ハッチョウ君がこんなに小さくても、他のトンボたちと比べて生活スタイルが特別変わっているわけではありません。
8月になると、ハッチョウ君の住む湿地ではシラタマホシクサが満開
ハッチョウ君が好む環境というのは、ごくごく浅くて、チョロチョロと水がしみ出るような湿地。そんなところで静かに暮らしています。
そんなところにはサギソウも咲いています。
サギソウに止まってくれたら最高なんだけど、そんないいのが撮れるはずもありません。
交尾では日本最小のハート型!
ハッチョウ君はもちろん日本最小ですが、世界でも最小クラスです。
分布の中心は東南アジアで熱帯性ですが、本州(青森県)の産地は世界最北端の記録なのです。
こちらのペアは♂に注目 まだ真っ赤ではありません!
若さをアピールしたのが成功したのか、♀を口説き落としました!
♀が産卵開始
ホバリングをしながら、いい場所を探しています。
水面へ腹をなすりつけながら卵を産んでいます。
「打水産卵」といいます。
おおっ、羽化中を発見!
これは抜け殻(羽化殻といいます)もちろん1円玉サイズ。
ハッチョウ君はよく「オベリスク」をしてくれます。
後ろから失礼!
翅の先端がクモの巣に引っかかって動けなくなっていました。
これは見つけるのが早かったし、遊歩道から近かったので、救助成功!!
こちらは、時すでに遅し!!
ナガコガネグモの幼体に♀がグルグル巻きにされてました! ハッチョウ君の天敵はクモ以外には肉食性の水生昆虫や鳥たち、他にはトンボも大敵かな?
羽化してからの寿命は1ヶ月~1ヶ月半ほどと言われます。それほど短いのに、このような困難と闘わねばならないのです。
昆虫写真家の海野和男氏が、下記のようなことを書いていました。
小さいから、狭い場所でも生きられる。飛ぶ高さも普段は水面から20cmぐらい。だから意外と他のトンボとの接触は少ない。一緒にいるオオシオカラトンボやショウジョウトンボは水面から80cmぐらいのところを飛ぶことが多い。そして彼らはハッチョウトンボの数倍大きいのである。
そういったことがハッチョウトンボがあまり大きなトンボの餌にならない理由であると思った。…