学力テスト Vol.372-2 その解答 ナベヅル ~ 鍋のスス? 修道女? ~ 

 ナベヅル ~ 鍋のスス? 修道女? ~

ナベヅルの英名は「Hooded Crane」これをそのままWikiで検索し、日本語変換すると「フード付きのクレーン」と直訳されていました。

「Hooded Crane」とは「フードをかぶったツル」という意味で、これは学名の「Grus monacha 」と同じ意味です。「Grus 」はツル、「 monacha 」は修道女。すなわち「白い布を頭からかぶった修道女」に見立てたのです。

和名の「ナベヅル」はその体色から、鍋底についたススのように黒い色をしていることから「鍋鶴」と名付けられました。 さて、今回の名付けのセンスはどちらに軍配が?!?!

国内最大種のアオサギが、こんなに小さく見えます。

ナベヅルの繁殖地はロシア南部のアムール川やウスリー川流域、秋には10月中旬に朝鮮半島経由で日本に渡って来ます。この2羽はその途中で仲間とはぐれて浜松近隣に来てしまったのかな? それとも愛の逃避行?!

従来の足環だけの標識調査だけでは困難だった「鳥の渡りルート」などについては、ツルなどの大型鳥類の場合、背中に小型発信器を装着して、それを人工衛星による追跡という形をとることにより、正確な位置を測定してデータが得られるようになっているのです。しかも最近では超小型の発信器で小鳥への装着もできるようになったとか。鳥の渡りを理解する・・・それは大きく言えば、自然の仕組みを理解する、すなわち未来に関わることに繋がる大事な事なのです。

※「鳥の渡り」に関しては謎ばかりですが、調査の歴史はまだまだ浅く、これがないと全く分かりません。詳細は『鳥類標識調査』環境省 をご覧ください。


こちらは今季、石川県で見かけた幼鳥です。
1羽だけなので随分と寂しそうでした。

鹿児島県の出水市に飛来するツルは今季は14,671羽、そのうちの85%がナベヅルです。世界的に見てもナベヅルの80%以上が出水市へ越冬に来るのです。

あとは山口県の周防市にも少数が定期的に飛来するだけ(今季は28羽)。これだと、もし鳥インフルエンザが蔓延したら一気に絶滅となってしまいます・・・現に、今冬は出水市でそんな騒ぎがあっただけに大いに心配されました。

 そんな中、三重県に今季48羽のナベヅルが飛来したとのこと。前期も4羽が越冬の実績があるので、もしこれが今後も恒常的な越冬地になってくれたら、一気に絶滅という心配事が、ほんの少しでも和らぐというものです。

採餌をしている時は、片方が周囲への警戒を怠りません。

今度は右が警戒中。まさに阿吽の呼吸とはこのこと!

ナベヅル君の頭かきは「直接型」

いつでも飛べるように、羽伸ばしのストレッチも怠りません。

愛を確かめ合う熱いKISS

・・・というよりも何やらこちらを見てヒソヒソ話かな?

「ネエ、ダーリン!さっきから気になってるんだけどさ~、あの遠くにいる車の中のオッチャンがず~っとこちらを見てるんだけど、知ってた?」
「うん、気づいてたよ!悪さはしないようだけど、パパラッチみたいでちょっとばっかしイラつくヤツだなっ!」
「私ってそんなに魅力的なのかしらん?」
「そりゃもう、お前ってすっごくイイ女だからね~」
「でも、あんまりずっと見てられるとウザイからトンズラしちゃおうかっ!」
「うん、それがいいかもネ」 チラチラとこちらを見てる視線から、こんな話が聞こえてきたような気が・・・

・・・なんてことはないんだろうけど、

しばらくして、どこかへ飛び去って行きました。

この後、幼鳥もこの2羽もどこかで仲間と合流できますように!!















3 件のコメント:

  1. 鍋底についたススの色から「ナベヅル」と名付けられたんですね~(;'∀')
    鹿児島県の出水市に飛来するツルの85%がナベヅル!!
    世界のナベヅルの80%以上が出水市へ越冬に来る!驚きです!!
    ナベヅル君の直接頭掻き、迫力ありますね!
    ナベヅルカップルのヒソヒソ話。楽しい翻訳に(*^-^*)��

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  2. 「鳥の渡り」に関して興味がわくように追記しておきました。

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  3. ありがとうございます!!

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