学力テスト Vol.373-1 ~頭かきシリーズ その19~

光陰矢の如しで、もう3月もお終い! 


我が家の前の小川に、数日前から「ニゴイ」が集結してきました。水深が30㎝ほどしかなく、3kmほど上流からの湧き水の清流ですが、ニゴイたちはここが大のお気に入りのようです。カウントしてみたら、すでに100匹ほどが・・・目的は産卵です。

ニゴイは体長が最大では70cmほどにもなる日本固有種のコイです。一般に言うコイというのは古く中国から移入された外来魚なのです。産卵時期になると、すぐ近所の佐鳴湖から遡上して来るようです。

4月中旬頃にはこのように大集結! 
300匹以上になるのですが、今年はどのくらい集まるかな?

さてさて、頭かきシリーズのネタはまだまだ在庫が充分です。冬鳥を紹介する季節が終わってしまいますが、クイズはそんなことには頓着なく進めていこうと思っております。

次の3種類の「鳥の名前」と「頭かき」の方法をセットで答えてください。

頭かきの方法 1:直接頭かき 2:間接頭かき

今回は細部に充分気をつければ大丈夫! さて、満点が取れるかな?

A

B

C







学力テスト Vol.372-4 その解答 オシドリ ~ 鴛鴦(えんおう)の契り ~

 オシドリ ~ 鴛鴦(えんおう)の契り ~

こんなカッコイイ彼にも、毎年いろいろな歴史があるのです。

「ほれほれ、アンタのことをこれから話すんだぞ~」「へっ?オイラのこと?」

オシドリ君は「直接頭かき」
「今回はオイラが主役だって?! デヘヘ」と、照れて頭を掻いてるわけじゃありません。

こちらは「老熟」の♂ もう若かりし頃の面影は微塵もありません。
羽は色あせて艶もなく、目はかすむし、腰は曲がるばかりで、飛ぶのもめんどくさい!!

左からピチピチギャルの♀がきても、下をうつむいたままで全く興味を示しません。
彼の趣味は盆栽と庭石を眺めること!


さてさて、よく言われる言葉で「おしどり夫婦」というのがあります。

結婚式のスピーチで使う「鴛鴦の契り」とか言うあの言葉の意味は「夫婦仲がよいこと」の例えです・・・が、これは実際のオシドリの生態を知らない人の言う言葉! 実は彼らは毎年新しいペアと結ばれるのです。

結婚生活も新婚時代を過ぎれば、新鮮味が無くなってしまうのは世の常! 新婚時代は何をしたって「しあわせ・あいしてる」 → それが経年変化で「ガマン・ニンタイ・シンボウ」に! ・・・あゝ、やだやだ~! その新婚時代にスポットを当ててみました。

右側が今回の主役の、見つめ合って愛をささいているふたり 

「ハニー、お前っていつ見ても可愛いね~ 惚れ惚れしちゃう~ 食べちゃいたい!」
「そういうダーリンだって世の中で一番カッコいいじゃん!!しびれちゃう~~!!」

そこへ、左から今回のトラブルメーカーのペアがやってきました。

右の♀A子が、左の♀B子にビビビッと警戒警報を発令!

A子「ちょっと、アンタ!!アンタさ~、今 うちのダーリンに色目を使ったでしょ!!」

B子「(ゲゲッ、バレてしもうたか!)あ~ん?アンタ何言うてんのや?! わたし~?!わたしって、そんな変な男に興味あらへんわ~!」

A子「そう言うアンタの旦那かて、すっげ~変じゃ~ん! 一見、カッコ良さそうに見えるけど、よく見りゃ足も短そうだし、ダッサ~~!!」

B子「ちょっとアンタ~ッ! 顔も不細工やけど言う事もえげつないやんけ~~!! ホンマに性格も悪そ~~!!! まあ、お似合いのカップルだけどね~ フン!」

B子は捨てぜりふを言うとスタコラ退散!


A子「ちょっと~、ダーリン! あんなこと言われて黙ってんの?! 男ならバシッと怒りなさいよっ!」「ええっ? そ、そう? そ、そんじゃ、ちょっとカッコつけちゃおかなっ!」


「オイ、そこのニイチャン ちょっと顔貸してくんな!」「な、なんでい! やろうってのか?!」「いいからちょっくら こっちへ来いってば~!」


(ヒソヒソ声で)「お互い、アイツらにいいとこ見せなきゃなんね~から、ちょっと喧嘩した振りだけしようぜっ! な?!」「お、おう~! ガッテンでい!」

「アチョ~~!!」「チョエ~~!!!」 ♀たちが注視の中、迫真の演技です!

