サシバ
この少々変わった名前の由来は、獲物を目指して真っすぐに飛ぶものの意味。すでに鎌倉時代の頃からサシバと呼ばれていたんだそうな。また別の説では喉の真ん中の1本の縦線が羽を差しているように見えるため・・・とのこと。
コロナ騒ぎで「ソーシャル・ディスタンス」に敏感なこの頃。タカの渡りでもこの「距離感」というのがいろいろと問題なのです。
通常、伊良湖岬とか白樺峠などタカの渡りのメッカで発表される渡りの数は、双眼鏡+スコープでのカウント。だからかなりの数が発表されます・・・が、スコープで見える距離と、写真が撮れる距離というのは、まるっきり違います。
写真を撮る場合は、ヒトの願望というか欲望が限りなく出てしまいます。今回はその辺りを「距離感」の視点からサラッとご紹介しましょう。
高いところをサシバが渡っていきます。
青空を気流に乗ってスーッと流れていく様は秋を感じさせる風物詩・・この季節感を感じない人には、恋人と愛を語る資格はありません。
ん、んん?何だって?! 愛を語るのと季節感に何の関係があるんじゃって? そりゃそうだ! 今日は頭の配線がこんがらがっているので、言うことも何やら支離滅裂かも!
風景写真としては、こんな小さく写っているのがあっても構わないんだけど、これでは遠すぎるし、お腹しか見えないし・・・ということで、すぐに飽きてしまいます。
こちらは遠いし、逆光のパターン
せっかく成鳥の出現なのにガックリ・・・テンションがドド~っと下がります。
うわわ~、突然 成鳥のお出まし~ いきなり斜面の下から舞い上がってきました。
そして、近い~~!! なによりも順光なので黄色の目もばっちり!!
でも近けりゃいいってもんでもありません。確かに、拡大すれば鼻毛もまつげも見えるかもしれないけど、これじゃ近すぎて図鑑のようになっちまう~~ これはノートリの状態
ちょっと寄り道:写真の用語で「トリミング」とは、写真をプリントする際に画面の1部分をカットすることをいいます。だから「ノートリ」すなわち「ノートリミング」というのは撮ったままの状態のこと。
写真で大事なことは露出と構成・・そんな言葉が必ず出てきます。
画面の構成とは、正確なフレーミングをして、ノートリミングで表現するというのが理想的なんだけど、鳥のように動いている被写体の場合では、そんな余裕は一切なし!
まずは出てきたやつをバシャバシャと撮る! ピントを合わせて撮る!! この作業だけで大忙し! というか精一杯!!
ピントが合うまでの数秒間のせわしないことと言ったら!! ましてや隣がバシャバシャと気持ちよさそうに連写して撮っていたとしたら、焦りまくりでパニック状態です!
おっと、一羽が向こうの方から真っすぐに向かってきます!
これはいいぞっ!! かなりいい!! すっごくいいっ!!! コースも角度も距離感も
バッチリ! ジワ~っと手のひらが汗ばんでくるし、ドキドキ胸が高鳴ります!!!!
その数秒後に、理想的な距離に、水平に近い角度で飛んで来てくれました。やった~~!
これは幼鳥なので警戒心もあまりないようです。こりゃいい!! こんなのが撮れてシアワセ~~
この時点ではまったく気づかないけど、自宅で写真の整理を始めた途端に「ゲゲ~~、こりゃダメだ~!」
なぜかというと・・・目をご覧ください。
虹彩にモヤーンとカスミが掛かったよう! 座頭市のようになってしまっているのです。
これはまさしく瞬膜を閉じている瞬間! 何もこんな時に瞬膜を閉じなくたっていいのに~!!
こうなるとガックリです!!
どうにかこうにか頼み込んで、可愛い彼女の写真を撮らせてもらったのに、目をつぶっていたのしか撮れてなくてガックリ!! それと同じです・・・いや、それ以上なのです!!
彼女なら頼めばもう一度撮らせてもらえるかもしれないけど、こちらは一期一会の世界!
チャンスは一度きりなのです!!
だから、自分としてはこんな写真が撮れたら満足なのでござる
順光・青空バック・適度な距離 少なくともこの3拍子が整っていたらルンルンなんだけど、なんせ自然相手だから、そんなにうまく撮れるわけがないのです!!
だからこそ面白いんだけどねっ!!
いつになったら満足? ・・・そんなの永久にあるわけないじゃん!!
鎌倉時代からサシバと呼ばれていたんですね!
返信削除サシバの名の由来でもある喉の真ん中の1本の縦線って大きな特徴ですね。見分けるのに役立ちそうです。
順光・青空バック・適度な距離の3拍子 いつも見させてもらうfuutenhideさんの写真はバッチリ!です!(^^)!
理想の、コース、角度、距離感、そして瞬膜の開閉
これからも満足のいく写真を求めてfuutenhideさんの旅は続く~(^^♪
終わりの見えない欲望の旅はいつまで続くのやら~・・・
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