学力テスト Vol.319-4 その解答 クロマダラソテツシジミ

 クロマダラソテツシジミ

この聞きなれない名前を聞いたのは2009年。磐田郡竜洋町のとある場所で「大量に発生しているので撮れるよ、行っといで~」との連絡がありました。

当然ながら、その頃持っていた図鑑には載っておりませぬ・・・オオッ 久々のハナマルじゃ~~!!

そしてその翌年7月、奄美大島への念願だった虫だけの撮影ツアーが実現・・・目的は昆虫のみで鳥はお預けまたは横目でチラチラのみ!! お目当ては純国産の「アカボシゴマダラ」や現地のトンボ類いろいろだから鳥にかまっている時間はないのです。

「純国産のアカボシゴマダラ」については、本年 4/27 に詳しく書いているので省略して、今回は「クマソ」についてのお話です。

チョウ屋さんたちは何でもかんでも名前を略して呼びます。例えば「クモチョウ」は「クモツキ」、「キマダラルリツバメ」は「キマルリ」などと、何ともまあ、器用に略すのです。 チョウ屋のジイサマ方は、最近の若者が「ばえる」とか「エモい」と略すのよりもずっと以前からこの手法を使いこなしているのです。

「あたおか」、「おけまる」、「あざ」、「かみってる」、「リアコ(りあこ)」、「ググれカス」、「タピる」、「メンブレ」、「ま?」・・・エトセトラ

これらは最近の若者がTwitterやインスタグラムなどで使われる言葉というのを検索したら出てきた単語だけど、あなたはどのくらい知ってる? 私にゃさっぱりだけど、別に知らなくても困らないからどうってこたないやい! フン!! それよりも「アイスタ」とか「味スタ」はたまた「トクホ」なんかの略語の意味を覚える方が大事なんです。

さてさて本題。「ダラテツシジミ」とは「黒斑蘇鉄小灰蝶と書いて「黒い斑点のある、蘇鉄を食草とするシジミチョウという意味です。当然ながらチョウ屋さんはこの長ったらしい名前を「クマソ」の略称で呼びます。

2010年に奄美へ虫ツアーで行った時にガイドをしてもらった人が関東出身で、奄美に移住し現在は造園業を営んでいるというM氏。彼によると「クマソ」はメチャやっかいな害虫なんだそうな!

この可憐なチョウが害虫?!??!

食草がソテツで、成虫が産んだ卵は幼虫になった時にソテツの新芽を食い荒らしてしまうのです。元々は台湾、フィリピンから西インドまで生息する外来種。1992~93年に沖縄島で初記録となり、一時期9年ほどは途絶えたけど、その後は南西諸島や九州南部に定着。
M氏によると商売用のソテツが幼虫に食い荒らされて、手が付けられないほど増殖していて、危機状態とのこと。

表翅の外縁に細い黒帯があるのが♂

♀は外縁のはっきりとした黒帯がありません

害虫というのは、様々な形で被害を及ぼす生き物のことで、被害を受けているヒトから見た場合の表現なので、このチョウを撮っている我々には害虫と言われてもピンときません。

右の♂が♀へ猛烈にラブコール

今では関東圏でも見られるようになっています。

サナギ

おびただしい数の抜け殻

まだ見たことがなくて、興味があるなら、とにかくソテツ狙い!! ソテツが植えられた明るい道路際や公園、寺社の境内、学校の校庭などが狙い目ですぞ。ソテツなんかに群がるシジミなんていないから、見ればすぐにわかります!










3 件のコメント:

  1. 虫だけの撮影ツア-(^^♪fuutenhideさんは鳥、蝶、虫、などなど生物すべてがお友達ですね!素晴らしい世界を写真と文で紹介してくださって感謝です!
    蝶屋のお友達は沢山の難しい名前を略語にして覚えるとは!確かに若者顔負けです。ソテツが食草で「クロマダラソテツシジミ」。公園のソテツをのぞいてみよっと!♬「クマソ」って略すと元の名が分からなりそう~(^^ゞ

    返信削除
  2. 私も「クマソ」という略称を覚えるのには結構時間がかかりましたぞ!
    だから若者言葉の略号には、どうせ覚えられなくて混乱するから耳を貸さないようにしておりまする。

    返信削除
  3. 同感です。(^^ゞ

    返信削除