長年の目標だったエナガ君の巣立ち直後のヒナたちを取材できました!
まずはその住居をご紹介。エナガの巣は直径が8~10cmということなので、ソフトボールくらいの直径です。それが楕円形になっていて、サッカースタジアムのようなドーム型の屋根付きで、木の股などに作ります。
言葉でくどくど説明しても分かりにくいので、イラストを借りてきました。
「柴田佳秀著:鳥の雑学がよ~くわかる本」より
巣材の外壁はスギゴケ類などが主で、それをクモの糸や、ガのまゆなどの丈夫な糸をほぐしたりして、しっかりと固定します。
肝心の内装ですが、鳥の羽毛や獣毛などを使います。
ダウンジャケットや羽毛布団の場合は、「綿羽」というタンポポの種のような羽軸のないものが高級とされますが、エナガの場合は雨覆や胸などの羽軸のある部位も多く使います。 イラストでは小鳥の次列か3列風切りのような羽を持ち込んでいるところが描かれています。
エナガの巣は鳥の巣の中でも最高級クラスの室内空間で、「羽毛布団に包まれたふわふわの巣」として有名なのです。あるデータによると巣立ちした後に羽毛を数えたら、何と何と1240枚にもなったんだそうで、1000枚を超えるのは当たり前!!
それほど効率よく集めるには、猛禽類が襲った後の羽毛(キジバトやドバトなど)が散乱した場所を覚えていて、そこから運んでくるから・・・という話もあるのです。
エナガの場合は『 産卵数:7~12個 抱卵:12~14日 巣立ちまで:14~17日 』 こんなデータがわかっているので、巣作りが始まった後は、抱卵日を頭に入れながら、えさ運びが始まったのが確認出来たら、おおよそのヒナの巣立ちが予測可能なのです。
もちろん、友人の協力なしには巣立ち日が予測できるはずもなく、その点では感謝、感謝、大感謝!!!!!
4月の或る日「巣立ったぞ~~」の連絡で、すっ飛んで行きましたが、最初に見られたのはこんな感じで、お尻ばっかり!! ほとんど動きはありません。
何とか、端っこのヒナだけがこちらを向いてくれました・・が、これじゃ、イメージしていた「エナガ団子」とはほど遠い感じです。しかも数分後には、いきなり散ってしまいました! 「あわわわわ~~、これでお終いなの? ゲゲ~~」
ようやくようやく見つけたのがこの2羽のヒナ
夕方、諦めきれずに再挑戦したところ、現地には誰もいません。自力で探すにはかなり広い公園ですが、ここでくじけるわけにはいきません。「今回のチャンスをのがしたら、二度と見れないぞ~」と、めげそうになる心を鼓舞して探した甲斐がありました。とっとと家に帰ってビールを!・・・という欲望にも、なんとか勝てた結果です。
その2羽にピントを合わせていたら、何と何とあっという間に4羽に!
え、ええ、えええ~~、続々と集まってきます!
「うわわ~ 来た来た~~ 団子が来た~~!!」
さえぎる枝も葉っぱもなく、視界は申し分ありません!
1分後には8羽が集合!
気付かなかったけど、兄弟はきっと近くにいたのでしょう。
さらに1分後、とうとう10羽が集結しました。
左から4番目に1羽だけ後ろ向きがいるけど、これはご愛敬。これで全員のようです。
おっと、そのうしろ向きのヒナが、皆が止まっている枝に突撃~!
な、なんと! 無理矢理、割り込んでしまいました!! そんなに超密着してスキンシップがしたいのかな? そして、左から2番目にはギュウギュウ詰めになって、上からも押さえつけられた格好のヒナもいますが、特に嫌がった素振りはありません。
冒頭のイラストの巣を思い出してください。この狭い空間に10羽全員で2週間以上暮らしていたのですから、この程度のすし詰め状態なんてどうってことないのかもしれません。
親が餌を運んできました。
左の2羽だけが気づいていますが、他のヒナはボーッとしたまま。
今度は右から親がやってきました。左側のヒナは反応なし。
正面から来た親には「ママ~! 僕にちょうだい~~」と、皆が反応しています。
一番下の枝に注目! 下からもう1羽の親がエサを与えています。
下から来た親は、後ろ向きになっているヒナを忘れている訳ではありませぬ。このようにどの子にも分け隔てなく、均等にえさを与えているのです。それにしてもどうやって見分けているのかな?
親が餌探しをしている間、ヒナたちはよく居眠りをしています。
この時、眼を開けているのは2羽だけ!
このように「エナガ団子」となるのは、1~2時間に一度のようで、それ以外は集団で行動はしていますが、めいめい勝手に動き回っているのです。
まだ体力がないため、このように度々、休息をとるのでしょう。
「押しくらまんじゅう」をするのは温め合っているから・・・という人がいたけど、最大の目的は天敵に対する警戒からなのだと思います。公園には怖~いカラスがあちこちに!
1羽1羽がバラバラに餌探しに夢中になっていたり休息していれば、その分、天敵からも襲われやすいのです。
天敵を発見して皆に合図すれば皆が安全!・・・とは言いながらも、そこはまだ赤ちゃんなので居眠りもしょっちゅう!! まあ、それは仕方ないネ!
つかの間の睡眠から目覚めたのか、ストレッチを開始!
混みあっているので尾羽を拡げるくらいしかスペースがありません。
おっと、無理矢理左の羽根まで伸ばしています。
こんな時に「あれ」をしてくれたらいいのにな~と思いながら、シャッターを半押し状態で待っていたら、突然 右から3羽目が念願の「間接頭かき」を!!
ホンの1~2秒の瞬きをするような瞬間でしたが、撮ったという手ごたえはありました。
「うわわ~、やった、やった~~!!」こんな時じゃなきゃ、エナガ君の頭かきなんて撮れっこありません!!
おっと、皆が一斉に緊張の面持ちで同じ方向を!!
と、思いきや、突然バラバラとクモの子を散らすように飛び立っていきました。
なぜか、左にいた2羽だけが飛びません。「れれっ? 何があったの?」って顔で固まったままでしたが、それもつかの間で、すぐに飛んで行ってしまいました。
この一連の撮影時間は約20分・・・まさしく超々至福の時間でした! えがった~~!!!
ママが心配顔です。
この子は、もしかしたら一番手のかかる末っ子かな?
この後、巣立ちビナたちは、しばらくは親と一緒に行動して、いろいろ教わりながら自立していきます。
天敵以外に、雨やエサ不足など、いろいろな理由で小鳥たちのヒナが無事に育つのは10~20%以下といわれています。
この子たちが元気で育ってくれるように、願わずにはいられません。
エナガ君巣立ち直後のヒナたちの取材成功♬
返信削除おめでとうございます!
巣の内装に1000枚以上の羽毛が使われているとは!
親の努力は凄いです!
エナガ団子♬めちゃめちゃ可愛い~
fuutenhideさんの感動が伝わってきます(^^♪
どの子にも分け隔てなくエサを与えている親鳥の様子
感動します!
「間接頭掻き」もばっちりですね!(^^)!
どの子も元気に育ちますように~
見たい!見たい~!!・・・と願ってから、随分と長い時間が掛かりましたが、その分 感動は数十倍でした!!
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