学力テスト Vol.406-1 頭かきシリーズ その50 ~ もうチョコッと続く 400回記念 その7~

 猛暑お見舞い申し上げます。

 あまりに暑いと、ついつい高いお山へ行きたくなります。現地ではそこそこ涼しくていいのですが、そこでも30度越えとなると、下界へ戻るのが恐ろしくなってきます。

 近いうちに、例のアブラゼミも鳴き始めるはず!そうなってくるとさらに暑さがジリジリと!!「暑さ寒さも彼岸まで」は、まだまだ先の話ですが、どうかご自愛くださいませ。

 さてさて、相も変らずいつものクイズですが、いつも通りに「鳥の名前」と「頭かき」の方法をセットで答えてください。

頭かきの方法 1:直接頭かき 2:間接頭かき

A

B


学力テスト Vol.405-3 その解答 ベニアジサシ ~ 綾小路さゆり ~

 ベニアジサシ ~ 綾小路さゆり ~

 一世を風靡したフジフィルムのCM「美しい人はさらに美しく、そうでない人はそれなりに」。当時はまだ樹木希林ではなく悠木千帆の名前だったかなあ? このCMは1980年の登場から何と30年以上も続いたというから驚きです! 

 その時の彼女のキャラクター名が「綾小路さゆり」だったんだけど知ってた? そのCMをじっくりと見ていた人は、その名前に気づいたかも?

ベニちゃんは「直接頭かき」です。美人はどんな仕草も美しい!

おおっ、こんなポーズの頭かきまでしてくれて大・大・大サービス!!

 「美しい人はさらに美しく、そうでない人はそれなりに」のフレーズは、元々は「美しい人は・・・、美しくない人も美しくなります」とか「美しい人は・・・、そうでない人も美しくなります」だったのを、彼女が「それって変じゃないですか?と言いだして、話し合って訂正したんだそうな。

ベニちゃんには紺碧の空と、サンゴ礁の海がよく似合います。

その美しさは、エリグロアジサシよりもさらに抜きんでています!

「美しい人はさらに美しく」の言葉通り。

繁殖期の直前は、このように雌雄とも嘴が黒くなるようです。

 腹部が淡いピンク色になっている点にもご注目!
英名の「Roseate Tern」すなわち「バラ色のアジサシ」の由来はここからきています。
単純に嘴や足が赤いから「紅」だなどと思ってはいけません! 命名も奥が深いのです!

捕えた小魚をヒナへと搬送中。
いつまでもこんなシーンが見られますように!

 今回はベニちゃんに関する文章が少ないじゃないか!っておっしゃいます? いえいえ、美しいものには余分な解説なんぞは必要ないのでござる。

P.S.   悠木千帆の演技で忘れられないのが、「寺内貫太郎一家」での定番の場面です。
沢田研二のポスターをジッ~と見つめたあとに「ジュリィィィ~~~!!」と、身悶えるシーン! 私のお気に入りで、よく子供たちと一緒にやってました

You Tubeで検索すれば「ジュリィィィ~~~!!」も「・・・そうでない人はそれなりに」も、たっぷりと載ってます!























学力テスト Vol.405-2 その解答 クロサギ ~ 白いのに黒 ~

 クロサギ ~ 白いのに黒 ~


 「頭かき」の撮影で200種をクリヤーしてからしばらくの後、難敵だったクロサギ君の「直接頭かき」を、ようやっと撮らせてもらえました。

クロサギ君は岩礁地帯に棲んでいます。
浜松近郊では御前崎や愛知県の渥美半島。

小魚をゲット~~
白いサギの種類が多い中では異色の存在です。

クロサギがどうして黒いのかって考えたことがありますか?

 これは前回の「エリグロアジサシ」でも触れたことが参考になります。
サギ類の体が白いということは、魚から水面を見た場合に鳥の色が同じような明度でわかりにくい存在です。だから魚を捕りやすいのです。


 海岸に生息するクロサギにとって、多くの岩礁や砂浜などが黒い色をしており、そのような場所では、身体の色も暗色である方が隠ぺい色となって、エサとなる魚からは見つかりにくくなるのす。



さて、このクロサギ君が南に棲むとどうなるか!

これは足指が黄色だからコサギじゃん!って? ・・・ブッブー!!

彼は「白いクロサギ」なのです。

みごとに小魚を捕まえた~~!!

