学力テスト Vol.350-3 その解答 コアジサシ

 コアジサシ

昨年の今頃、すなわち2020年8月20日 ♯314-4でコアジサシのヒナの巣立ちまでをご紹介しました。今回はその続編を。

孵化して2日以内のヒナ

そこから数日後

2週間以上が経ちました。大きさは親と変わらないほどになりました。

初めて飛んだ日!! まだ100mほどしか飛べません。

これくらいになれば、すっかり自立です。

羽根の雨覆に茶色のうろこ模様があるので、これは幼鳥です。
おっと、魚を発見! ホバリングをして飛び込むタイミングを計ります。

発進!

ドッポーン

うまくいったかな?

成功です!! 見事にキビナゴ?をゲット~!
魚の獲り方は、親から教わらなくてもDNA遺伝子でバッチリです。

コアジサシは、はるばるオーストラリアから渡ってきて日本で繁殖し、秋にはまたオーストラリアへ渡っていきます。なぜそのようなルートまで分かるのでしょうか? 

そんなことが分かるのが「鳥類標識調査」です。
標識調査はヨーロッパで110年ほど前から始まったようです。
標識調査は自然条件下で鳥のことを調べる唯一の方法といわれます。

足に付けるリングには固有の番号や記号、連絡先が刻印され、いつどこでリングを付けた鳥なのか、そこから年齢や寿命、渡りのルートなどいろいろなことが分かるようになっているのです。

鳥が渡りをするとはだれも思わなかった時代・・・古代ギリシアの哲学者アリストテレスは、夏鳥がいなくなる時期は木の洞や、土の中に潜って冬眠すると考えていました。さもありなん!

ここで、コアジサシと同じような行動をするツバメについてのお話。
日本でも標識調査が本格的に始まり、ツバメにリングを付けて放鳥した結果、日本から遥か彼方の東南アジア・・・すなわちフィリピン、マレーシア、ベトナムといった国々から情報が寄せられました。足環の付いたツバメを見つけ、そのリングを調べたら『TOKYO JAPAN』と書かれていたというのです。


さてさて、フィールドで撮影をしていると、ごくたまにですがリングやフラッグをつけた鳥を発見することがあります。コアジサシでも数回経験してます。

♂の右足にはリングが見えます。2021年撮影

こちらは2016年撮影

この左足に青いフラッグ&右足にリングが付いているコアジサシについて調べてみました。

どうやら東京の昭和島にある「森ヶ崎 水再生センター」屋上のコアジサシの繁殖地で、「NPO法人 リトルターン・プロジェクト」が背中にGPSを装着した個体のようです。
※リトルターンとはコアジサシの英名です。

GPSを付ければ衛星で追跡してどのようなルートで渡るのかも分かります。
最近、激減が心配されているコアジサシの生態調査なのです。

南へ渡っていく時期になりました。

来年もまた元気な姿を見せてくれますように。















2 件のコメント:

  1. ♯314のコアジサシのヒナの巣立ち。又楽しんできました(^^♪
    幼鳥がイワシをゲットした写真には思わず拍手~(^O^)/
    激減が心配されているコアジサシ。生態調査が必要なのですね。
    来年もまた元気な姿を見せてくれますように。

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  2. #314の記事を読んで頂き、ありがとうございました。
    コアジサシのダイビングを撮るのはホントにムズイんです!
    もっと腕があれば、さらにいいのが撮れるんだけど・・・
    大蔵大臣が首を縦にさえ振ってくれたら、いい機材が買えて狙ったイメージのが撮れるんだけど・・グスン!

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