コシアカツバメ ~ トックリツバメ ~
左がコシアカツバメで右はツバメです。
電線を指先でしっかりとつかんでいます。
まずは解答から・・・「三前趾足(さんぜんしそく)」といって、4本ある趾(足指・あしゆび)のうち前足が3本、後ろ足が1本になっている形のことでスズメ目、タカ目、カモ目など多くの種類がいて、鳥の中では基本形です。
ツバメがユーラシア大陸のほぼ全域やアフリカ、アメリカ南北大陸、オーストラリアなど5大陸に棲息しているのに対して、コシアカツバメはユーラシア大陸とアフリカにしかいません。
浜松市内でも少数でどこにでもいるわけではありません。ちなみに静岡県のレッドリストでは絶滅危惧種2類(VU)に分類されています。
これがコシアカ君の巣
別名を「トックリツバメ」と言われる所以です。
コシアカツバメは意外と警戒心が強いのです。
それはツバメとの比較でもよく分かります。
巣は橋の下などが多く、人が近寄れる場所にはあまり作りません。ツバメと違って巣の中は全然見えなくて、しかも天井に張り付いています。これならカラスやヘビなどの天敵に襲われることはないでしょう。
ところが意外な天敵がいるのです。それは何とスズメ!!
スズメにとってはコシアカの巣は喉から手が出るほど魅力的な巣!
だから自分たちに都合のいいように入り口を広げて乗っ取ってしまうのです。おとなしいコシアカ君たちは抵抗しないのだそうな。
これは 8/8 の撮影なので2回目の繁殖(2番子といいます)かもしれません。
もうすぐ、もうすぐ大空へ!
巣立ちした頃のヒナはまだ尾羽が長くありません。
こちらは尾羽がだいぶ伸びてきました。
ここで尾羽について。
なぜ長い? 高速で飛ぶため? いやいやそんなことはありません。
高速で有名なハヤブサやアマツバメだって長い尾を持っていないのだから!
では何のため? ・・・そう、これは♀へのアピール!! 言わば飾り羽なのです。
ツバメの研究者によると尾の長い方がペアを作るのが早く、繁殖に有利だというのです。
♀から見ると尾が長いほど魅力的に見えるようなのです。
なぜかというと、「ハンディキャップ仮説」というのがあって、尾の長い方が普段の生活に邪魔になるのに問題なく暮らしている・・・ということは、すなわち強さの証拠だというのです。
逆に尾を切って短くすると、途端にもてなくなってしまうんだとか・・・♀が強い♂を選ぶのは当たり前のことなのです。
これはコシアカ君たちにも充分に当てはまりそうな説です。
調べてみると、四国や九州では越冬個体がいるという事なので、さらに温暖化が進む今後、これから浜松でも越冬個体が見られるかも?
この冬から気をつけて観察せねばなりませぬ。・・・目指せ、静岡県初記録!!
※その後、調べていくと2000年の冬に沼津市の狩野川流域でツバメ類の調査が行われ 1/30 に5羽が確認されたという記録を見つけました。
だから目標は「目指せ、浜松市初記録!!」に訂正!
電線にツバメとコシアカツバメが並んでる!いいなぁ~!
返信削除私の散歩道にも来てくれないかなぁ~(^^)
とっくり型の巣の天敵はスズメですか!自然界は厳しい~
浜松の越冬個体初記録!!頑張って~(^_^)/
コシアカツバメが軒先に巣をかけてくれる・・・いつかそんな日が来るといいですね!
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