 南の島では、サンゴ礁などの白い砂浜が多く見られます。
そのような場所では白い色の方が隠ぺい色となるため、このように進化したのではないかと考えられています。
だから、時々見かける「白変種」の鳥とは事情が異なるのです。

※「白変種」というのは色素の減少により体毛・羽毛・皮膚などが白化した動物のことをいいます。

 石垣島では、ヒヨドリ(亜種イシガキヒヨドリ)も、シジュウカラ(亜種イシガキシジュウカラ)もみんな日焼けが遺伝したのか、本土に比べて黒っぽくなります。

 そんな中で、白くなることを選んだクロサギ君は変わり種です。もちろん本州以北ではこんな白いクロサギなんて見かけることはありません。

 さらに不思議なのは、どれも白くなるのではなくて「オイラは黒いままでいいやい! このほうがカッコいいもん!!」と思っているかどうかわからないけど、黒いままのクロサギ君も混在するのが面白い点なのです。

※ご参考
アフリカには『傘に変身する「クロコサギ」という面白いサギがいます。ネットで検索すると出てきますよ!
日本にも、こんな鳥がいてくれたらいいのにねっ!!












学力テスト Vol.405-1 頭かきシリーズ その49 ~ もうちょっと続く 400回記念 その6~

 バードウォッチングの基本は「遅くとも日の出時間には現地にいること」これは鉄則です!
だから出発は、まだ星がチラチラ見えている新聞配達も来ない時間。

 遠征の予定がない日の前夜は、キーボードによだれを垂らしながら遅くまで写真の整理をすることが多く、当然ながら翌朝は遅いのです。

 そんな時に起されるのが「クマゼミ」の声! この時期になると庭のヤマボウシに翔んで来ては「シャンシャンシャン」と鳴き始めるのです。

 その鳴き声はセミの中でも最大級の騒音で、8090㏈(デシベル)なのです。
数字じゃ分からないって?・・・それは人の声で言うと「怒鳴り声」!!、犬がすぐ近くでギャンギャンと鳴く声!!・・・なのです。これはたまったもんじゃありません。


 仕方ないので、長い棒でヤマボウシの枝をバシッと叩きに行くのです! そうするとその振動でようやく飛び去ってくれるのです。
これが我が家の夏の定番の行事! 
ああ、ヤダヤダ 静かな余生はどこじゃ~

 さてさて、暑苦しい話はどうでもいいので本題。
いつも通りに「鳥の名前」と「頭かき」の方法をセットで答えてください。
頭かきの方法 1:直接頭かき 2:間接頭かき

A

B



学力テスト Vol.404-3 その解答 リュウキュウコノハズク ~ 日本最小クラス ~

 リュウキュウコノハズク ~ 日本最小クラス ~

 「日本最小と書けなかったのは、同じ仲間でさらに一回りほど小さい「コノハズク」20cmが本土にいるからです。ただし、その違いはわずかに2㎝ほど。リュウキュウ君は南西諸島に行ったら絶対に見てこなければなりませぬ!!

参考までに「世界最小」は、南米に生息する全長が17cmのアカスズメフクロウです。

 全長は、私の指尺(手尺)で測ると、親指から人差し指を目一杯広げたサイズが「コノハズクで、親指から小指を広げたサイズが「リュウキュウコノハズク」です。見慣れているアオバズクやフクロウに比べると、間違いなく極小サイズ! そりゃ可愛いの何のって!!

ヒナが巣穴の中からジーッと外の様子をうかがっています。

おッと、上半身を乗り出して下を覗きこんでいます。

今度は上をキョロキョロと・・・好奇心でいっぱい!

モゾモゾ動き回っていて、すぐにでも巣立ちをしそうな気配!

親になると、羽は1枚1枚が見事な朽ち葉模様の隠ぺい色に変身。

彼は「直接頭かき」です。

 おおっと、趾(足指)を固定したままで頭だけをグルグルと回し始めた~! こちらもトラフズクからの直伝で秘技「トルネード・カイカイ」!!

 フクロウは他の鳥類にはない特性をたくさん持っています。今回は頭かきにちなんで、趾(あしゆび)に注目してみましょう。

まずはこの写真に注目! 

