伊良湖岬 ~ 生きものたちの渡りルート ~
「鷹ひとつ 見付けてうれし いらご崎」これは鳥屋なら誰でも知っている松尾芭蕉の有名な俳句です。9月下旬から11月末頃までの間、この伊良湖岬(いらごみさき)を様々な鳥たちが通過していきます。
渡りをすることで有名なアサギマダラ
このチョウもここを渡って南へ翔んでいきます。
今回撮影していた伊良湖岬の灯台付近。
左上が神島で、その奥に見えるのが鳥羽市などの紀伊半島
引用:明和海運のHPより
伊良湖岬とすぐ目の前にある神島との間にあるのが幅わずか5kmの「伊良湖水道」。
ここが名古屋市や四日市市をはじめとする中京工業地帯の主要港を抱える伊勢湾や三河湾への入り口となっていて、海上交通の要となっているのです。コンテナ船や自動車運搬船、客船など様々な大型船が行き交っています。
※中京工業地帯は製造品の出荷額が毎年日本一というモノづくりの集積地です。
パイロットボート(水先艇)
航行中の大型船に横付けして、水先人(水先案内人=パイロット)を送迎する小型船です。水先人は湾内の地形や潮流を熟知していて、大型船の船長にアドバイスをします。
それにしても、何ともド派手な色! これは波が荒い外洋や夜間・悪天候でも、大型船のブリッジからよく目立つよう高視認性を重視した色なのだそうな。
伊良湖と鳥羽を結ぶ「伊勢湾フェリー」
その距離は約20㎞。
この20㎞という距離をいろいろなタカ類や小鳥たちが渡って行きます。
代表的なタカをご紹介しましょう。
サシバ
海を渡る秋の主役。
里山で暮らし、昆虫やカエル・ヘビなどが大好き。
ハチクマ
ハチの天敵という異色のハンター。
スズメバチやアシナガバチなどが大好物で、それが名前の由来。
ノスリ
電柱の上が特等席で、ネズミなどの小動物や昆虫類などが大好き。
ハイタカ ♂
林の中でも閃光のように駆け抜けるスピード狂。
小鳥にとっては最も恐ろしい暗殺者。
ツミ ♂
♂はヒヨドリほどのサイズでタカ類で最小。
小鳥類が主食で、スピードと共に負けん気の強さも天下一品。
大群で渡る小鳥たちの代表種としては ツバメ、ヒヨドリ、イカル、アトリ、カワラヒワ、マヒワなどです。珍鳥の部類ではイスカやハギマシコなども時折飛びます。
これらの小鳥は小さいだけでなく、アッというまに通り過ぎてしまうので、よ~く注意していないと識別すらできません。
識別が大変ならボーっと空を眺めているだけでもいいんだけどねっ!
9月下旬頃になると、関東や関西からも多くのバーダーたちが恋路ヶ浜の駐車場に集結して、これらのタカ類の渡りを観察します。東京の野鳥の会などは何と観光バスを連ねてくるほど。
この駐車場は収容能力が120台ほどですが、渡りのピーク時には7時前でほぼ満車状態!!そのほとんどがタカの渡りの観察というお祭り騒ぎなのです。
それもその筈で、普段 山に行ってもほとんど見ることができない、いろいろなタカ類が次から次へと、まるで花火大会のように登場してくれます。
渥美半島は7~8㎞の横幅しかなくて、特に伊良湖の先端はタカ類の渡る帯が狭くなるので観察しやすいのです。
彼らにとってはエサの多い東南アジアで越冬するという、太古の時代から続いている一大イベントなのです。下界の人間たちが自分たちを見て騒いでいることなんて構っちゃいられないのです!一刻でも早く行かねば!
今回は小鳥たちの中でもひときわ数の多いヒヨドリたちのことをお話することにします。
次回につづく。

0 件のコメント:
コメントを投稿