サンカノゴイ
これも少々変わった名前なので、由来をご紹介しましょう。
漢字の表記では「山家五位」。
「山家」とは田舎のことで、「五位」は当然ながらゴイサギのこと。
すなわち人里から離れた田舎に住んでいる、ゴイサギに体型が似ている鳥という意味です。
水田地帯や湖沼のヨシ原に生息していて、姿を見ることはなかなかありません・・・というのもヨシ原の中に潜んでいることが多くて姿を現すことが稀なのです。
初めて見たのは遠征先の琵琶湖の下物町の個体で、明け方からヨシ原を3時間ほど観察して、見ることができたのはフワッと飛び出して20mほど先に舞い降りた時だけ!!
後はヨシ原から時折「ボウ~、ボウ~」という食用ガエル(ウシガエル)の声を1オクターブ下げたような声のみ。地鳴りのような迫力ある声! 声だけでも聴きごたえがありますが、姿を見るとなると、それほどにやっかいな代物なのです。
2/16 風が強かったせいもあってヨシ原に隠れていました。
どこにいるのかって? この日はずっとこんな感じ! これじゃ、クイズの写真にしかなりません。グスン
ところが、事情が一変!! 3/22 彼岸の墓参りを早々に済ませて遠征してみました。
今回は刈り取り作業中のヨシ原で堂々と姿を見せているのです! しかも緑バックと絶好!
こんなチャンスはそうそうあるものではありません!!!!! ご先祖様に感謝感謝です。
そこで今回は、彼の食事風景をじっくりと観察することにしました。
獲物に狙い定めたら、首を思いっきり伸ばして・・・
見事、アメリカザリガニをゲット~!!
おもむろに咥えなおして…
普通の鳥なら ここから先はザリガニの爪が邪魔するし、喉などを傷めるので、爪をちぎるか、もしくは飲み込む際には尻からが常識!
ところがです! 何と何と、そのままゴックンと飲み込んでしまいました!
豪快~!!・・・というか細かいことには、お構いなしの大雑把な性格?!?!
歩く速さは、わかりやすく言えば太極拳のようなゆったりとしたスピードです。
いやいや、もっともっとゆっくりと優雅に歩きます。
姿勢はこのように首を伸ばして周囲をうかがうとき以外は、すべて頭も低くした伏せの形でそのまま前進。このような歩き方は大腿四頭筋や、ハムストリングなどを鍛えるエクササイズには最適!! ・・・なのですがヒトなら数分も維持できないでしょう。それをず~~とです! さすが・さすがです!! 「ヨシ原の忍者」という称号がピッタリ!!
しばらく歩いていると、また何やら見つけたようです。
ズイズイとこちらに近づいて来て、その距離10mを切ってしまいました!!
うわわ~、これ以上来られたら、はみ出してしまいます!
おっと、動きが止まりました! 見つけたかな?!?!
捕まえたのはカエル!
アッチャ~、飲み込むのが早すぎて口元に写っているのはカエルの足だけ!!
ゴイサギの体長が58cmに対してサンカノゴイは64cmで1.1倍。それだけの差なの?
しかし体重ではゴイサギが約550gなのに対して、サンカノゴイは約2倍の1000g。
なるほど、これなら大きく見えるわけだわい。だから食欲も旺盛!!
学名もそのあたりはしっかりと心得ていて 「Botaurus stellaris 」 すなわち「星斑のある雄牛」 なんだそうな。
絶滅危惧種(EN:絶滅危惧1B類)に指定されるほど少数なんだから、たくさん食べて子孫を増やしてもらわなくっちゃね~!
首を伸ばして上空を気にしています。
首の下周りを膨らませて威嚇のポーズ。この時はトビが飛んでいました。
数年前に撮った威嚇のポーズ
まるでパンパスグラスそのもの! こんなに伸びるのか~と思うくらいに、首を伸ばしながら、首回りの毛を思いっきり広げています。
このように体は大きくても警戒心が強く、ハートは至ってデリケート!
それが生き延びるコツなのかもネ!
「サンカノゴイ」
返信削除正に「ヨシ原の忍者」ですね!!
最後の写真の見事な変身!!
何処がどうなっているのか、よ~く見てやっと分かりました(^^♪
ヨシ原に伏せている時でも見逃してしまうことがありました。
返信削除隠ぺい色とはまさにこのこと!
ヒトは悪いことをしたら隠ぺいしたがる習性があるけど、悪さをしたらしたで、悪あがきをせずに潔くしないとねっ!