拡大すると、左の指は前に2本出て枝をつかんでいます
・・・が、右の指は前に3本集まっています。

前に3本出した状態がこちらで、これは一般的な鳥の形です。

 わかりやすくヒトの右手で、手の甲を上向きにして説明すると、鳥の後ろ指は親指(第1趾)・前足の人差し指(第2趾)・中指(第3趾)・薬指(第4趾)です。

 鳥の多くは小指がなく4本指です。前向きが3本と後ろ向きが1本というのが基本的な構成で、スズメ目・タカ目・カモ目など多くの鳥に見られます。

フクロウ類はこの薬指(第4趾)を自在に前後に動かせるという事なのです。

 普段も前に2本の指を出しています。要するに、この方が獲物を捕まえる時も枝に止まる時も、使い勝手がいいのです!

  こんな特殊な足のことを可変対趾足(かへんたいしそく)と呼びます。ちなみに一般の鳥のように前が3本足の場合を三前趾足(さんぜんしそく)といいます。

※対趾足(たいしそく):前向きと後ろ向きにそれぞれ2本ある形で、フクロウ類の他にはキツツキ類などがいます


ヒナのそばにいた成鳥がこちらを睨んでいます!
はいはい、わかりました~! すぐに退散しますよ~~

最初に紹介したヒナは、あとで聞いた話では翌日、巣立ったそうな!!
元気で大きくなってや~~!!

 名前や取り扱いの変遷:最初は「リュウキュウコノハズク」という独立種 →
「セレベスコノハズク」という亜種扱いになり → 2012年発行の “日本鳥類目録 第7版” では、再び「リュウキュウコノハズク」という独立種になりました。
※セレベスとは植民地時代のインドネシア中部にあるスラウェシ島のことです。













学力テスト Vol.404-2 その解答 エリグロアジサシ ~ 恋の行方は神のみぞ知る ~

 エリグロアジサシ ~ 恋の行方は神のみぞ知る ~

エリグロ君には南国の青空がピッタリ!!

和名での漢字表記は「襟黒鯵刺」。
英名では「Black-naped Tern」で「nape」とは、うなじや首すじのこと。

ついでに学名も紹介すると「Sterna sumatran」意味は「スマトラ島のアジサシ」。

 スマトラ島などインド洋および西太平洋の熱帯や亜熱帯域に分布していて、日本には夏鳥として奄美、沖縄、宮古、八重山諸島に飛来するのです。

 静岡県や愛知県でも飛来した記録はあるらしいのですが、出会いのチャンスはほとんどありません。


「へい BABY~ 採ってきたばかりのピッチピチの魚だぜいっ!」
「フン、あんたなんて私の好みじゃないんだってば~! アタイはね~、不細工な男なんて肌に合わないのっ! ジンマシンが出ちゃうからヤナの~!そばに来んな~」


 「そう言わずにオイラの愛を受け止めてくれってばよ~ 君のことが だ、だ、大好きなんだからさ~」
 諦めずにそんなこんなを繰り返すと、誠意のある愛はいつかは通じるもの! 愛の力はおそるべし!!岩をも貫く愛なのです!!
 「大好きだって? ケッ そんなこと言われたって・・・」と言いつつも、チラチラと♂と持っている魚の方を気にするようになりました。

それからしばらくして・・・岸壁で2羽を見かけました。

どちらが♀か分かりますか? 

 そう、当然ながら手前で、でっかいツラをしているのが♀で、後ろの影の薄いのが♂です。
一夫一婦制とはいえ、この♀の態度の大きいことと言ったら・・・

 そう言えば、結婚してから彼女の好みも変わってきたようです。
以前は「アタイはディーン・フジオカとかモックンみたいなイイ男じゃなきゃヤダッ!」って言ってたのが、最近では「西田敏行って味があっていいわ~、シャバーニ君なんて最高じゃん!!」と申しておりました。
 そうなのです。「美人は三日で飽きる」という格言は男にも当てはまるようですな。
皆さんも「味のある顔」とか「老けたらカッコよくなったじゃん!」を目指しましょう!!

「お~い、ハニー~~ ご飯だぜ~~い」と魚を搬送中


 「シャバちゃ~ん! ま~だ~? 早く~、早くしてってば~! もう腹減って死にそうなんだってば~~!!」ひっきりなしにギャースカと、矢のような催促です!!

 まあ、♀の機嫌さえよけりゃ、どちら様も家内安全!無病息災!夫婦円満!!なので、いいんですけどね!

おや? 飛びながら頭が上下逆さまです!

