学力テスト Vol.388-3 その解答 ノビタキ ~ 黒頭巾の秘密 ~

 ノビタキ ~ 黒頭巾の秘密 ~

秋の彼岸の頃から今頃まで、遠州地方ではよくノビタキ君を見かけます。

冬羽になって顔と喉が黒いのはノビタキ君の♂。
繁殖を終えて南への渡りをする途中、このように「全身換羽」をして登場。

「全身換羽」といっても、一度にすべてが抜け落ちて丸裸になるわけではありません。
ノビタキ君のようなスズメ目では、①最初に初列風切の一番内側から抜け始め、そのあと②大雨覆がゴソっと抜け落ち、次に③小と中の雨覆 そして④尾羽と抜け替わっていきます。

その場合は必ず左右対称でゆっくり進行して、飛翔への負荷ができるだけ少ないようになっているのです。換羽に要する時間は約2ヶ月ほど・・・何という驚くべき不思議な仕組み!!
                 参考:「鳥の雑学がよ~くわかる本」柴田佳秀著

夏羽は朝霧高原など、富士山周辺の標高の高い草原で見ることができます。

尾羽を拡げてストレッチの開始。
おっと、じゃあ次の行動を期待しちゃおうかなっと!

しばらくしてから、狙い通りに「頭かき」 やった~!

Vサインをしてくれたのはいいけど、うしろ姿じゃ読者の皆さんが不満足!・・・でしょ?


日を改めて再挑戦、コセンダングサに来た別のノビタキ君が「間接頭かき」をしてくれました。そうこなっくちゃね~!!


この時期、花とのセットの写真が大好きなオッチャンたちが狙うのは「ヒガンバナとの2ショット」です。皆さん、ヒガンバナが咲き出す頃になるとソワソワとし始めます。

 情報をもらっても、さほど興味がないせいか、腰が重くて出掛けなかったため、ついでに出かけた時はこんなふうにヒガンバナはもう盛りを過ぎて色あせておりました・・・が、こんなのが撮れただけでもモデルになってくれたノビタキ君に感謝せねばなりませぬ。


 園芸種のコスモスに来るのも、写真のオッチャンたちにはすっごく人気があるんだそうなっ!
 これを称して「コスノビ」って言うんだってさ!! 何でもかんでも略しちゃう世の中!
だけど「ヒガノビ」とは言わないらしいけど・・・。

♀が帰化植物のセイタカアワダチソウに来ました。
略すと「アワノビ」だけど、これは誰も言いません。

おっと、隣の花に何か虫を見つけたようでアタック~~!!

 コセンダングサ、ヒガンバナ、セイタカアワダチソウ・・・どれもこれも帰化植物だらけ!! 花とのコラボはいいんだけど、国産種の花はどこじゃ~~

春に渡って来た時はすでに夏羽になっていました。4/26 日本海で撮影

 春に渡って来る時は、秋とコースが異なるようで、遠州地方で見かけることは殆どありません。きっと内陸を渡って来るのでしょう。

 さて本題。この繁殖用の夏羽への衣替えは換羽ではありません。
頭の茶色が擦り切れて、中の黒い羽毛が出てくるという仕組みなのです。
これはノビタキやオオジュリンで知られています。鳥たちは、こんなふうに ごくさりげなく手品をしているのです。














2 件のコメント:

  1. 繁殖用の夏羽への衣替えが換羽だと思っていました。
    繁殖を終えた後約2か月程掛けて全身換羽!
    真っ黒頭ではなくなるんですね~驚きでした!

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  2. 鳥たちの究極の進化・・・というか、その能力はヒトの想像をはるかに超えているのです! まだまだその能力で知られていないことが沢山ありそうです!!

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