「トリャ~!!」 ノリノリで演技しているうちに本気になってきました!
・・・もう、留まるところがありません!組んずほぐれつの大乱闘!! 

♀にとっても、この騒ぎは自分の♂の力を見極めるチャンスです! ダメ夫ならこの際、こんなヤツとっとと見切りをつけて捨てちまえ~!という魂胆が見え隠れします。こんなことを毎年繰り返して、新しいペアを見つけるんだから・・・ホント男はつらいねっ!

ここで同居人に聞いてみました。「イイ男って誰?」きっと、宝田明とか上原謙とか長谷川和夫って言うかと思ってたら、「そんなの知らねえ~」ときた。「じゃあ佐藤浩市とか舘ひろしあたりかな?」「ゼ~ンゼン」

ちょっと考えた後に返ってきた返事は「ディーン・フジオカ、モックン、町田啓太、佐藤健だなっ!」あわわわ~~、出るわ出るわ~ 欲が深っか~~、「東山動物園のシャバーニもええな~~ それに似てる西田敏行なんてええんじゃない?!」 もう好きにせいっ!!

































学力テスト Vol.372-3 その解答 ジョウビタキ ~ ダンディなロマンスグレー ~

ジョウビタキ ~ ダンディなロマンスグレー ~


ここ数日は気温が高くて、浜松でもソメイヨシノがようやくようやく開花しました!!

「ルリタテハ」
黒いのが目の前をブンブンと飛び回っていたら、きっとこれです。


1週間ほど前には、我が家の庭にも数年ぶりに「キタキチョウ」が来てくれました。

 「シオヤトンボ」
今季初!! 越冬するトンボ以外では、今頃まっ先に出現します。


さて、本題 今季はあきらめかけていたジョウビタキの「間接頭かき」が、ようやっとの思いで撮ることができました。


「あれ~、恥ずかしいからこんなとこと撮っちゃダメ~~」 何だか入浴中をのぞき見した気分です! 確かに彼女に警戒されないように、こっそり木陰に隠れての撮影だったけど・・・

漢字では「尉鶲」

「尉」とは謡曲(能)でいう、白髪の老人(翁:おきな)のことです。
他には「上鶲」と書いて上等なヒタキという説や「常鶲」と書いて、意味は秋になると常に訪れてくるヒタキという説があります。

我が家の周辺では10月20日頃には毎年欠かさずに来てくれます。最近はずっと♀だったのに、おととい庭で作業をしていたら、小さい声で「グググッ」っとジョウビタキの地鳴きが・・・振り返ると何と2m先に成鳥の♂が!
その後、気をつけて様子を見ていたら、どうやら追っかけっこもしていたので、最初にいた♀を追っ払って居座ったようです。
多分、渡りの移動中の♂が立ち寄ったのだと思われますが、こんな時期でも縄張り争いをするなんて初めて見ました!!

こちらは1年目の若鳥(1stW)

まだ、頭部も成鳥のような銀髪ではなく、背中にも茶色の羽毛があり、雨覆や風切りの羽縁に茶色味が見えます。あと2年ほどしたら超ダンディな紳士になることでしょう。

もし知り合いに北海道に住む人がいたらジョウビタキの写真を撮って送ってあげたら、きっと喜ばれますよ。冬鳥で全国どこにもいそうな感じですが、北海道では越冬しないのです。

おまけ:サントリーの「日本の鳥百科」に、ジョウビタキの民話が載っていました。
https://www.suntory.co.jp/eco/birds/encyclopedia/detail/1457.html












学力テスト Vol.372-2 その解答 ナベヅル ~ 鍋のスス? 修道女? ~ 

 ナベヅル ~ 鍋のスス? 修道女? ~

ナベヅルの英名は「Hooded Crane」これをそのままWikiで検索し、日本語変換すると「フード付きのクレーン」と直訳されていました。

「Hooded Crane」とは「フードをかぶったツル」という意味で、これは学名の「Grus monacha 」と同じ意味です。「Grus 」はツル、「 monacha 」は修道女。すなわち「白い布を頭からかぶった修道女」に見立てたのです。

和名の「ナベヅル」はその体色から、鍋底についたススのように黒い色をしていることから「鍋鶴」と名付けられました。 さて、今回の名付けのセンスはどちらに軍配が?!?!