こちらでも頭が逆さまに! 

 これって魚を見つける新技かな? それとも何か悩み事でもあるのかな? ストレスでも溜まってるのかな?

 独り言が聞こえてきました。「オイラの嫁っこってよ~、最初はチョー可愛くて優しかったのに、最近は人使いが荒くてやってらんね~~
アイツにゃ心底 惚れてたんで、自分でも”愛の奴隷”でもいいやって思ってたんだけど、今のオイラってホントに“ただの奴隷”って感じがするんだよな~ もうヤダ~ッ!!」

 なるほどね~、わかるわかる! よ~くわかるよ、ご同輩! 何をしたって頭は上がんないもんね~!
 そんな時は、よその可愛い子ちゃんをチラッと見たりして気を紛らすんじゃねっ! ただし、嫁っこには気づかれぬようにネ! アンタんとこの嫁っこさはメチャ嫉妬深いからさ~!

 さてさて、せっかく石垣島まで来たんだから、どうしても「頭かき」を撮って帰らねばなりませぬ。

おおっ、ついにやった~~!! しかし左足ではハナマルにはしたくありません。

それから待つこと、数十分 
ポリポリ、カイカイ ついについに、右足で「直接頭かき」を見せてくれました。

おっと、あまりの気持ちよさに腰砕けかい!?!

エリグロアジサシ君はカモメの仲間です。

 ところで、アジサシ属に限らずカモメ科には白い鳥が多いですよね!
何故だか考えたことありますか?

 体が白いということは、魚から水面を見た場合に空と鳥の色が同じような明度でわかりにくい存在です。だから魚を捕りやすいのです。

 そして、この白さは仲間からは遠くからでも見つけやすいのです。だからカモメやアジサシ類は群れで狩りをします。それが一番効率がいいからです。

 白は目立つので捕食者からも狙われやすいのも事実ですが、群れでいれば誰かが捕食者を見つけて合図をしてくれるので逃れられる確率も高くなるというもの。

エリグロ君は以前に比べて渡来数が減ってきているとのこと。

 環境省のレッドリストでは、もはや絶滅危惧Ⅱ類となっているのです。
いつまでも紺碧の空を飛び回っていてほしいものです。

 最後にエリグロ君へのエールとして、私のお気に入りの曲「Turn Up The Music」: Chris Brown をプレゼントしましょう!
「Turn」って、アジサシのスペル(Tern)と違うじゃん!・・・あれ?気付いちゃった? まあそんな細かいことなんて、味わいのある男は気にしない気にしない!! 




















学力テスト Vol.404-1 頭かきシリーズ その48 ~ さらに続く 400回記念 その5~

  鳥枯れのこの時期、皆さんはどのようにして時間をつぶしてるのでしょうか?      昨年までだと、標高の高いところへ虫の撮影に行ったり、過去の写真の整理などをしてたけど、それもだんだんと億劫になってきました。さて、どうしよう!

 こんなに暑いと「ひきこもり」で、さらにネコのように風通しのいいところで、ぐたーっと寝っころがてるのが一番!! これは夏が大っきらいな同居人がいつもやってることだけど、昨日同じことをやってみたら・・・ええっ、こんなに楽チンなの? 暑い中を我慢して 撮影してるのも悪くはないけど、楽チンな方が省エネでいいね~・・・ってことにようやく気が付きました!

さてさて、400回記念シリーズもだいぶ進んできたけど今回のはどうかな? 

いつも通りに「鳥の名前」と「頭かき」の方法をセットで答えてください。

頭かきの方法 1:直接頭かき 2:間接頭かき

A

B



学力テスト Vol.403-3 その解答 トラフズク ~ 有毛細胞 ~

 トラフズク ~ 有毛細胞 ~

こちらは「Short-eared Owl」和名はご存じ「コミミズク」

耳は最大限伸ばしてもこの程度

そしてこちらは「Long-eared Owl」
今回の主役の「トラフズク」君です。

これなら闇夜でもネズミの動く音がよく聞こえることでしょう!
・・・と思うのは大まちがいで、これは単なる飾り羽です。耳は目の後方部にあります。

 「ズク」とはフクロウ類の一種を指す名称で、漢字では「木兎」と書きます。
この飾り羽をウサギに見立てて「木に棲むウサギ」すなわち「木兎」なのです。
だから漢字では「小耳木兎」とか「虎斑木兎」と書きます。

