学力テスト Vol.308-5 その解答 タマシギ

タマシギ
どこぞの外国に行くと、今でも「一夫多妻」というという国があるそうな。
日本でも江戸時代の頃までは、殿さまなどが第二夫人、第三夫人を囲って子孫繁栄やら、お家安泰のためにと称して子沢山に励む日々! 

うわ~、エエナァなんて言っちゃダメ~、殿様でなく一般人であっても、江戸時代の豪商じゃないんだから、そんなものにあこがれちゃダメなのです。
どうせそんな甲斐性なんてないでしょうけどネ! 
そもそも、奥方1人でも手に余ってるのに、そんなのが2人以上になったらどうすっのさ!
毎日毎日が針のむしろの上に座ってるようなもんなんですぞ!

さて、本題。
鳥の社会でも、ごく少数派ではあるけど、「一妻多夫」の制度をとっているのは、世界の鳥類全体でも0.4% !!

日本国内では約630種類の中のたった3種類・・・その中でも最も知られているのが、このタマシギ。
他にはミフウズラとアカエリヒレアシシギ。
タマシギ以外の種類はなかなか見る機会もないので、この形態に興味があったらタマシギ一家の観察が最適でござる。

探す時期は田植え後しばらくしてから、稲がこんな具合にタマシギが隠れるくらいに成長し始めた頃です。


まずはのご紹介。

千歳町(浜松の歓楽街です)に闊歩するオネイさまたちに勝るとも劣らないド派手な化粧! キョウジョシギと競うけど、あちらはでこれだけ目立つ鳥はおりませぬ。

和名の由来は目の周りの勾玉模様から。
英語名では「Painted Snipe」・・・厚化粧のシギってことか! あちらの人も思ってることは同じみたいだけど、表現がストレートでいけません。和名の方が風情があっていいね!

鳥の場合は世界に約1万種類いる中で、90%以上が「一夫一妻性」という繁殖形態です。
その多くは、の身なりが派手で、は限りなく地味。
は営巣する時に、派手な服装だと外敵に目立つからヤダというのが大きな理由。

こちらが♂  
明らかに「一夫一妻制」と比べて♂♀の色彩が逆転しています。


が鳴いてを呼んでいます。物まねもできるような声だからネットで調べてみてネ!
この声がには何とも魅力的な、心を震わせる歌声に聞こえるようです。


ペアが成立するとの行動は徹底した「婦唱夫随型」で、ひたすら妻のあとを。


警戒する時も同じ姿勢で

ちょっと話が脱線するけど、我が家の前を通って佐鳴湖へ散歩する3ペアのご夫婦。その誰もが決まって夫が先に立って、奥方は1~2歩 遅れてついていきます。決して並んで歩くという事はありませぬ。
おっと、わざわざ観察してるんじゃなくって、部屋の前を通るから見えちゃうんですぞ。
何でだろ? 一緒に横を歩けばいいのに。恋人時代からこんなふうだったのけ? 
結婚した途端に亭主関白気分? もしかして外づらだけこんなにしてる? 
いずれにせよ摩訶不思議な行動?!?!

おっとっと、そう言えばいたいた~、ご近所に逆パターンのご夫婦が! 
散歩も買い物もすべての時において奥様が颯爽と大股で前を歩き、その後ろから、か細い旦那様が猫背で下向きにトボトボと歩くペアが!!
ドッヒャ~! これからは内緒でタマシギペアって呼んじゃおうかな~
・・・なんてことは、それぞれの家庭の事情だからどうでもいいんだけどさ。

閑話休題、タマシギの場合はほとんどの場合、が先頭ではその後をピッタリとついて行きます。
その様子はボディガードというよりも、決してアンタのそばを離れませぬ!という雰囲気! 見ていてもいじらしいほどです! 

もしかしたら、この婦唱夫随型」こそが家庭円満のコツなのかな?!?! まあ、我が家では昔から、ごく自然にやってるパターンだから全然違和感はないんだけどねっ!


タマシギは警戒心がハンパナイです。
時にはこんなふうに身体を半分水没させて隠れることも!

「一妻多夫」の制度を順守して、♀は♂が作った巣に産卵すると、子育ては100%♂に任せて、他の♂を探しに行ってしまいます。


警戒心が強いという割には、営巣はこんな感じで田んぼの畔道の目立つ場所に!


または、こんなふうに田んぼの真ん中の開けっぴろげのところに!!
もちろん、草の生い茂ったところにも営巣するんだろうけどネ!


3週間ほどの抱卵で、ついにかわゆいヒナが4羽誕生!! 
は甲斐甲斐しく、自分だけで育てます。

産まれたヒナは「早成型」で孵化後2~3時間で乾く幼綿羽で厚くおおわれています。
目は開いていて、視力や聴力もよく発達しています。ただ、体温調節能力がまだ不完全なので、寒かったり雨の場合は父親のみが頼りです。

産卵してすぐに他ののところへ行ってしまったは、ホントにもう無関心なのかな?
気になって今回改めて調べてみたら、この家族をまるっきり見捨てたというわけではなく、何かトラブルがあると駆けつけてと一緒に外敵に立ち向かうこともあるそうな。
そうだろな~、そうでなきゃね~!! ・・・それでこそ強き妻というもの!


タマシギにとっては、この一風変わった「一妻多夫」の方法が子孫を残す最善の策なんだろうね! カラスもイタチも多いから、みんな頑張れ~~~!!!













2 件のコメント:

  1. タマシギのお父さんの子育て応援したくなります。
    ヒナが無事に巣立ちできますように。
    タマシギペア(^^♪観察してみようと!

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  2. もう時期的には稲の背丈が高すぎて見つけられないかもしれないけど、あぜ道にいることもあります。
    鳥に詳しい人に、タマシギの住んでいる場所を教えてもらえばチャンスが増えますよ!

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