アオシギ ~ 満願成就 ~
とにかく何度行ってもいない! ぜんぜん姿かたちも無し!! 気配すらない!!!
「アオシギにまたまた行ってきましたが、またしても振られました。段々とAさんの日本記録に近づきつつあります!」
A氏「ハハハ、僕は20回目ですからね! 記録が更新されるよう心より願っております!!」
「記録更新? 私にはそんな実力はありません!何とかしてくれ~」・・・もうやけくその心境です!!
本来、アオシギは警戒心が強い鳥で、石がゴロゴロした浅い川の中にいても、石の陰に隠れたりして、なかなかお目にかかれない少々厄介な鳥なのです。人呼んで「渓流の忍者」!
なのに、ここは公園のど真ん中を流れている小川で、一応 石もゴロゴロしていて水深も浅いというところまではいいのですが、左右は人も散策できる場所。
どうしてこんなオープンなところにいるんだろ?と思うくらいの環境で、見つかる時はあっけなく見つかってしまうという、知る人ぞ知る場所。
なのに自分が行く時に限って、意地悪してると思うくらいに全く姿を見せないのです。
かと思うと、初めて訪問した人が、駐車場から出た途端に見れちゃった!・・・しかも、それから5時間もじっくりと!!
挙句の果てに、味を占めたその人が翌週行くと、またしてもジックリ見てきたんだとか・・・とにかく腹立たしい話ばかり!! グギギギギ~~!!
そんな時、2月8日のこと、地元の友人B氏から10時頃に電話がありました。「今、アオシギを見つけたけど来る?」 考えることなんてありません、2時間掛かっても行くっきゃない! さっそく急行しました! いました! アオシギ君も待っていてくれたのです!
何だか簾(すだれ)の向こうに天皇陛下が座しているのを拝謁するかのように、霞んでしか見えません。
ジックリ撮ってのベストショットもこの程度! もっと何とかしたいけど、方法がありません!
やむなくこれでも見たこと、撮ったことにしました。
一緒に行った友人C氏も「とにかくアオシギってわかるんだからハナマル、ハナマル~!! バッチリバッチリだい!!」と言うので、この日はめでたく・・・じゃないけど終了。
もうこれで、今シーズンは終わってしまうんだろうな!きっと!・・・と、あきらめの心境になったその1ヶ月後に、突然また降ってわいた話が来たのです。
B氏「今、見つけたんだけど来る? 今度は前回のような『すだれ』じゃないから大丈夫!」
迷う理由なんてこれぽっちもありません!! 幸いに高速インターからさほど遠くないところにいたし、機材も積んでいたので「す、すぐに行きま~す! 2時間で到着するのでその間、逃げないように見張っててもらえますか?」「来るまでいるかどうかの保証はできないけど、アオシギ君にもお願いしとくよ」と心強~いお言葉!!
もうこのチャンスにすがるしか方法はありません!命運はB氏とアオシギ君に託しました!
時速は最高で130㎞くらいは出したかなあ! 前に遅いトラックなどがいると、あおり運転をしたくなってしまいます!! ハンドルを握る手も汗をかきっぱなし!! 隣には前回 「バッチリバッチリ」と言ってた友人C氏も同乗。この人はハンドルを握ると人格が変わるタチなので、今回ばかりは危なくて運転させられません!
道中では「アオシギ君はいてくれるかなあ?」などの不安を掻き立てる話題は絶対に禁句!!
駐車場には予想よりも10分も早く到着できました! さっそく迎えてくれたB氏の顔を見たらニコニコしていたので、もう安心! ここでどっと力が抜けてしまいました。
今回こそバッチリがホンモノのバッチリバッチリになるぞ~!
アオシギは冬鳥で、チベットやモンゴルなどの高山帯で繁殖しているのです。
もうそろそろ、南へ帰る準備を始める頃です。
ちょっと横道にそれますが「Sniper」について。
「Sniper(スナイパー)」というのは、ご存じゴルゴ13などの「狙撃手」と言う意味!