ただし例外もあって、この「アオバズク」のように飾り羽がないのもいます。

飾り羽をたたむと、ガラッと雰囲気が変わって可愛い感じに。

 さて、ここで覚えておいてほしいのは「羽角(うかく)」という言葉。
トラちゃんたちの飾り羽は「羽角」と呼びます。
 飾り羽が耳のように見えるからと言って「耳羽(じう、みみばね)」と呼んではいけません。
耳羽」とは、耳の開口部を覆っている羽毛のことで、すべての鳥類に備わっています。

トラちゃん(これは♀です)が「直接頭かき」を始めました。

 今回は繁殖地への訪問だったので、休息中にもしかしたら「頭かき」をしてくれるかも?と密かに期待して出かけていきました。そしてそして・・・期待通りに「頭かき」を見せてくれたのです! Good Job!! トラちゃんありがとね~!

おおっと、趾(足指)を固定したままで頭だけをグルグルと回し始めた~!

 これはよっぽどかゆいのか?!?! まるで洗濯機のようです! 新技です! 名付けて「トルネード・カイカイ」!! きっとこの方法なら、効率よく短時間で頭かきができるのでしょう!


ここで鳥の耳の構造について簡単にご説明。
参考資料:鳥類学が教えてくれる「鳥の秘密事典」より抜粋

 ヒトには内耳に蝸牛(かぎゅう)と呼ばれるらせん状のものがありますが、鳥の場合は蝸牛がまっすぐか、少し曲がっています。

ここからが今回の最も大事な話なので、耳の穴もかっぽじってご注目!

 ちょっと前のこと、最近ニイニイゼミが鳴いているような耳鳴りが聞こえるようになって耳鼻科に行きました。診断の結果は「加齢によるものですね」とあっさり&バッサリ!

 「ゲゲ~ッ、これって治らないんですか?」「はい、治りません! 有毛細胞がすり減っていて再生はできません。気休めに血液の循環がよくなる薬を出してもいいけど、ホンの気休めです。これで治ると思ってはいけません」
 「加齢」これは事実だから受け入れるのは仕方ねえとして、「有毛細胞」?「再生不可」? 何じゃそりゃ?! 死刑宣告のような通告です!

 同居人からああだこうだと言われるのは、たまには聞こえるし、まだヤブサメノ声も充分に聞こえるのに、老人宣告だなんて! オーマイガーです! 

 ヒトの蝸牛内には「有毛細胞」という感覚毛があって、入口側で高音域の振動を電気信号に変換し、奥側では低音域の振動を変換して脳に伝えることを行っています

 加齢とともに、その有毛細胞は入口側から壊れていってしまいます。そのため、加齢による難聴というのは高音域から聞こえにくくなってくるのです。

 「ヤブサメのさえずりが聞こえない」これは明らかに「有毛細胞」が壊れてきている証拠!このように音を感じ取りにくくなり、難聴を引き起こします。そして、一旦壊れてしまった有毛細胞は、元には戻らないのです。

 これを読んでるアナタ「TVの音が大きすぎ~」とか「人の話を聞いてない~!」と言われてませんか?
 または「自分に都合の悪い話は聞こえない」とか「悪口だけはよ~く聞こえるね~」なんてこともありませんか?

 一説によると、60代になると、だんだんと聴力が低下する音域が増え、聞こえが悪くなったことを感じる人が急激に増えてきます。 さらに70歳をこえるとほとんどの音域の聴力が「軽度の難聴」〜「中等度の難聴」というレベルまで低下してしまいます。 65~74歳では3人に1人、75歳以上では約半数が難聴に悩んでいるといわれています。


 上のイラストでも紹介されているように、鳥の場合はその「有毛細胞」が定期的に再生されるというのです!! こうなったらトラ君たちに協力をお願いするしかありません!!
鳥たちが持っている「有毛細胞再生のメカニズムの解明がどうしても必要なのです!!

 現在、京都大学の山中教授らによって作成されたiPS細胞の研究が内耳にも応用され始めたので、いつかはヒトでも「有毛細胞の再生」が実現されることでしょう。

 自分の歳では再生の実現は間に合わないので、黄泉の国へ行くまでは「自分に都合の悪い話は聞こえない振りをしながらマイペースで暮らすしかないんだろうね!? ブヒッ