学力テスト Vol.409-2 その解答 ハリオアマツバメ ~ さつまいもが飛ぶ ~

 ハリオアマツバメ ~ さつまいもが飛ぶ ~

これが今回の主役「Mr. 紅はるか」
ぽってりあんこ型がアマツバメとの識別点。
「紅あずま」を抜き去り、今や人気度No.1

でも、こんなふうにスマートに見えることもあります

アマツバメ類のことを、地方では鎌の形に似ていることから「鎌燕(かまつばめ)」と呼んでいるところもあります。

何といっても特徴は尾羽 この写真を拡大すると・・・

名前のとおり尾羽から針が出ています。

 和名の漢字表記は「針尾雨燕」、英名では「White-throated Needle-tailed Swift」すなわち「喉が白い針の尾を持つアマツバメ」で、中国名も「白喉針尾雨燕」と、英名とまったく同じです。
ちなみに学名はどう書かれているかというとHirundapus caudacutusで、「先の尖った尾を持つ 足のないツバメ」。

もっとわかりやすい写真を見つけました。   参考:「野鳥の名前」安部直哉
尾羽の羽軸が出っ張って針のように尖っているのです。
※羽軸とは風切羽や尾羽の中央あたりにある太くて長く、一番大きい軸のことです。

 何のためにこんなふうになってるの? という疑問は当然のこと! 上記の尾羽の写真で参考にした安部氏の本で「ハリオアマツバメは休むときは鋭い爪で太い樹木の幹に垂直に止まり、キツツキ類のように針付きの尾羽で体重を支える」との記述を見つけました。

 なんとなんと、キツツキ類と同じ機能を持っていたのです!たぶん羽軸も相当硬いことでしょう

おっと、ハリオのカップルが何やら話しています。
ここはドリトル先生の力を借りて、その話を聞いてみましょう。

♀「ねえねえ、あんたさ~、今朝はやけに張り切ってんじゃないのさ~」
♂「おうっ、今朝は快調快調、絶好調! ブンブンでいっ!!」


♀「ちょ、ちょっと待ってってばさ~、私を置いてっちゃダメ~、ダメだってば~」
♂「おお、わりいわりい~ ついつい考え事をしちまったい!(可愛いあの子って今日も会えるかなあ ムフフ)」


♀「あんたってさ~、おっちょこちょいなんだからさ~ ・・・あたいがそばにいなきゃダメなんだからねっ」
♂「わかってるって! 俺のかわゆいベイビイ、愛してるぜいっ!」


♂「実はよ、こないだよ~、ハヤブサのあんちゃんが俺んとこへ寄って来てよ、『おめ~、オイラよりか速いって自慢してんだって? あ~ん、生意気じゃんけ!今度、ガチで勝負しようぜい!』って、言ってきやがったのさっ!」

「ハヤブサ」君

♀「うわわ~、そりゃ相手が悪いさね~、体格だって2倍、体重なら10倍くらい違うんだから、勝負なんてまずいんじゃない?!」

♂「なに言ってやんでい! あいつなんて、ただでっかいだけでい!水平のスピードならオイラの方がダントツに速いんだから負けっこないやい!」

♀「あんた、そんなこと言ったって、相手は戦闘機や新幹線にまで名前が付けられてる超セレブだよっ!、あんたのことなんて、世の中 誰も知らないじゃん!」

♂「だからこそ勝負するんじゃい!ここらで一発でっかい花を咲かせるんでい!! フン!ここでしっかりと世間様の注目を集めりゃ、かわいいおめえだってよ、セレブの仲間入りだぜいっ!」

 ここで解説です。ハリオアマツバメの水平時での最高速度は時速170kmほどで、鳥類最速と言われています。片や、ハヤブサの水平時での飛翔は時速110km。

 ただしハヤブサは急降下時には387kmというとんでもない記録を持っているのです。なのでハヤブサ君としては負けるわけにはいかないのです! さて、この勝負はどうなることやら・・・

ハリオ君は何でもかんでも飛びながらの生活スタイルを崩しません。

こちらは水浴びの瞬間

真横から見ると豪快そのもの! 
「おっひょ~、チョ~気持ちイイ~~」と北島選手のようなコメントが!

もちろん水を飲むときも、嘴の先端だけを上手に水面にかするように!

 こんな時のスピードが時速170km!!・・・というわけではありませんが、少なくともツバメ君よりも2倍ほどのスピードは出ているように思います。撮っている時の感覚としては時速60~70kmくらいかな? それにしても速い! 速くてファインダーに入れるだけでも大変です!!

もちろん「頭かき」だって飛びながら・・・

ただ、速すぎて撮っている瞬間は何が何やら・・・

でも、後から念入りにチェックすると、しっかりと「直接頭かき」を?!?!

 彼の頭かきの基本は「間接頭かき」とのことですが、繁殖場所での写真を撮ることなんて至難の業で、どの図鑑にも載っていないのです。

ブルーインパルスを彷彿とさせる、息の合った見事な飛翔


 繁殖を無事に終えた彼らは初秋になるとオーストラリアの方へ渡っていきます。また来年も、その優雅で惚れ惚れとするダイナミックな飛翔を見せてほしいものです。

 ご参考:You Tube「最速の鳥 ハリオアマツバメの飛行と生態の動画」をご覧ください。わかりやすくスロービデオで紹介されています。
その他にも、鳥屋の皆さんからいろいろな動画がアップされているので面白いですよ。




























2 件のコメント:

  1. ハリオアマツバメ 漢字では[針尾雨燕]
    止まるときはキツツキ類のように針付きの尾羽で体重を支えるのですね!!
    ハヤブサ君とのスピード競争は、なかなか熾烈!
    水平時ではハリオアマツバメ君\(^_^)/
    急降下ではハヤブサ君\(^_^)/ ですね!!
    それにしても
    ハリオアマツバメ君のダイナミックな飛翔姿♬
    ブラボー\(^_^)/

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  2. こんなすごい能力を持っているのに、鳥にあまり興味のない人にとってマイナーな存在と言うのはもったいないくらいです。

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