国内最大種のアオサギが、こんなに小さく見えます。

ナベヅルの繁殖地はロシア南部のアムール川やウスリー川流域、秋には10月中旬に朝鮮半島経由で日本に渡って来ます。この2羽はその途中で仲間とはぐれて浜松近隣に来てしまったのかな? それとも愛の逃避行?!

従来の足環だけの標識調査だけでは困難だった「鳥の渡りルート」などについては、ツルなどの大型鳥類の場合、背中に小型発信器を装着して、それを人工衛星による追跡という形をとることにより、正確な位置を測定してデータが得られるようになっているのです。しかも最近では超小型の発信器で小鳥への装着もできるようになったとか。鳥の渡りを理解する・・・それは大きく言えば、自然の仕組みを理解する、すなわち未来に関わることに繋がる大事な事なのです。

※「鳥の渡り」に関しては謎ばかりですが、調査の歴史はまだまだ浅く、これがないと全く分かりません。詳細は『鳥類標識調査』環境省 をご覧ください。


こちらは今季、石川県で見かけた幼鳥です。
1羽だけなので随分と寂しそうでした。

鹿児島県の出水市に飛来するツルは今季は14,671羽、そのうちの85%がナベヅルです。世界的に見てもナベヅルの80%以上が出水市へ越冬に来るのです。

あとは山口県の周防市にも少数が定期的に飛来するだけ(今季は28羽)。これだと、もし鳥インフルエンザが蔓延したら一気に絶滅となってしまいます・・・現に、今冬は出水市でそんな騒ぎがあっただけに大いに心配されました。

 そんな中、三重県に今季48羽のナベヅルが飛来したとのこと。前期も4羽が越冬の実績があるので、もしこれが今後も恒常的な越冬地になってくれたら、一気に絶滅という心配事が、ほんの少しでも和らぐというものです。

採餌をしている時は、片方が周囲への警戒を怠りません。

今度は右が警戒中。まさに阿吽の呼吸とはこのこと!

ナベヅル君の頭かきは「直接型」

いつでも飛べるように、羽伸ばしのストレッチも怠りません。

愛を確かめ合う熱いKISS

・・・というよりも何やらこちらを見てヒソヒソ話かな?

「ネエ、ダーリン!さっきから気になってるんだけどさ~、あの遠くにいる車の中のオッチャンがず~っとこちらを見てるんだけど、知ってた?」
「うん、気づいてたよ!悪さはしないようだけど、パパラッチみたいでちょっとばっかしイラつくヤツだなっ!」
「私ってそんなに魅力的なのかしらん?」
「そりゃもう、お前ってすっごくイイ女だからね~」
「でも、あんまりずっと見てられるとウザイからトンズラしちゃおうかっ!」
「うん、それがいいかもネ」 チラチラとこちらを見てる視線から、こんな話が聞こえてきたような気が・・・

・・・なんてことはないんだろうけど、

しばらくして、どこかへ飛び去って行きました。

この後、幼鳥もこの2羽もどこかで仲間と合流できますように!!















学力テスト Vol.372-1 ~頭かきシリーズ その18~

 今日から春の彼岸が始まりました。大事なご先祖さまの墓参りに行かねばならぬ!

ついでに、どっかで花に絡めた鳥でも撮ってこようかなッと! 

さてさて、次の3種類の「鳥の名前」と「頭かき」の方法をセットで答えてください。

頭かきの方法 1:直接頭かき 2:間接頭かき

今回もとっても簡単だから、図鑑に頼らずにトライしてみましょう。

A

B

C


学力テスト Vol.371-6 その解答 ルリビタキ ~ 💛をズッキューン ~

 ルリビタキ ~ 💛をズッキューン ~


英名では「Red-flanked Bluetail」で「脇腹がオレンジ色をした青い尾羽の鳥」と、見た目をそのまま表わした名前なのに対して、和名は「瑠璃鶲」と、いかにも日本人好みの瑠璃色を当てはめたってのが憎いネ! 

