コガモ
コガモは気の早いものは9月下旬には渡って来ます。その換羽開始時期からの工程をじっくりと撮ろうと、いつも気をつけているんだけど、これがなかなかに難しいのです。在庫を調べたら今のところ、これが一番初期の換羽中の写真です。
手前のコガモには段々と顔の緑が出てきました。
奥の個体は顔は変身完成で、腹部がもう少しって感じです。
和名では、単に小さいからということで「コガモ」という面白くもなんともない名前を付けられています。確かに水面採餌ガモの仲間では最小なんだけどネ。
英名では「Teal」または「Green-winged Teal」と言って、Tealの意味は青緑色のことを指します。ズバリ、コガモの翼鏡のことを表現しているのです。
翼鏡はきれいなコバルトグリーン
公園でカモを見ていると、おもしろい会話が聞こえてきました。
「この小さいカモはね~ コガモって言うんだよ、隣にいる大きいカモの子どもなのよ」 お母さんが幼稚園くらいの女の子に、さも自慢げに教えています。 目の前にはどう見ても、マガモとコガモしかいません。誰かに教えてもらった受け売りなのでしょうか? それとも自分で発明した言葉なのでしょうか?!
こんな時、アナタだったらどうしますか? おっと、ここは鳥博士の出番じゃ~・・・と、ばかりにしゃしゃり出ますか? それはあまりにも浅はかな行為です! 世の中そう単純ではありません。
そんな時、私は「どうしたらよかんべ?!」 と悩んでしまいます。
だって、もしかしたらそのママは、ホントはこれがコガモの成鳥だってことを知っていて、子供の観察力や識別力を試しているのかもしれません! 多分そうじゃないけど・・・
もしそのママが知らないでそんなことを言っていたとしても、子供の前で尊敬する母親の言うことを否定しちゃ、まずいんです。
「うわわ~、ショック~!!うちのママは知ったかぶりの見栄っ張り~ そう言や、あれもこれも・・・あのショルダーバッグだってメルカリで中古を買ったのに、まるで新品のブランド品を買ったかのようなことを言って自慢してたじゃん!ぐゎ~~ん!!」と、早熟な乙女心を傷つけることになり兼ねません。それが引き金になって「けっ、やってらんね~!」とヤンキーに走るかもしれません。
わざわざ家庭騒動の火種を撒くことは避けねばなりませぬ! よそさまの家庭の教育方針に他人がとやかく横槍をいれてはなりませぬ。
という訳でそんな時、思慮深い私めとしましては、出かかった笑いをクククッとこらえながら、そ~っとその場を後ずさりするのであります。