学力テスト Vol.320-2 その解答 ミサゴ

 ミサゴ

漢字では「鶚」と書きます。この難しい漢字表記の「鶚」の「咢(ガク)」というのは、後頭にある短い冠羽が突き出ている様子に通じる・・・のだそうな。

足を伸ばして、水中に突っ込んで魚を捕えることから「水さぐり」が語源となって「みさご」になったとも。

こちらは成鳥の♂

そしてこちらが成鳥♀

どこが違うのかって? ♂♀の見分け方は成鳥では胸の模様・・・すなわち喉の下の胸の帯が太いのが♀、薄いのが♂・・・覚えるには「胸毛のあるのがと覚えましょう! デヘッ。

食事のほとんどは魚なのでミサゴのことを別名で「魚鷹」、または「空飛ぶ漁師」と呼びます。トビのように弱って浮いている魚とか、死んで岸に流れ着いている魚なんて見向きもしません。あくまで活魚!! なんせ「空飛ぶ漁師」なんだからね! 

狙う獲物は、上空からホバリングしながら探します。



この獲物に決めた~!というのを見つけたら・・・

反転して急降下~!!

それ行け~!! ビュ~~~ン

水面に近づくと足を思いっきり延ばして

ためらうことなく、目指した獲物へ一直線!! 
指も思い切り拡げて、捕まえやすくなるように進化しています(後ほど詳細を説明)

バッシャ~ン!! 体が完全に水中へ! 
こんな芸当ができる猛禽類はミサゴ君だけ!!

これは別個体のダイビング

魚に気づかれないように、水平飛翔で後ろから・・・

どうだ? 目をよく見ると瞬膜が閉じています。
しかも水中に突っ込んだ時、鼻孔から水が入らないように弁まで付いているのです。

捕れたかな?

空振りです!

う~ん、残念!! 
撮っている私の方も息を止めたままだったので、ここで「プワ~!!」っと大きく一息。
この日は曇っていたし、さざ波も立っていたので、魚影が見にくかったのかな?

水中から飛び出す瞬間ですが、獲物は?

やった~~!! 見事に捕まえています!


ミサゴの足は外趾(がいし)と呼ばれる、前に出ている3本の指のうちの外側の指が後方に自在に回転できます。
前後2本の爪は魚を捕まえやすくするために進化したのです。

この写真を拡大してみると

すごい爪でしょ?! 右足の外側の下側の指が、やや後ろに回っているのがわかるかな?

この写真では指が前後2本ずつになるように外趾を動かして、魚を捕えやすくなるようにしている状態に似ています。
※通常の鳥の指は前3本、後ろ1本の形で固定されています。

この指が動くというすごい構造はフクロウにも見られます。しかもそれだけではなくて、ミサゴのすごいところはまだあります。指の裏には小さい角質のトゲがあって、ぬるぬるした魚をしっかりと捕まえられるようになっているのです。

捕まえたのが小魚だったら片足で充分

これはコイかな?

大物の場合は、さっき書いたように足指を前後2本ずつにセットにしてガッチリと持ち、
戦闘機が魚雷を運んでいるような形で飛びます。空気抵抗を最小限に抑えているのです。

こんな大きなボラでも大丈夫! 
でもないかっ!!・・・ヨタヨタと重そうに目の前を飛んでいきました。

ミサゴは羽毛も脂分が多くて水分を弾くことができます。こんなにいろいろと特化した体に進化しているのに、観察しているとダイビングで撮れるのは10%! 良くても20%くらいです。「空飛ぶ漁師」の異名を持つミサゴ君でもこの程度だから、自然界は思っているよりも、はるかにキビシイ~世界なのです。

魚を横取りしようと追い掛け回す横着者も。

浜松はエサが豊富だし、汽水域の場所に特に多く、佐鳴湖、浜名湖、天竜川河口などへ行けばよく見られます。数からいえばトビの次に多いタカ。
佐鳴湖でもこれから冬になると、最大で7~8羽が段子川河口でのボラ狩りに集結、冬の風物詩の一つになっています。

それにしても、魚だけという大・大・偏食で栄養バランスはちゃんと取れているのかな?

























3 件のコメント:

  1. ミサゴの連続した動きの臨場感が凄ーい!!
    本当に「海の漁師」ですね!爪のアップの迫力!
    それでも獲れるのは10%~20%とは・・厳しい~

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  2. 上手くいく時は1発で捕まえることもありますよ。
    ダイビングの瞬間を撮るのは何度挑戦しても難し~~~い!!!!
    撮る方としては何回も失敗してくれた方が、何回も撮れてうれしんだけど・・
    「みさご」の語源についても、文頭に追記しておきました。

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  3. 「みさご」の語源「水さぐり」よく分かりました。
    本当に水中に突っ込んでますよね(^^♪
    漢字表記の「鶚」は難しい字。
    後頭にある短い冠羽!確かに確認しました!(^^)!

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