冬の一番人気で、ビギナーに見せると百発百中で喜ばれること請け合い! お目当ての彼女を口説くのには最高の助っ人になることでしょう!・・・おっと、ルリ君をそんな不埒な手段に使ってはいけません! 小細工をせず、しっかりと真心を伝えるように、ひたすら努力あるのみ!!

ルリビタキは「間接頭かき」ようやっと撮れた~~!!

♀や幼鳥は、いたってシックな衣装です。

♀は尾羽にだけ青味があるけど、♂ほど濃くはありません。

こちらは、まだまだ青い鳥になるには程遠い♂の若鳥です。

ようやく体全体に青味が付いてきました。


上の写真よりもさらに青くなっている個体ですが、これでもまだ完璧な成鳥とは言えません。成熟した青い鳥になるには4年ほどかかるようです。


ルリビタキの立ち姿を見て、同じヒタキと付く名前のキビタキなどと比べて、足の長さの違いに気付いた人はスゴ~イ! 
ルリビタキは名前はヒタキなのにツグミ類と同じく地上で採餌することが多く、キビタキなどはフライキャッチャーと呼ばれるように、枝から飛び立って空中で昆虫を捕えることが多いのです。

以前の図鑑ではどちらも「ヒタキ科」ですが、分類ではその下に亜科があって、ルリビタキ、コルリ、ジョウビタキ、ノビタキ、コマドリなどは「ツグミ亜科」の小型ツグミ類、キビタキやオオルリなどは「ヒタキ亜科」と書かれていたのですが、最近はどちらもヒタキ科となるなど、分類法が変わってきています。

※現在は分類上で使われなくなった「小型ツグミ類」というキーワードを覚えておくと、餌の獲り方など習性が異なることなどが理解できます。それと「大型ツグミ類」というのは単にサイズで分けているだけのことです。さて、「大型ツグミ類」には誰が含まれていたか、想像できますよね?


この鳥を見ると皆の顔も心もシ・ア・ワ・セ気分になってくるから不思議!
やっぱりメーテルリンクの「青い鳥」という童話が引き金になっているのかな?











学力テスト Vol.371-5 その解答 アオジ ~ 清涼感あふれる囀り ~

 アオジ ~ 清涼感あふれる囀り ~

アオジ君は「間接頭かき」

今シーズンはアオジ君の「頭かき」が撮れないのでは? と少々焦っていましたが、先日 梅林に行った時に偶然にも遭遇したアオジ君が10m先の梢で、のんびりと羽繕いを始めてくれました。そうなればあとは辛抱あるのみ!・・・チャンスは20分後にようやっと巡ってきてくれました! う~ん我ながらよく撮れてるわい~! っと、自画自賛!!!

こちらが♀ 
そんなに警戒心も強くないので、そ~っと行けば至近距離でも大丈夫!可愛いね~

♂ アオジの主な食べ物は草の種子などです。

学名は「Emberiza spodocephala 」Emberizaとはホオジロ類のことで spodocephalaは灰色頭。 和名の「アオジ」のアオは緑色(すなわち青)の頭の色が由来です。外国人が見ると灰色で、日本人は緑色に見えているって面白いでしょ?!

「シロシタヨトウ」(ヤガ科)と思われるガの幼虫を捕まえました。

胸まですっぽりと黒いのは、亜種の「シベリアアオジ」君

「シベリアアオジ」は数少ない冬鳥として大陸から渡って来ます。


これだけ暖かくなってくると、公園にいるアオジ君も時々 囀るようになります。
風鈴のようなさわやかな音色をネットで検索してみて下さい。

ウグイスのことを「春告げ鳥」と言います。アオジはウグイスほど大きな声ではないけど、そこがまた控えめな感じでいいんだよね~! いつも行く公園でこの囀りが聞こえたら超ラッキー!! 一般の人なら気付かなくても、鳥屋だったらきっと聞き逃さないはず!!

富士山の裾野で囀るアオジ君 5月中旬

国内にいるアオジは繁殖期になると本州中部以北の山へ移動して繁殖します。国内での移動だから「漂鳥」ということになります。多少は大陸から冬鳥としても来ている筈ですがね。
今年も元気な子をたくさん育てるんだぞ~~!!