂々と姿を見せているのです! しかも緑バックと絶好!
こんなチャンスはそうそうあるものではありません!!!!! ご先祖様に感謝感謝です。
そこで今回は、彼の食事風景をじっくりと観察することにしました。

獲物に狙い定めたら、首を思いっきり伸ばして・・・

見事、アメリカザリガニをゲット~!!

おもむろに咥えなおして…

普通の鳥なら ここから先はザリガニの爪が邪魔するし、喉などを傷めるので、爪をちぎるか、もしくは飲み込む際には尻からが常識!

ところがです! 何と何と、そのままゴックンと飲み込んでしまいました! 
豪快~!!・・・というか細かいことには、お構いなしの大雑把な性格?!?!


歩く速さは、わかりやすく言えば太極拳のようなゆったりとしたスピードです。
いやいや、もっともっとゆっくりと優雅に歩きます。



姿勢はこのように首を伸ばして周囲をうかがうとき以外は、すべて頭も低くした伏せの形でそのまま前進。このような歩き方は大腿四頭筋や、ハムストリングなどを鍛えるエクササイズには最適!! ・・・なのですがヒトなら数分も維持できないでしょう。それをず~~とです! さすが・さすがです!! 「ヨシ原の忍者」という称号がピッタリ!!

しばらく歩いていると、また何やら見つけたようです。
ズイズイとこちらに近づいて来て、その距離10mを切ってしまいました!!
うわわ~、これ以上来られたら、はみ出してしまいます!

おっと、動きが止まりました! 見つけたかな?!?!

捕まえたのはカエル!

アッチャ~、飲み込むのが早すぎて口元に写っているのはカエルの足だけ!!

ゴイサギの体長が58cmに対してサンカノゴイは64cmで1.1倍。それだけの差なの?
しかし体重ではゴイサギが約550gなのに対して、サンカノゴイは約2倍の1000g。
なるほど、これなら大きく見えるわけだわい。だから食欲も旺盛!!

学名もそのあたりはしっかりと心得ていて 「Botaurus stellaris 」 すなわち「星斑のある雄牛」 なんだそうな。

絶滅危惧種(EN:絶滅危惧1B類)に指定されるほど少数なんだから、たくさん食べて子孫を増やしてもらわなくっちゃね~!

首を伸ばして上空を気にしています。

首の下周りを膨らませて威嚇のポーズ。この時はトビが飛んでいました。

数年前に撮った威嚇のポーズ 

まるでパンパスグラスそのもの! こんなに伸びるのか~と思うくらいに、首を伸ばしながら、首回りの毛を思いっきり広げています。
このように体は大きくても警戒心が強く、ハートは至ってデリケート! 
それが生き延びるコツなのかもネ!




  













学力テスト Vol.345-2 その解答 ゴイサギ

 ゴイサギ

そのちょっと変わった名前の由来は、図鑑やネットを見れば書いてあります。「ゴイ」が付く名前の数種類のサギたちにも関係があるので、サラッとおさらいをしておきましょう。

「五位」とは鎌倉時代の貴族の階級のひとつ。

ある時、醍醐天皇が池にいた鳥を見て部下に「あの鷺を捕えてまいれ」と命じました。
(その時の役人は六位:天皇に使える役人の官職は六位~八位)

鷺は当然ながら逃げようとしたが、役人が「宣旨(せんじ:天皇のお言葉)である」と言うと、鷺がその場に平伏したので、捕まえて天皇に差し出しました。
天皇は、それを見て「宣旨に従って来たのは神妙である。よって褒美に五位の官位を授ける。」「今日からは、鷺の中の王である」と書いた札を作り、鷺の首にかけて放しました。

というわけで、貴族の位(一位~五位)をもらって、捕まえに来た六位の役人よりも上位になった・・・という鎌倉時代初期に書かれた「平家物語」の中のお話。
実際に、室町時代の頃から「ゴイサギ」と呼ばれていたとのことです。

そんなどこにも書いてあることはさておき、ここでは冠羽に注目してみました。

いつもはこんなふうに1本に見えますが・・・

冠羽は複数から成っていて、通常は3本ほど。

興奮してピーンと伸びた冠羽が、根元から見えている瞬間!


よく見ると数本が重なっているのがわかりますが、すごいのは冠羽の先端まで自分の意思で動かせるという事!! ・・・鳥の能力ってこんなこともできるんかい!!
畳のヘリに蹴つまづいて、よろける我が身の何とさみしいことか!!

巣立ちが近いヒナ 
パタパタと飛ぶ練習に余念がありません。

巣立ちして飛び回る幼鳥。

背面に黄褐色の斑点がたくさんあって、そこから「ホシゴイ(星五位)」という洒落た名前をもらっています。

幼鳥が枝を咥えて巣に戻ってきました。

これは「ヘルパー」と呼ばれる、同じ仲間の繁殖を手伝う行為です。・・・ということは、たぶん前年生まれの娘か息子?!?! それとも巣立ったばかりの幼鳥?  いずれにせよ感心・感心!!

当然ながら、イクメンパパの父親も枝を集めてきます。 

こんな感じで、家族総出で子孫繁栄を図ります。

さてと、畳のヘリで転ばぬように、今日も外出して体力を養わなくっちゃ!! 
んっ、単に遊びに行くんじゃないのかって? そんなことは絶対にありません。
寝たきり老人になって家族の迷惑にならぬよう、ひいては社会のために老人医療費を使わぬように・・・という深謀遠慮なのですから!