学力テスト Vol.438-3 その解答 ライチョウ ~ 神の鳥 ~

 ライチョウ ~ 神の鳥 ~


浜松の気温は今頃35℃として、この標高だと100mあたり×0.6℃下がる計算から21℃に。
やっぱり涼しいね! 下界の熱射地獄から逃れながらの鳥見は快適・快適~

・・・というのは天気のいい日に言う言葉! 今朝は朝から雨模様で現在昼頃だけど、午後も降ったり止んだりのあいにくの天気。おまけに霧も発生していて視界は10mあるかないか!
せっかくの鳥見もこれじゃあ・・・クッソ~!

結局、初日は「声はすれども姿は見えぬ、ほんにお前は屁のようじゃ!」で、ホシガラスやカヤクグリ、ルリビタキなどが、濃霧の中をそれらしいのが目の前をかすめただけと言う悲惨な日! ああヤダヤダ! おまけに明日も似たような予報なんだと! 誰じゃ~、こんな日に行こうなんて言ったやつは~!


翌朝は意を決して宿を5時出発! 午前中は雨もほとんど降っていなかったので、傘がないだけ楽ちんだったけど、相変わらずの濃霧で成果は殆どなし!
2時間ほど歩き回って疲れ果てた頃に、上の方から「ゴア~」の一声が!
100mほど先の尾根で、たまたま霧が薄かったので見えました! ついにライチョウ発見!!やった~、これぞ神の声です!! 

平安時代の頃には「らいのとり」、江戸時代から「らいちょう」と呼ばれるようになったとか。「らい」は霊のことで、「霊鳥(れいちょう)」すなわち聖なる鳥、神の鳥なのです。

大急ぎで上に! そのポイントへ登山道で上がってみました!

しばらく周辺を探すと・・・霧の中にい・いた~~!!! 
コマクサのところで動かずにいてくれたのを見つけました!

おおっ、こちらに向かって歩いてきます! 何とまっすぐこちらへ向かって!!

うわわ~っ、すぐ横を通り抜けてゆっくりと歩いていきます!!

何だ何だ?!この至近距離は!!! これだけ近ければ多少の霧は大丈夫!・・・というか撮るのに夢中になって霧のことなんぞ忘れてましたわい!!

実は彼女はヒナの待つハイマツのねぐらに帰ろうとするコースだったのです。普通の鳥なら、自分の行きたい方向にヒトがいたら、回り道をするのですが、何故かお構いなしに私のすぐ横を通り抜けて行ったのです。あまりの大胆さに唖然でした!

ライチョウは識別のために、すべての個体に足環が付けられているとのこと。

彼女の足はクイズのとおり「三前趾足」です。

それにしても爪先まで毛だらけです! これなら厳冬期でも耐えられそうです。
この爪もアイゼンのように硬くて、氷も砕けさせるような丈夫なつくりらしい。

とりあえず、母親は撮れたので一安心! しかしあまり時間がありません! 10時頃からは雨になるという予報なのです。残る時間は1時間! 宿も近くに見えてきました。残すは200mを切りました。もうこのままヒナたちを見れずに帰るのか? ここまで来たのに?!?!
そんなのヤダ~! その時です!!

先頭にいたS氏が「あ~~っ、いたいた~!!」

と、指さす先に何やら茶色の塊が右に向かってわずかですが動いています。
見つけた彼だけがバシャバシャと撮り始めました!! それを見て慌てて探すのですが見えません! 
「カメラの方向を見て~!!」と言われたって見えないので焦るばかり! パニックになってしまいました。

距離は約20m!
その時の写真がこれで、濃霧の中で確かにライチョウの親子らしいのがいます!

どうやらヒナも3羽いるとのこと!
しかし霧が濃くて濃くて、もどかしいったらありゃしね~ グギギギギ~

おっと、少し霧が晴れてきました
・・・が、ヒナたちは母親の懐にもぐってしまいました。母親も休息タイム。

これはものすごく大事な行動で、ヒナの死亡率が高いのはこの生後1か月以内の時なのです。冷たい雨で濡れた場合、まだ体温調整ができないヒナは急激に体温が下がり、母親の懐に入れなくて凍死するという確率がものすごく高いとのこと!

おっと、母親が動き出しました。
霧もほんの少し薄くなったような・・・

おおっ、今度はヒナがしっかりと見えます!
こんなボケボケ写真じゃ見えないぞ~!・・・っていう人は心眼でどうぞ!

ピョコピョコとお花畑の中を歩いていきます。

でも、どんどん遠ざかっていきます! 
あれ~、せっかく霧が薄くなって見えてきたのに~~ ま、まってくれ~~

という訳で、なんとかファミリーを撮ることができました。

今回はパパを見ることができなかったけど、そこまで贅沢を言ってはいけません。
これはン十年前に立山で遭遇した時のお宝写真です。

ライチョウがどうして人を怖がらないのかって? その答えは簡単! 
昔から神の鳥として敬ってきたので、狩猟の対象にならなかったからなのです。
ユーラシア大陸などの極北の地には多数のライチョウの仲間がいるけど、どれも狩猟の対象だったので、ヒトを見たらササ~ッと逃げてしまうのだそうです! そりゃそうだよねっ!

最後に「盲腸糞(もうちょうふん)」というのをご紹介。
ライチョウは左右一対で長さが30㎝以上にもなる盲腸を持っています。盲腸は葉や茎を食べる草食系の鳥で発達していて、その中でもライチョウは特に長い盲腸を持っているのです。

通常のフンとは別に、親は「盲腸糞」といわれるフンを出します。ヒナはその糞を食べることによって親の腸内細菌が自分の長い盲腸に受け継がれていくのです。
ライチョウは春から秋にかけてはハイマツの実、高山植物、下から上がってくる昆虫などをエサとしています。この腸内細菌が植物繊維などの消化を助けてくれるのです。

ライチョウは2500m以下には降りてくることがありません。ホシガラスもカヤクグリもイワヒバリもビンズイもルリビタキも皆、子育てを終えたら下に降りていくのに、この厳しい条件のもとに留まる鳥はライチョウしかいません。

国内では本州中部地方にのみ生息する絶滅危惧種! ぜひ一度彼らに会いに行くことをお勧めします!! 見つけたら幸せになれるぞ~

天気のいい日よりも、霧が出ている時の方が外敵への警戒心が薄らいでライチョウは見つけやすいとも言われています。
だから今回のような日はベストなのです!なんちゃって デヘッ!
























2 件のコメント:

  1. ライチョウは神の鳥!!
    ファミリーに会えて良かったですね!\(^_^)/
    雛が可愛いですね~♬
    お花畑も綺麗~♬

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  2. ヒナが一番かわいい時期に出会えて幸運でした!
    ヒナたち全員が無事に育ちますように!

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