ミコアイサ ~ 市の鳥 ~
さてさて、サブタイトルの本題。
それぞれの都道府県の県や市には花・木・鳥などがシンボルとして決められています。昭和38年(1963年)に、農林省が各地方自治体に「県鳥選定」を通達、全国各地でその運動が始まりました。
静岡県の鳥はサンコウチョウ、ジュビロ磐田もサンコウチョウ・・・まあこれは全く問題ありません。
よその県のシンボルはというと、北海道が「タンチョウ」、埼玉県が「シラコバト」、新潟県が「トキ」、岐阜県が「ライチョウ」、滋賀県が「カイツブリ」、鹿児島県が「ルリカケス」沖縄県が「ノグチゲラ」・・・エトセトラ。
どれもその県と深いかかわりがあり、かつ素敵な鳥を選んでいます。中には徳島県の「シラサギ」のように種名ではなく、白いサギ全体を指すという欲張ったものも。
その関連で、旧浜松市が「市の鳥」を制定したいと言い出した時、遠江支部としては「ミコアイサ」を推薦しました。根拠は当時の佐鳴湖には毎年50羽ほどのミコアイサが多数、飛来していたこと。
※その後、鳥類保護連盟「日本探鳥地図 全国版」(1986年初版)や、日本野鳥の会「日本の探鳥地」(1991年初版)にも「佐鳴湖は東海地方で最大のミコイアサ集団渡来地」として掲載されるほど、バードウオッチャーの間では全国的にも有名だったのです。
当然ながら「ミコアイサ」がふさわしいのではないかと推薦したのですが、その時のライバルは「ツバメ」。「ツバメ」は市内の中田島砂丘付近の馬込川河口にねぐらがあり、夏には東南アジアへの渡り前に、静岡県以東から流れてきたのも含めて、数万羽が集結するという大きなヨシ原があったのです。
結局のところ「ミコアイサ」は見事に撃沈! 鳥に関心がある人の中ではミコアイサの名前は有名でも、一般的な知名度ではツバメには到底かないません。公募の結果にガックリしたのを覚えております。
ちなみに平成の大合併の時代、浜松市が政令指定都市を目指して大きくなった時(平成17年に新浜松市が誕生)に、市の鳥「ツバメ」が見直され、現在では「ウグイス」となっているのです。
「ウグイスの美しく澄んだ鳴き声は春を告げる声として広く親しまれ、人々の心を和ませ、音楽のまち・浜松を象徴する」・・・なんだそうな。でも山梨県や福岡県も「ウグイス」だぜい!
フン! ミコアイサじゃなきゃ何でもいいやい!