ソリハシセイタカシギ ~ シンボル・バード ~
「ソリハシセイタカシギ」長ったらしいので、以下では英名の「Pied Avocet」(まだらのアボセット)ですが、我々が通称で使っている「アボセット」と呼ばせていただきます。
ちなみにですが、「Avocet」はイタリア語名の「avoccetta」(優雅な鳥)からきているとのことです。
「英国王立鳥類保護協会」略してRSPB。設立は1889年というから、もう130年以上の歴史のある団体で、そのシンボルマークが「アボセット」なのです。
RSPBには15万人の青少年会員を含む100万人以上の会員がいる、ヨーロッパで最大の野生動物保護団体です。
RSPBは多くの地域グループを擁し、200の自然保護区を維持しています。どこぞの国の野鳥の会とは比較にならない歴史と規模なのです。
全長が30㎝もある大型のバードカービング
頭部がやや小さめでアンバランスだけど、それは削り過ぎてしまったのでご愛敬。それでも世界でオンリー・ワンの愛おしくて大事な置物なのです。
ある日のことです。下駄箱の上に置いてあった、お気に入りのアボセット君の様子が変です・・・変と言うよりも明らかにおかしいです! 間違いなく異常です!!
この写真では特徴のある嘴は正常な上向きのカーブを描いているのですが、それは苦労の末に修復したからであって、その事件の時は嘴の途中から下に曲がっていたのです!
そのかわいそうな嘴を想像できますか?「こ、これって!?!?」との質問に、同居人曰く「あれ? もう気が付いちゃった? デヘヘ」・・・だって!
事情を聴くと、どうやら掃除をしていた時にハタキが引っかかって下に落ちてしまい、その時にポキッと嘴の真ん中から折れてしまったとのこと!
一瞬考えた挙句に「ええい、ボンドでくっつけちまえ~!」との判断でくっつけたのはいいけど、そこはそれ、鳥のことなんてまったく無知な同居人は、嘴を下向きにつけたんです! そして元の場所にそっと置いた!・・・とのこと!!
もう呆れかえって絶句!! 怒る気さえ起こりません。ただただ、そのかわいそうなアボセット君に「こんな姿にしちゃってゴメンね~」と謝るしかありませんでした。
この前年、初めて見た時の感激を忘れないように作った大事な大事なカービングだったのに~~ フン!!
こちらは本体が10㎝ほどのミニチュア版
小刀1本で出来上がります。
※バードカービングとは日本語では「野鳥の彫刻」。
もともとはカモ猟の「おとり」としてデコイ(鳥の木型)が使われていました。それがリアルな工芸品へと発展していったものです。日本では1979年に初めて紹介され、私が公民館主催の講座で接したのも、それから数年後のことでした。
実はカービングを壊されたのはアボセット君だけではありません。カワセミ君も同じく嘴をポッキリ! 友人にこの話をすると「お前って恨まれてない?」と言われるけど、いえいえ決してそんなことはありませぬ。
こんなに尽くしているのに、そんな筈があるわけありません! 壊れてしまうのは「形あるものは壊れる」の例え通りで事故なのです・・・かな? 多分! きっと!!
まあ、そんなことはさておいて本題へ。
白黒だけのシンプルな色合いなのに、高貴な雰囲気にうっとり!
嘴を水面に付けて左右に振りながら、エサを探します。
時には顔まで水中に突っ込んで!
獲物は甲殻類や水生昆虫などです。
さてさて、今回はアボセット君の「頭かき」をしっかりとパパラッチ
左足を上げたら左の翼を下げます。
翼の上から左足を前に持ってきて
ポリポリ・・・このようにして「間接頭かき」が完成
アボセット君がやると上品に見えるから不思議です!
こちらでは2羽で「シンクロ頭かき」!!
これまで、このブログをチラチラと見てきて、多少でも「頭かき」のことに興味がある人にとっては「あれ?シギなのにどうして間接なの?」という素朴な疑問がわくことでしょう。
ボーっと見ていただけでは、きっと見過ごしてしまうと思います。そこんところに気付くなんてさすがさすがです!!
一般にシギ類はそのサイズに関わらず「直接頭かき」なのですが、アボセット君は分類としては「チドリ目」の中の「シギ科」ではなく、「セイタカシギ科」に属していて、「シギ科」とは近縁ではなく「間接頭かき」をするチドリの仲間に近いということらしいのです。
もちろん、以前、このブログに登場したセイタカシギ君も「間接頭かき」なのです。ここは頭かきの動作に興味があるとすっごく面白い点です。
分類上で「シギ科」と「セイタカシギ科」に分かれているのが「頭かきの方法が違うから」と言う理由からではないとは思いますが、頭かきの方法でもしっかりと分類上の線引きができているっていうのは、今更ながら分類学ってすご~~い!と思ってしまいます。
パタパタのダンスも優雅そのもの!!
さすが人気度抜群の面目躍如です。
かつては大珍鳥だったアボセット君も、最近では時々見られるようになりました。
できれば毎年のように来てほしいものです。
今度逢えたら、カービングをペアにしてあげようかなっと!
アボセット君のカービング
返信削除嘴の修理は全然分からない!(^^)
[間接頭かき]順を追ってのショット
とてもわかりやすいです!
白黒のシンプルな色合い♬
チドリ目セイタカシギ科のアボセット君
素敵な姿ですね~