ハシジロアビ その2 ~ 3000㎞の魔力 ~
英名では「White-billed Diver」、アメリカ英語では「Yellow-billed Loon」といいます。今回はバードウォッチングの発祥地である英国に敬意を表して、英名のお話を少々。
「White-billed」すなわち「白いクチバシ」は和名の「ハシジロアビ」の由来となっています。「Diver」は「潜水夫」のことで、名前のとおり潜水が得意で長い時には3分以上も潜り、はるか50~100mも離れた場所に浮上したりします。通常は5~20mほどの深さを潜りますが、時には60mも潜ったという記録もあるようです。
浮かんでいる時はゆったりと
獲物を探索中
おおっ、見っけ~
波を立てずに、静かに潜水開始!
カモ類と違って、足は体の極端に後ろ側に付いています。
参考までに、類似種の「シロエリオオハム」の足の位置
足をピラピラと振っていたけど、もしかしてストレッチ?
血管が透けて見えるので、水かきの膜は意外と薄いのでしょう。
参考資料 「鳥のフィールドサイン 観察ガイド」 箕輪義隆
久しぶりに趾(あしゆび)の形も載せてみました。
アビ類はカモ類・カモメ類・ミズナギドリ類など、多くの水鳥と同じく「標準蹼型(ひょうじゅんぼくがた)」で特に変わった形をしているわけではありません。
この「芭蕉紙うちわ」のようなバカでっかい見事な水かき! これが最大の武器で、船に例えるとスクリューと舵の役割をします。水中を泳ぐスピードは5~10kmと言われています。
他には ◆高速で潜水するし、深く潜るので、カモ類よりも眼球が硬く、ゴーグルの代わりとなる瞬膜も水圧に強い ◆骨が比較的重くて浮力が小さい ◆羽毛の間の空気量を調節できる ◆血液中に酸素の濃度を蓄える能力が高い・・・エトセトラ。どれも潜水に特化したカスタムメイドの重量級潜水艦なのです!!
何やら大物をくわえて浮上!
どうやら「シタビラメ」の仲間のようです。
一旦、放してくわえ直し
頭部をガッチリとくわえて弱らせ、この後は一飲み!
シタビラメというのは一般名・・・調べてみたら今回の獲物は「クロウシノシタ」とか「アカシタビラメ」のようです。海底でジッと潜んでいたのに見つかってしまい、ガブリッと噛みつかれて彼の運命は ♪ ハイ、それまでよ~ ♪ !
静かに、目立たないように、ひっそりと暮らしていたのに、あっという間に地獄行きなんて!たまったものではありません!
今年の3月中旬に見た冬羽
同じ個体かどうかは判りませんが、6週間後に見た個体
単なる白黒のシンプルなツートーンなのに!!
冬羽とはまるで別種のようで、息をのむ美しさ!
会えただけで心が躍る・・・まさに「しあわせの黒い鳥」!!!
感激で涙腺も緩んでくるし、撮るのも忘れて見惚れてしまいます!・・・と言いながら、気を取り直してしっかりと撮影!!
直接頭かきも撮れました。当然ながらハナマルです!
興奮冷めやらぬ余韻に浸っている2日後、友人から連絡が入りました。
「アレってまだいるのけ?」
「ん?んん? まだ行ってなかった?」
「いま鹿児島にいるんで、これから行くつもりだけど、いてくれそうかなあ?」
「か、か、鹿児島~~?!?!」
「んだ!25年前に見たのよりキレイって聞いたんで、ちょっくら行こうかなと・・・」
「・・・」唖然として声が出ません。
鹿児島から現地までは1500㎞あります! 飛行機なら2時間ほどで現地に。新幹線を使ってもたっぷり9時間。
「あの様子ならしばらくは大丈夫っす!」と言うと、彼は「ほんじゃあ、行くべか!」と、何と何と車を飛ばして来たのです! オーマイガー!!です。
無事に撮影後、彼は「ほんじゃ、まだ あっちで用事が残ってるんで」と、鹿児島へ戻っていきました。
これぞ、彼に3000㎞もの旅をさせるほどの魅力・・・いやいや魔力を持った鳥なのです!
まあ、そのくらいの価値は充分に持っているんだけどネッ!!
まだいるならまた行ってみようかなっと!逢えばまた心をホットにさせてくれるから・・・
重量級潜水艦!! ハシジロアビ♬
返信削除その姿はスーパーモデル!(^^)!
25年前の夏羽のチャンスを逃してしまっただけに、今回の出会いは感激ひとしおでした!
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