コマドリ ~ 審美眼 ~
夏鳥として渡ってくる赤い小鳥と言えば、誰でも知っている「コマドリ」。
でも、名前は知っていてもなかなかその姿を見るチャンスはありません。
ウグイスやオオルリと共に、「日本の三鳴鳥」と言われているように、その美しい歌声はかなり離れていても聞こえてきます。コマドリはシャイな性格で、半日陰のような薄暗い林の中が大好き! 暗いところを好むのはいつくかの理由があります。
まずは外敵から見つかりにくくて安全。そして彼らは地上性の生活スタイルなので、エサも湿った場所でミミズや昆虫を探します。このようなエサは直射日光が当たる乾燥した場所よりも暗くて湿った場所の方がたくさんいるのです。
でも、そんな薄暗いところにいても赤くて素敵な色をしています! それが今回の「審美眼」の話に繋がります。
「審美眼(しんびがん)」というのは、美しいものや価値のあるものを見分ける力のことで、ここではメスの眼力で、自分にとってふさわしいオスを選択する・・・という意味です。
メスは、より美しい羽をもったオス、より美しく振舞うオスを好んで選びます。この選ぶという行動がオスを美しく進化させているのです。これを「性選択」といいます。
オスは自分が選ばれなければ子孫を残すことができません。だから必死になってメスに気に入られようと努力します。要するに、美しくなったオスの進化はメスがうながした結果なのです。メスの力は偉大なり!!
メスがオスを選ぶ時には ①元気そう ②強そう ③羽がきれい・・・そんなオスを選びます。それが基本で、当然ながらさらに彼女自身の好みも加味されます。ヒトの結婚と同じく「ええっ、そんなとこに惚れたのかよ!」という思わぬ展開も!!
こちらはメス
この彼女が、言い寄って来たオスに対していろいろ質問をしていました。
メス「このアタイを口説こうってんだからさ、アンタさぞかし自信があるんだろうねっ!」
オス「い・いえいえ、そ・そんなに自信なんてないっす。オイラにとっちゃ神レベルで恐れ多いけど、当たって砕けろ~ってヤツです、デヘヘ・・・」
メス「ふ~ん、いい度胸してんじゃん! それにしてもアンタって何か不格好だね~、ちょっと足が短いんじゃない? 男はみかけじゃないっていうのは判ってるから、まあ足の長さくらいは目をつぶってやるけどね!」
オス「あ・あざ~っす!」
メス「肝心の歌声は? ん?んん? アタイの好きなハスキーヴォイスじゃん! う~ん、なかなかいいじゃん! ちょっとJAZZっぽいのを歌ってみな? おおっ、ロッド・スチュアートみたいですっごくいいじゃん!! 最近はさあ、すね毛は剃っちゃうし、ヘアスタイルはみんな同じような茶髪だし、歌声もファルセットだか何だか知らないけど、うら声が出せりゃ上手いと思ってるやつらが多くてさ~、・・・あんなのダメダメ~~!!」オス「うっひょ~、ほめられちゃったい! やった、やった~!!」 ( 心の声:こんな濁った声のどこがいいのやら・・・今まで親を恨んでたけど、感謝感謝!! )
メス「ところでアンタさ~!ちょっとメタボっぽいけど BMI は大丈夫? 血圧は? それと、やけに羽にツヤがあって、なかなかイイ線いってるけど、何を食べてんの?
ん、んん?コガネグモが大好き?! そりゃいいね~ あれってコラーゲンをいっぱい含んでて、お肌がプリプリになるっていう有名なやつだね? ここらにゃいないんで、今度アタイにも持って来ておくれでないかえ?」
オス「も・もちろんっす!!」
どうやら、この辺りでピカイチのオネイサマに気に入ってもらえたみたいで・・・めでたしめでたし!!です。
最後に、コマドリの趾(あしゆび)は、最も標準的な「三前趾足(さんぜんしそく)」です。
※文中で紹介した Rod Stewart の歌う「What A Wonderful World」をYOU TUBEで聴いてみて下さい。もちろん、ご本家の Louis Armstrong の歌も忘れずに。