ミヤマガラス ~ 大陸からの旅ガラス ~
写真では判りにくいけど、他のカラスと同じく「間接頭かき」です。
これは8年ほど前に袋井市で撮ったミヤマガラスの大群。
毎冬100羽以上、多い時には200羽ほどがここへ渡って来ます。
Myフィールドノートの記録を見ると、ミヤマガラスを初めて見たのは九州の出水市にツルを見に行った時のことで、この時は数十羽のミヤマガラスと2羽のコクマルガラスを同時に見ていました。「渡り鳥のカラス」・・・と、いうことで「おお~~!!」と感激したのを鮮明に覚えています。その時ほどカラスをじっくりと見たことはありませんでした。
この時期は鳥見を始めてから既に7年ほどが経過しているので、ハナマルが袋井市でなく出水だということは、この頃には、まだ袋井市にはミヤマガラスが渡来していなかったということになります。
成鳥が3羽と、右下は嘴の付け根が白くないので幼鳥
成鳥はハシボソガラスよりもやや小さくて、嘴の付け根が白っぽいので他のカラスと混じっていても見分けられます。おでこが盛り上がって頭頂部が平らに見えることが多いので頭部の形でも見わけは可能です。
成鳥の嘴の付け根の白い部分には羽毛がありません。
幼鳥の嘴付近はこんな感じで、白っぽい部分はありません。幼鳥だけだとハシボソガラスとの見分けがちょっと大変。
さてさて、カラスは黒いだけと思っている人がいたらその認識を変えてもらわねばなりません!「カラスの濡れ羽色」というのは日本女性の黒髪を称賛した言葉!
「構造色」はカワセミや昆虫などの例でいろいろ紹介したけど、カラスにも「構造色」が存在するのです。
「構造色」とは?・・・を復習すると、物質の構造と光の干渉が複雑に絡み合って発生する色のことで、構造が壊れない限り退色することはありません。
ハシブトガラス
ハシボソガラス
ミヤマガラス
どれも角度によって美しく輝く角度があるのです。その中でも私がいつも不思議に思っているのはミヤマガラスの場合、ブトやボソが青紫色に光るのに比べて赤紫色に輝く点です。
構造色には次の5種類があるそうで、① 薄膜干渉/シャボン玉 ② 多層膜干渉/タマムシ ③ フォトニック干渉/CDの裏側 ④ 回折格子/オパール ⑤ 光散乱/青空や夕焼け空
・・・カラスの羽毛の構造色は①ということです。
現在は冬になると数万羽という単位で渡来しているようですが、春になるとすべて大陸へ戻っていきます。いつの日か、日本でも繁殖するようになるのかな?
ミヤマガラスは見た事がないのですが渡り鳥だったのですね!
返信削除構造色は奥が深いですね~
構造色は知れば知るほど奥が深くて面白いですね!
返信削除でも政治家の「玉虫色の発言」は構造色には属しません!!