ヒメアマツバメ その1 ~ 羽毛布団 ~
ヒメアマツバメ
名前に「ツバメ」と付いているので紛らわしいのですが、「ツバメ科」とは全く異なる種の「アマツバメ科」に属します。どの図鑑を見てもツバメとは離れたページに掲載されているのはそのせいです。彼らは国内では他にいない「皆前趾足」という足指の形をしています。
「鳥のフィールドサイン 観察ガイド」より 箕輪義隆
世界に目を向けても、「皆前趾足」という鳥は「垂直な壁にしがみつく」「枝にぶら下がる」という特殊な生態を持つものばかりで「アマツバメ科」以外には「アブラヨタカ科」と「ネズミドリ科」しかいません。
もともとはアフリカから東アジアにいたる熱帯から暖温帯地方に広く分布していた鳥で、日本にはいませんでした。 日本で最初の記録は1966年代に神奈川県や鹿児島県で観察され、翌年の1967年7月には静岡市内で、国内で初めて繁殖が確認されました。留鳥として越冬できるようになったのは暖かい羽毛布団で包まれた巣があるからです。
ヒメアマツバメの巣については。以前も紹介しましたが、よくコシアカツバメの巣をリフォームして使います。ヒメアマツバメは留鳥なので、夏鳥であるコシアカツバメがいなくなった巣に羽毛を持ち込んで自分たちが越冬できるように改築するのです。
どちらもコシアカツバメの巣ですが、右側がヒメアマ君がリフォームしたもので巣の入り口からは羽毛がはみ出しています。
これなら土台ができているので、リフォームの手間はさほどかかりません。もちろん巣の中にも羽毛がいっぱい!
ヒメアマツバメの巣で地上からは10mほどのところにあります。
こちらはコシアカの巣を利用するのではなく、最初から自分で作った巣です。今回お邪魔した厚木市文化会館では80羽以上が生息していて、35個ほどあるすべてがこんな巣でした。
今回訪問したら、係の方がとても貴重なものを見せてくれました。
今年になって、ヒメアマツバメの巣が落ちてきたのです。大きさは20㎝以上。
この巣を作るには4ヶ月以上掛かるといいます。
羽を咥えて戻ってきました。
どうしてそんなに巣作りに長時間掛るのか?
それは巣材の羽毛やワラのようなものはすべてヒメアマツバメが空中を漂っている羽を集めたものだからです。それに自分の唾液を混ぜて作るのです。
飛ぶことに特化した彼らは地面に降りたり、電線に止まることはありません。巣材の調達はすべて空中からなのです! 次回へ続く。
P.S. 厚木市文化会館はヒメアマツバメの見守り活動のほか、観察会(不定期)を実施しています。2023~24年に行われた建物の改修工事の折にも、ヒメアマツバメとの共生を図るために騒音や振動、塗装の臭い、クレーン車の影響などにも専門家指導のもとに配慮して工事を実施したため、すべてのアマツバメが逃げなかったことを確認したとのことでした。すばらしい!!


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