まず大事なこと・・・コクガンは1971年に天然記念物に指定されております。
それだけ数が少ないってことです。レッドリストでは『絶滅危惧種Ⅱ(UV)』すなわち絶滅の危険が増大している種 になっているのです。
※『生物の最小存続可能個体数』は約1000という指標があります。
今回飛来したのは成鳥(先頭)と幼鳥が2羽で多分、家族です。
ガン類と言えば国内ではマガン、ヒシクイが多数を占めていて、それ以外では少数でカリガネ、シジュウカラガン、ハクガン、サカツラガン、そしてコクガンなどがいます。
コクガンは小型で、マガモ(右側)とほぼ同サイズ
ガンというイメージからなのか、実際に実物を比較して見ても、マガモと2cmしか違わないのにコクガンの方がはるかに大きく見えてしまう錯覚が不思議。
コクガンが他のガンと大きく異なる特徴は海岸に生息すること。
アマモなどの海藻類が大好物。
1992年の調査では1000羽前後と言われていたけど、最近の2014年から15年にかけての調査では、秋には8600羽、冬には2500羽、春には3100羽が観察されているとのこと。
秋や春の通過記録に比べて、冬の数が少ないのは、それがどこかで越冬していて(多分、中国大陸だろうとの推測)それは今後の調査でコクガンにGPSを装着して調べる計画があるのだそうな。
国内では宮城県と北海道の野付半島で生息数の90%以上が観察されていて、静岡県などではホンの少々のおこぼれが見られるというわけです。
海藻の生えている海岸は、コンクリートやブロックで次第に護岸工事が進んでいて、面積が確実に減少しています。
冬鳥の飛来数が減ってきた要因は?ということで調べてみたら、繁殖地でトナカイの家畜化などで従来の環境を維持できなくなってる・・・と、残念な話ばかり! ここらで何とかしないとね!
そして、さらに深刻なのが、地球温暖化!!
WWFジャパンが「地球温暖化による野生生物への影響」というのを載せています。
イギリスのRSPBの「鳥は地球温暖化問題の隠れた犠牲者」というのも載っていました。
「温暖化」と「環境破壊」どちらもヒトの生活が原因!!
と、いうわけで真面目に将来を心配しないとね!!
できることは些細かもしれないけど、できる限り自然に影響を及ぼさないような生活をする・・・ということから実践してみようかな!
コクガンは天然記念物なんですね!
返信削除海藻の生えている海岸の減少は厳しい~!
トナカイの家畜化も冬鳥の飛来数が減ってきた要因との事ですが
どういう事なのでしょうか?
トナカイの家畜化ということは、家畜となっている馬や牛と同じと思えば分かりやすいかな?
返信削除具体的に言うと、自然状態よりもトナカイの数を増やしてヒトのために利用する・・・すなわち乳用、食用、毛皮用、さらにはソリを引く荷役用などです。
トナカイは草食性で、苔までも食べるし、時にはレミングや虫などの小動物も食べるのだそうです・・・ということはトナカイの数が増えれば、野鳥たちの餌となる草や種子、それに伴って昆虫なども減ってくるということだと思います。
コクガンの餌となる海藻類との関連は薄いかもしれませんが、日本に飛来する冬鳥である、他のガンカモ類や小鳥たちの繁殖にとっては脅威ですよね!?!?
トナカイの家畜化の害、良く分かりました。ありがとうございます♬
返信削除「レミング」ってなんだろうと調べてみました。
集団で入水自殺をすると思われていたネズミの仲間。初めて知りました♪