学力テスト Vol.349-3 その解答 アオバズク

 アオバズク

青葉の茂る頃に東南アジアから渡って来るフクロウ類だからアオバズク。漢字表記では「青葉木兎」。何ともわかりやすく、言い得て妙とはこのことです。

「木兎」とは「木に棲む兎」のことで、兎(ウサギ)は耳が長いことからフクロウ類の「羽角」をウサギの耳に見立てて付けられた言葉です。

ちなみに「フクロウ」と「ミミズク」の違いはフクロウには羽角がなく、ミミズクには羽角があるとされているけど、しっかりとした線引きがあるわけではありません。

アオバズクのように羽角がなくてもミミズクという名前が付いたり、シマフクロウのように羽角があってもフクロウという名前が付けられることもあります。

このアオバズクのヒナたちは巣立ちして1週間ほど。

この時期のヒナは、よく頭を回す動作をします。

アオバズクのヒナたちが、クルクルと頭を回す行動について、その理由を知るには、まずフクロウ類の眼球と頸椎の構造を知る必要があります。

こちらをジッとみて「あんた誰? なんか用?」

鳥類の眼球は眼窩(がんか)と呼ばれる頭蓋骨のくぼみの部分に収まっていて、固定されているので、ヒトのように眼球を動かして視線を変えることができません。

おっ、上に何か来た~!

さらに、フクロウ類は物を立体的に見るように両目が正面についているので、側面についている他の鳥類よりも視野がとても狭いのです。
ヒトは顔を正面に固定して、左右に眼だけを動かせば170の視野角なのに対して、フクロウ類は110度と狭いのです。

ホイ! 右向きもヘッチャラ

そこで、この不自由さを解消するのに役立っているが頸椎、要するに首の骨です。 哺乳類の頸椎はほとんどが7本で構成されています。ヒトも、あの首の長~いキリンでさえもこの数は同じ!

それに比べ、鳥類の頸椎は8本から25本あって平均は14本、フクロウ類も14本です。
要するに羽毛で隠れていて外見からは分かりにくいけど、鳥類の頸椎は前後にS字に曲がっていて頭を自由自在に動かせるのです。これはサギ類を見ればわかるでしょ?!

「ボクに興味あんの?」

正面を向いた状態から、左右にそれぞれ270度も回転できます。まるでエクソシストなみ!! このようにフクロウ類は首を回すことによって視野を補っているのです。

たまには羽根もストレッチ ウ~ン、気持ちいい~!

ヒナは視力がまだよく発達していないので、巣立ち直後からしばらくは、こんなふうにいつも首を動かして物をよく見る練習をしている・・と聞いたことがあります。確かに、親はこんなふうにしょっちゅう首を動かすことはしません。

フヮ~、今日もヒマだな~~ と大あくび

おなかが空いちゃった~と、腹ばいになって休憩

あんまり退屈だから、ひそひそ話
「今、カアチャンたちが昼寝してる隙に、内緒でどこかへ遊びに行っちゃおうか?!」

 また、ボクのところへ遊びに来てね~・・・とVサイン!!













3 件のコメント:

  1. フクロウ類は首を回すことによって視野を補っているのですね!
    ヒナの写真どれもなんて可愛らしい~(^^♪
    Vサインに私もVサイン!(^^)!

    返信削除
  2. 気に入っていただけたようで、取材の苦労が報われました。
    首回しの運動は巣立ち後の10日間ほどのチャンスしかありません!
    その期間内で、葉に隠れていない時や居眠りをしていない時、距離がそこそこに近いチャンスを待つのです。

    返信削除
  3. 巣立ち後の10日間ほどのチャンスしかないとは!!
    貴重な貴重な写真ですね!(^^)!

    返信削除